関連記事
【相場展望】重要イベントを通過して買い戻し優勢の可能性、年末高への期待も
【株式市場フューチャー:12月12日~16日の株式市場見通し】
■ある程度の安心感につながり買い戻し優勢の展開
来週(12月12日~16日)の日本株式市場については、8日~9日のEU首脳会議という重要イベントを通過したため、ある程度の安心感につながり買い戻し優勢の展開となりそうだ。地合い改善や年末高への期待で戻り歩調を鮮明にする可能性もあるだろう。
世界的なソブリンリスクや景気減速に対する警戒感など、海外要因に神経質な状況に変化はなく、戻り待ちの売りも出やすい状況だろう。しかし8日~9日のEU首脳会議の結果に対して、即効性などの面で十分とは言えないが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして、欧米株式市場は好感する動きとなった。米国の主要経済統計にも堅調さが目立ち、米景気の2番底に対する警戒感は後退している。中国の消費者物価指数の落ち着きで金融緩和方向への政策転換が期待されることも支援材料だろう。
さらに国内主要企業の業績動向に関しても、12年3月期の下振れ懸念は織り込み済みであり、13年3月期の業績動向に焦点が移るだろう。ユーロ圏の景気減速や外国為替市場での円の高止まりは懸念要因となるが、東日本大震災やタイ洪水という一時的要因の一巡で業績改善が期待されることも支援材料となるだろう。
前週(12月5日~9日)の日本株式市場では日経平均株価(225種)、TOPIXともに2週ぶりに下落した。週半ばの7日には日経平均株価の終値が8722円17銭となり11月9日(8755円44銭)以来の8700円台を回復する場面があった。TOPIXも終値が749.63となり11月7日(750.45)以来の水準に回復する場面があった。しかし11月28日~12月2日の週に大幅上昇したため短期的な過熱感が意識されたこと加えて、8日のECB(欧州中央銀行)理事会、8日~9日のEU首脳会議という重要イベントで強弱材料が交錯し、週後半には利益確定売りが優勢になった。
ユーロ圏の債務危機問題に関しては、8日のECB理事会、8日~9日のEU首脳会議が重要イベントとなった。ECB理事会での0.25%の政策金利引き下げは織り込み済みだったが、ドラギECB総裁が記者会見で重債務国の国債購入拡大に否定的な姿勢を示した。EU首脳会議では、財政規律を強化するための新たな財政協定、IMF(国際通貨基金)に対する融資、ESM(欧州安定メカニズム)の前倒し稼働などを基本合意した。新たな財政協定については、EU加盟27カ国のうちユーロ圏17カ国と参加希望国(英国を除く9カ国の見通し)で政府間条約を目指す。IMFを活用した債務危機対応については、EU加盟国が相対融資によって最大2000億ユーロ(うち1500億ユーロはユーロ圏加盟国)をIMFに拠出する。EFSF(欧州金融安定基金)の後継としていたESMについては、資金枠上限を5000億ユーロとして銀行免許は付与せず、稼働を12年7月に前倒しする。当面は4400億ユーロ規模のEFSFも併存するとした。EU首脳会議の結果に対しては、即効性などの面で十分とは言えないが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして欧米株式市場は好感する動きとなった。
ユーロ圏主要各国の国債利回りはやや落ち着いた状況となっている。ただし格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、トリプルAのドイツやフランスを含むユーロ圏15カ国の国債格付け、およびFESF債の格付けを引き下げる可能性を発表しているため、引き続き利回りの動向に注意が必要だろう。また今後の焦点は、ドイツが反対しているユーロ共同債の導入に関する議論や、重債務国の国債購入拡大が期待されているECBの関与となる。
米国の主要経済統計を見ると、2日の米11月雇用統計で失業率が8.6%となり、前月の9.0%に比べて0.4ポイント低下して市場予想以上に改善した。非農業部門雇用者数は12.0万人増加となり、市場予想をやや下回ったが前月改定値の10.0万人に比べて改善した。5日には、米11月ISM非製造業景況指数が52.0となり、前月の52.9から低下して市場予想も下回った。米10月製造業新規受注は前月比0.4%減少となり、2カ月連続で減少したが市場予想とほぼ同水準だった。8日には、米新規失業保険申請件数が38.1万件となり、前週比2.3万件減少して市場予想以上に改善した。9日には、米10月貿易収支で貿易赤字が434億ドルとなり、前月比1.6%減少して市場予想以上に改善した。また米12月ミシガン大学消費者信頼感指数は67.7となり、11月の64.1から上昇して市場予想も上回った。概ね堅調な結果となり、米景気の2番底に対する警戒感は後退している。
前週末9日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は前日比186ドル56セント(1.55%)高と大幅反発した。S&P500株価指数は前日比1.69%高と大幅反発、ナスダック総合株価指数は前日比1.94%高と5営業日ぶりに大幅反発した。欧州株式市場も上昇した。EU首脳会議の結果については、即効性などの面で十分な結果とは言えないが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして好感する動きとなった。中国が総額3000億ドル規模の投資機関を設立して欧米に投資するとの報道も材料視された。米10月貿易収支は貿易赤字が434億ドルとなり、前月比1.6%減少して市場予想以上に改善した。米12月ミシガン大学消費者信頼感指数は67.7となり、11月の64.1から上昇して市場予想も上回った。堅調な経済指標も支援材料だった。
このため週初12日の日本株式市場も堅調なスタートとなりそうだ。8日~9日のEU首脳会議という重要イベントを通過したため、ある程度の安心感につながり、その後も買い戻し優勢の展開となりそうだ。地合い改善や年末高への期待で戻り歩調を鮮明にする可能性もあるだろう。
外国為替市場では関心がユーロ圏債務危機問題に集中し、ドル・円相場は概ね1ドル=77円台後半で小動きの展開となっている。当面は13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)が焦点となるが、米国の堅調な主要経済統計を受けて米景気の2番底に対する警戒感が後退し、追加緩和観測も後退しているため引き続き動意薄の展開が想定される。一方のユーロ・円相場は、前週末の海外市場でEU首脳会議の結果を受けても積極的なユーロ買いにつながらなかった。このため対ユーロで円の高止まりが続けば、株式市場で弱材料視される可能性があるだろう。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(9日時点の8536円46銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8523円26銭)に対しては0.15%のプラス乖離を維持し、下値支持線として意識される形になった。当面は75日移動平均線(同8659円58銭)を突破するか、上値抵抗線として意識するかが焦点だろう。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では12日の11月企業物価指数、11月消費動向調査、11月工作機械受注、13日の10月第3次産業活動指数、14日の10月鉱工業生産確報値、15日の日銀短観、11月首都圏マンション発売戸数などがあるだろう。その後の重要イベントとしては、20日~21日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。
海外では10日の中国11月貿易統計、12日の豪10月貿易収支、仏10月経常収支、米11月財政収支、米3年債入札、13日の独12月景気期待指数、英11月消費者物価指数、米10月企業在庫、米11月小売売上高、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米FOMC(連邦公開市場委員会)、米10年債入札、14日の英10月失業率、ユーロ圏10月鉱工業生産、ノルウェー中銀金利発表、米11月輸出入物価、米住宅ローン・借り換え申請指数、米30年債入札、OPEC総会、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、15日のスイス中銀金融政策発表、ユーロ圏11月消費者物価指数改定値、ユーロ圏12月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、ユーロ圏第3四半期就業者数、ECB月報、米11月卸売物価指数、米11月鉱工業生産、米11月半導体BBレシオ、米12月ニューヨーク州製造業景況指数、米12月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米第3四半期経常収支、米新規失業保険申請件数、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、WTO閣僚会議(17日)、16日のインド中銀金融政策会議、ユーロ圏10月貿易収支、米11月消費者物価指数、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、WTO閣僚会議(17日)、17日のWTO会議(最終日)などがあるだろう。その後の重要イベントとしては、21日~22日のECB理事会(金利発表なし)などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【チャート・ワンコメント】大和小田急建200円台固め、大幅増益背景に中期有望(2011/12/11)
・大紀アルミニウムは短期急騰相場の割には値もち良く余韻を残す展開(2011/12/11)
・LED照明関連銘柄特集(3)=主要各社は拡販戦略でLED照明事業拡大へ(2011/05/03)
・「水」関連銘柄特集(6)=注目の水処理関連銘柄、建設・維持管理やサービスなど(2011/05/10)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
