【株式市況を検証】北朝鮮の金正日総書記死去の地政学リスクの影響は一時的

2011年12月24日 17:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フラッシュ:12月19日~23日の週の日本株式市場】

■ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感がくすぶり続け、日経平均株価、TOPIXとともに3週連続の下落

  12月19日~23日の週の日本株式市場(23日は休場)では、日経平均株価(225種)、TOPIXともに3週連続の下落となった。週初19日には北朝鮮の金正日総書記死去の報道を受けて地政学リスクが意識され、日経平均株価の終値が8296円12銭、TOPIXの終値が716.38となり、ともに11月28日(日経平均株価8287円49銭、TOPIX715.70)以来の安値水準に下落した。この地政学リスクの影響は一時的だったが、1週間を通してクリスマス休暇などで薄商いの中、フランス国債格付け引き下げ観測などユーロ圏債務危機問題に対する警戒感がくすぶり続けた。

  ユーロ圏債務危機問題に関しては、今週はそれほど大きな動きがなく、20日のスペイン国債入札で発行額が目標額を上回って利回りも低下するなど、やや落ち着いた状況だったと言えるだろう。ただし19日には、ユーロ圏財務相緊急電話会合でIMF(国際通貨基金)に対する1500億ユーロの拠出を決定したが、英国などの支援が明示されず、EU首脳会議で合意した2000億ユーロに届かなかった。21日には、ECB(欧州中央銀行)が初めて実施した期間3年の流動性供給オペに対する応札が、523金融機関で総額4892億ユーロに達して市場予想を大幅に上回った。このためインターバンク市場の信用収縮が回避されるとの期待感の一方で、銀行の資金繰りが厳しいことの裏返しとの見方や、イタリアなど重債務国の国債購入にはつながらないとの見方が広がった。

  さらに、主要国の国債格付け引き下げに対する警戒感がくすぶり続けた。すでに5日と6日にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がドイツやフランスを含むユーロ圏15カ国の国債格付けとEFSF(欧州金融安定基金)債の格付けを引き下げる可能性を発表し、12日にはムーディーズ・インベスターズ・サービスが12年第1四半期にEU加盟27カ国の格下げを検討する可能性を明らかにし、16日にはフィッチ・レーティングスが12年1月末までにイタリアやスペインなど欧州6カ国の国債格付けを引き下げる方向で見直すとし、フランスの格付け見通しについてもネガティブに引き下げたと発表している。このため今週は、特にS&Pによるフランス国債格付け引き下げ観測が警戒された。23日にはロイターが、欧州政府高官からの情報として「S&Pはユーロ圏15カ国の格付け見直しの結果を来年1月にも発表する見通し」と伝えている。

  米国の主要経済指標に関しては、良好な結果を受けて米景気の先行きに対する楽観的な見方も広がり始めている。20日には、米11月住宅着工件数(年率換算)が前月比9.3%増加の68.5万件となり10月改定値の62.7万件から改善して市場予想を上回り、建設許可件数(同)も前月比5.7%増加の68.1万件となり市場予想を上回った。21日には、米11月中古住宅販売件数(年率換算)が前月比4.0%増加の442万件となり、件数は市場予想を下回ったが前月改定値(同)425万件から改善した。22日には、米新規失業保険申請件数が36.4万件となり、前週改定値の36.8万件から0.4万件減少して市場予想以上に改善した。米11月景気先行指数(コンファレンス・ボード)は前月比0.5%上昇となり市場予想を上回った。米12月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は69.9となり速報値67.7から上方修正された。米7~9月期実質GDP確定値は前期比年率1.8%増加となり前回改定値2.0%増加から下方修正となったが、市場の反応は限定的だった。23日には、米11月耐久財受注が前月比3.8%増加となり10月改定値0.0%増加から改善して市場予想も上回った。米11月新築住宅販売件数(年率換算)は31.5万件となり10月改定値31.0万件から改善して市場予想とほぼ同水準だった。また米11月個人所得は前月比0.1%増加、個人消費支出は前月比0.1%増加にとどまり、いずれも市場予想を若干下回ったが反応は限定的だった。

  外国為替市場では、クリスマス休暇で取引が閑散としたうえに、手掛かり材料難で小動きの展開が続いた。ドル・円相場は概ね1ドル=77円70銭近辺~78円20銭近辺、ユーロ・円相場は概ね1ユーロ=101円20銭近辺~102円30銭近辺で推移した。

  テクニカル面で見ると、日経平均株価(22日時点の8395円16銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8458円82銭)に対してはマイナス0.75%となり、前週末に比べてマイナス乖離幅を若干縮小したが、上値抵抗線として意識される形になった。また75日移動平均線(同8614円25銭)に対してはマイナス2.54%、200日移動平均線(同9227円09銭)に対してはマイナス9.01%となった。いずれも移動平均線が下落しているため、マイナス乖離幅を縮小した形となっている。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は22日時点で100.4%となっている。

  日経平均株価の終値で騰落状況を見ると、週初19日は前日比105円60銭(1.26%)安と反落、20日は前日比40円36銭(0.49%)高と反発、21日は前日比123円50銭(1.48%)高と続伸、22日は前日比64円82銭(0.77%)安で3営業日ぶり反落した。日中の値幅は19日が92円67銭、20日が37円17銭、21日が30円22銭、22日が52円63銭だった。

  日経平均株価の週末22日の終値は8395円16銭となり、前週末16日の終値8401円72銭に比べて6円56銭(0.08%)下落した。週間ベースで見ると3週連続の下落となった。取引時間中ベースの週間高値は21日の8471円11銭、週間安値は19日の8272円26銭、1週間の取引時間中の値幅は198円85銭だった。

  TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末22日の終値は723.12となり、前週末16日の終値723.56に比べて0.44ポイント(0.06%)下落した。週間ベースで見ると3週連続の下落となった。取引時間中ベースの週間高値は21日の727.60、週間安値は19日の712.27だった。22日時点のNT倍率は11.61倍となり、前週末16日時点の11.61倍とほぼ同水準だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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