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【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】失望感が広がりリスク回避の動きが強まる
【外国為替市場フラッシュ:12月5日~9日のユーロ・円相場】
■ユーロ売り圧力が強まり、週後半には1ユーロ=103円台に円が上昇
12月5日~9日の週のユーロ・円相場は、ユーロ売り圧力が強まり、週後半に1ユーロ=103円台に円が上昇した。8日のECB(欧州中央銀行)理事会で0.25%の政策金利引き下げは織り込み済みだったが、ユーロ圏経済が来年マイナス成長に陥るとの予測に加えて、ドラギECB総裁が記者会見で重債務国の国債購入拡大に否定的な姿勢を示したため、失望感が広がりリスク回避の動きが強まった。
ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末2日の海外市場では、1ユーロ=105円40銭~50銭近辺に円が下落する場面があった。イタリアの国債利回り低下、欧州株式市場の上昇も支援材料となり、ユーロ買い戻しが優勢だった。過剰債務に対して特別国家基金を創設するというショイブレ独財務相の提案を、メルケル独首相が支持したと伝えられたこともユーロ買い戻しにつながった。その後は、8日~9日のEU首脳会議を控えてユーロ売りが優勢となり、終盤は1ユーロ=104円50銭~60銭近辺だった。
この流れを受けて週初5日の東京市場では、概ね1ユーロ=104円40銭台~80銭台で推移した。独仏首脳会談を控えて様子見ムードを強めた。4日にモンティ伊首相が300億ユーロ規模の緊縮財政策を発表したが反応は限定的だった。終盤は1ユーロ=104円80銭台だった。5日の海外市場では、概ね1ユーロ=104円00銭台~90銭台で推移した。イタリアが300億ユーロ規模の緊縮財政策を閣議決定したことや、独仏首脳会談後の記者会見で財政規律違反国に対する自動制裁や財政統合へ向けた新条約制定を目指す方針を発表したことを好感し、ユーロ買いが優勢になる場面もあった。しかし格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、トリプルAのドイツやフランスを含むユーロ圏15カ国の国債格付けを引き下げる可能性を発表したことを受けて、リスク回避の動きが強まりユーロ売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=104円10銭~20銭近辺だった。
6日の東京市場では、概ね1ユーロ=103円80銭台~104円20銭台で推移した。S&Pがユーロ圏15カ国の国債格付け引き下げの可能性を発表したことを受けて、ややユーロ売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=103円80銭近辺だった。6日の海外市場では、概ね1ユーロ=103円60銭台~104円20銭台で推移した。S&Pが前日のユーロ圏15カ国の国債格付け引き下げの可能性に続き、EFSF(欧州金融安定基金)債の格付け引き下げの可能性を発表したことを受けてユーロが売られる場面もあった。しかし、EFSFおよびESM(欧州安定メカニズム)を約2倍の9000億ユーロ規模に拡大することを検討しているとの報道や、独10月製造業受注が市場予想を上回ったことを受けて、終盤はユーロ買いが優勢になり1ユーロ=104円20銭近辺だった。
7日の東京市場では、概ね1ユーロ=104円10銭近辺~50銭近辺で推移した。8日~9日のEU首脳会議への期待感などでユーロ買いがやや優勢だった。7日の海外市場では、1ユーロ=103円70銭台に円が上昇する場面があった。独政府高官が、EU首脳会議でユーロ圏債務危機解決に向けた合意が成立する可能性について、独政府が一段と悲観的になっているとの認識を示したという報道を受けて、欧州株式市場が下落に転じ、ユーロ売りが優勢になった。終盤は再びユーロ買いが優勢となり、1ユーロ=104円10銭~20銭近辺だった。S&PがEUや欧州主要銀行の長期債格付けを引き下げる方向で見直すと発表したが、市場の反応は限定的だった。
8日の東京市場では、概ね1ユーロ=103円90銭台~104円20銭台で推移した。ECB理事会を控えて様子見ムードを強めた。8日の海外市場では、1ユーロ=103円00銭台に円が上昇する場面があった。ECB理事会で0.25%の政策金利引き下げは織り込み済みだったが、ユーロ圏経済が来年マイナス成長に陥るとの予測に加えて、ドラギECB総裁が記者会見で重債務国の国債購入拡大に否定的な姿勢を示したため、失望感が広がりリスク回避の動きが強まった。終盤はユーロが買い戻されて1ユーロ=103円60銭~70銭近辺だった。
9日の東京市場では、概ね1ユーロ=103円10銭台~80銭台で推移した。EU首脳会議に関する報道で強弱材料が交錯する中で、終盤にかけてはユーロ売りが優勢になった。9日の海外市場では、1ユーロ=104円10銭台に円が下落する場面があった。中国が総額3000億ドル規模の投資機関を設立して欧米に投資するとの報道も好感してユーロが買われた。その後は、EU首脳会議の結果を受けても積極的なユーロ買いにつながらず伸び悩んだ。終盤は1ユーロ=103円90銭近辺だった。
ユーロ圏の債務危機問題に関しては、EU首脳会議で、財政規律を強化するための新たな財政協定、IMF(国際通貨基金)に対する融資、ESM(欧州安定メカニズム)の前倒し稼働などを合意した。新たな財政協定については、EU加盟27カ国のうちユーロ圏17カ国と参加希望国(英国を除く9カ国の見通し)で政府間条約を目指す。IMFを活用した債務危機対応については、EU加盟国が相対融資によって最大2000億ユーロ(うち1500億ユーロはユーロ圏加盟国)をIMFに拠出する。EFSF(欧州金融安定基金)の後継としていたESMについては、資金枠上限を5000億ユーロとして銀行免許は付与せず、稼働を12年7月に前倒しする。当面は4400億ユーロ規模のEFSFも併存するとした。
この結果に対しては、即効性などの面で十分とは言えないため外国為替市場の反応は限定的だったが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして欧米株式市場は好感する動きとなっている。当面は、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感の後退でリスク回避の動きが弱まるかが注目点だろう。
また主要各国の国債利回りはやや落ち着いた状況となっているが、格付け会社S&Pがユーロ圏15カ国の国債格付けおよびFESF債の格付けを引き下げる可能性を発表しているため、引き続き国債利回りの動向に注意が必要だろう。さらに今後の焦点は、ドイツが反対しているユーロ共同債の導入に関する議論や、重債務国の国債購入拡大が期待されているECBの関与となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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