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星光PMC:今12年3月期第2四半期決算説明会を開催
■震災の影響で石巻製造所を9月30日付で廃止し、他工場に生産委託
製紙用薬品の星光PMC <4963> は22日、本社で今12年3月期第2四半期決算説明会を開催した。
同社代表取締役社長乗越厚生氏は、事業概要、事情環境、第2四半期決算概要、通期業績見通し、経営戦略、中国での事業展開の順に詳しく説明を行った。
「震災の当社への影響につきましては、石巻に製造所と営業所の2つの拠点を有していましたが、製造所は9月30日付で廃止し、他工場に生産を委託しました。営業所は仙台市に新たに設け業務を行っています。得意先の中には被害の大きかった3ユーザーに関しては、日本製紙石巻工場は、9月から一部マシーンの生産を回復し、更に11月からは1台の抄紙機を稼働し、今年度下期中の主力マシーンの再稼働に向けて進めています。三菱製紙八戸工場は、この11月から全面的に再稼働しています。また、レンゴーの子会社であり板紙を製造している丸三製紙も既に全面的な再稼働となっています」と震災の被害と現況を語った。
■紙のリサイクルには、紙力増強剤の使用が不可欠
「当社は、各種用途に応じた紙を作るために不可欠なサイズ剤、紙力増強剤、印刷適性向上剤、柔軟剤等の各種製紙用薬品を製紙会社に提供しています。サイズ剤は、印刷したり、書いたりする紙に使用されており、紙にインキがにじむことなく綺麗な印刷や、筆記を可能にする薬品でございます。紙力増強剤は、段ボールの紙を生産する際に、回収した古紙を大量に使用するために、強度を補強する目的で使用されます。印刷用紙、コピー用紙にも紙力増強剤が使用されています。紙のリサイクルを進め、紙を作るための古紙の使用比率を上げるためには、紙力増強剤の使用が不可欠であります。他にもティッシュペーパーには柔軟剤が使用されています。
樹脂事業では、新聞印刷に使用される新聞インキ、チラシ、カタログなどの商業印刷に使用されるオフセットインキ、また、段ボール、紙製ショッピングバッグの印刷に使用されるフレキソインキ、及び、食品包装用各種フィルムの印刷に使用されるグラビアインキ等、各種印刷インキ用の樹脂と複写機、レーザープリンター向けトナー用樹脂と及びその周辺材料を製造・販売しております」と同社の製造品の紹介を行った。
今期の紙、インキの生産量に関しては、「国内の紙、板紙の生産数量は、震災の影響もあって2011年度上期は、1,304万トンと前年同期で5.1%減少しました。紙、板紙の生産量が減少した中で、板紙は前年同期を若干上回る数量を確保しました。各種インキの生産数量は、紙、板紙と同様18万6000トンと前年同期比で4.1%減少しました」と震災の影響で前年同期を下回っていることを説明した。
■製紙用薬品ではアルカリ抄紙プロジェクトが堅調
今第2四半期連結業績は、売上高116億23百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益6億円(同29.4%減)、経常利益6億12百万円(同29.2%減)、純利益3億62百万円(同28.3%減)と増収ながら減益となった。
売上高については、製紙用薬品は紙・板紙の生産量の減少に伴い減収になったが、樹脂事業はオフセットインキ用樹脂、記録材料用樹脂が堅調に推移し増収になったことから、製紙用薬品の落ち込みをカバーし全体では増収となった。
営業利益の減益の主な内訳は、売上数量の減少により、前年同期比で1億25百万円の減益、主にガムロジンの価格上昇による影響で1億9百万円の減益、海外事業での原料価格上昇と価格競争の影響で59百万円の減益となっている。
セグメント別の売上高、営業利益は、製紙用薬品事業の売上高81億11百万円(同3.1%減)、国内74億31百万円(同3.3%減)、海外7億10百万円(同2.0%増)、営業利益3億87百万円(同48.0%減)、国内4億80百万円(同37.5%減)、海外△81百万円(前年同期△22百万円)となっている。国内の売上高に関しては、アルカリ抄紙プロジェクトが堅調であったことから、3.3%の減収に留まった。
■樹脂事業は震災の代替供給需要が発生し増収増益
樹脂事業の売上高は35億12百万円(同14.2%増)、営業利益2億14百万円(同2.0倍)と増収大幅増益となっているが、これはオフセットインキに震災の代替供給需要が発生したことや、記録材用樹脂も新機種向け販売計画が計画より早期に立ちあがったこともあり増収となった。利益面でも原料価格の上昇に対し、商品価格の対応が的確であったことから大幅増益となった。
主な経費項目の増減は、人件費23億16百万円(前年同期比14百万円増)、減価償却費合計5億20百万円(同63百万円減)、設備投資額2億47百万円(同24百万円減)、研究開発費7億70百万円(同11百万円増)。
■下半期の売上高、営業利益は共に増収増益を見込む
今通期連結業績予想は、売上高250億90百万円(前期比9.8%増)、営業利益14億60百万円(同11.0%減)、経常利益15億20百万円(同9.4%減)、純利益10億円(同7.4%減)を見込んでいる。
下半期の売上高、営業利益に関しては、134億67百万円(前年同期比18.0%増)、8億59百万円(同8.7%増)と増収増益を見込んでいる。
■技術力でアジアナンバーワンの製紙用薬品会社を目指す
経営戦略に関しては、「製紙用薬品事業に関しては、技術力でアジアナンバーワンの製紙用薬品会社を目指します。敢えてアジアナンバーワンといっているのは、中国市場で欧米を代表する製紙用薬品会社、及び、中国国内製紙用薬品会社と競合している現状では、中国市場で勝ち抜ける技術力を持つことが当社が日本においても製紙用薬品業界で存在していくために不可欠な条件であると考えているからであります。この基本戦略を実現するために、4つのテーマを掲げています。一つ目の戦略は、当社の主力製品であります紙力増強剤・サイズ剤で、高性能化を図り、他社と差別化することにより、事業基盤を確固たるものにすることであります。また、今後の製紙業界のニーズを的確にとらえた製品を業界に先駆けて開発してまいります。特に製紙業界の生産性向上を薬品原単位削減等、製紙会社のコスト競争力を高めるためのニーズは今後ますます重要になると思われ、中国ガムロジン、石油価格、原料価格が高騰している現状では、如何にコストを下げる提案が出来るかがポイントだと考えています。
■大手製紙会社でアルカリ抄紙システムが採用され、生産性の大幅な向上を実現
また、紙に新たな機能を有することによって、紙の市場を拡大する製紙会社の戦略の一助として、新たな機能を持った薬品の開発を進めています。なお、紙力増強剤につきましては、今年度新たな成分や分子構造を導入した新製品を上市し、現在得意先のテスト生産で、従来比で大幅に上回る性能を発揮しています。二つ目に、これまでのように、サイズ剤、紙力増強剤等の製紙用薬品の単品として紹介するのではなく、全ての薬品をそれぞれの製紙工場、製紙マシーン毎に最適な組み合わせとして、総合的に紹介する薬品システムに注力します。先ほどご紹介した薬品単品での高性能化、高機能化と並行して、薬品の最適な組み合わせをユーザーに紹介するという、いわゆるノウハウでの差別化、製紙用薬品によるソリューションビジネスサービスを目指しております。薬品システムの一例として、数年前より、板紙のアルカリ抄紙を進めてまいりました。アルカリ側で板紙を生産することにより、原料の段ボール古紙に付着する粘着物質による紙の表面の異物、製紙マシーンの汚れを低減し、また、原料パルプの本来が持つ性能を最大限に引き出すことによって、紙の強度も上がります。現在大手製紙会社でアルカリ抄紙システムが採用され、生産性の大幅な向上を実現しており、これらの板紙会社の他の工場への水平展開が試まれております。更に、他の大手板紙会社においても採用テストが開始されています。2009年度から2011年度上期にかけて、板紙アルカリ抄紙の販売増が実績化しており、今後更に業績への大きな貢献を計画しております。私はこの抄紙システムの展開を通して、板紙業界が抱える様々な課題をブレークスルー出来ることを確信しております。なお、当社では昨年10月に今までお話しした戦略を推し進めるために製紙用薬品本部の組織変更を行い、本部の中にCS部を設立しました。このCS部は、研究開発と実践との間にあって、最高水準の薬品を持ち最先端のトータル薬品システムの設計・提案をより専門的に行う部所と位置付けています。
三つ目が中国市場での製紙用薬品の展開であります。今年2月に増設が完了した張家港工場を拠点として、中国製紙業界の品質要求に応えられる製紙用薬品を市場に投入し、事業基盤を確立しております。
■排水処理用微生物製剤MCシリーズを販売
最後に当社は、世界的な酵素メーカーであるノボザイムズバイオロジカル社と日本の製紙分野における独占販売契約を締結し、排水処理用微生物製剤MCシリーズを販売しております。微生物製剤MCシリーズには、活性汚泥処理能力を向上させる特殊な微生物が配合されており、環境負荷の低減を実現しております。当社はユーザーの方々の排水処理の安定化をサポートし、環境負荷低減という社会的ニーズに貢献しております。日本国内において約10年間の微生物製剤の販売によって培った、排水処理の管理ノウハウ、微生物製剤のノウハウにより、日本のみならず、排水処理の需要が急拡大している中国市場において、製紙業界を中心として、微生物製剤の展開を進めてまいります」と主力の製紙用薬品事業の今後の現況と今後の展開について詳しく説明を行った。
インキ用・記録材料用樹脂事業に関しては、環境対応・高機能化によって高収益体質に事業構造を変えるために、4つの項目を掲げている。まず、記録材料用高付加価値製品の開発、環境対応水性インキ用樹脂の応用展開、ユーザーニーズに対応するオフセットインキ用樹脂の開発と生産の合理化、電子材料用途への展開を挙げている。
■セルロースナノファイバーは、鉄の5分の1の重さで、鉄と同程度の強度を持って
新規事業に関しては、開発テーマを選定し、その後事業化を計画している。分野は、コア技術を深化・拡張しエレクトロニクス、自動車分野に展開する計画。例えば、導電性樹脂、感光性樹脂の開発を目指している。更に、セルロースナノファイバー強化樹脂複合材料により、自動車部材の面で画期的な新素材の提供を目指している。現在、セルロースナノファイバーは、鉄の5分の1の重さで、鉄と同程度の強度を持っていることから、今後、自動車の部材としての量産化に向けて開発が進んでいる。
今期は震災の影響、ガムロジンの高騰により、利益面で低迷しているが、既に技術開発の進捗により、製紙業界では、機能性薬品システムを提案し、受注拡大が見込めていることから、同社のシェア拡大は今後明確になるものと予想される。
同社の特徴は、研究開発費に売上高の6.6%を投資しているように、研究開発型の企業といえる。しかもその成果が表れてきている。また、研究開発要員については、ノーベル賞の候補に挙げられるほどの大学教授の下で研究開発している人材を採用していることから、世界的に見ても同社の製品は最先端の製品といえる。今後の製紙用薬品は、同社が先行するものと予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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