【外国為替市場を検証:ドル・円相場】ユーロ売り・ドル買いの流れが波及

2011年11月26日 17:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:11月21日~25日のドル・円相場】

■週末25日の海外市場では1ドル=77円70銭台に円が下落

  11月21日~25日の週のドル・円相場は、手掛かり材料難となって概ね1ドル=77円00銭を挟むレンジの動きだった。しかし週後半になると、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感でユーロ売り・ドル買いの動きが強まり、この流れが波及してドル買い・円売りがやや優勢となった。週末25日の海外市場では1ドル=77円70銭台に円が下落した。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末18日の海外市場では、1ドル=76円50銭台に円が上昇する場面があった。ECB(欧州中央銀行)によるイタリアとスペインの国債購入でユーロ買い・ドル売りとなった流れが波及した。終盤はドルが買い戻されて1ドル=76円90銭近辺だった。米10月景気先行指数(コンファレンスボード)が前月比0.9%上昇して市場予想を上回ったこともドル買いにつながった。

  この流れを受けて週初21日の東京市場では、概ね1ドル=76円70銭台~90銭台で推移した。終盤はドル売り・円買いがやや優勢だった。23日に期限を迎える米国議会の超党派特別委員会による財政赤字削減案の協議が合意達成に失敗したと報じられたが、市場の反応は限定的だった。21日の海外市場では、概ね1ドル=76円80銭~77円00銭近辺で推移した。米10月シカゴ連銀全米活動指数がマイナス0.13と前月比で小幅に改善し、米10月中古住宅販売件数が前月比1.4%増と市場予想以上に改善したことを受けて、ドル買い・円売りがやや優勢になった。

  22日の東京市場では、1ドル=76円80銭台~77円30銭台で推移した。米国議会の超党派特別委員会による財政赤字削減案の協議が合意達成に失敗したが、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米国債格付けに変更なしと発表した。安住財務相の発言を巡って円が売られる場面もあったが、反応は一時的にとどまり終盤は1ドル=76円90銭台だった。22日の海外市場では、概ね1ドル=76円80銭~77円10銭近辺で推移した。米7~9月期実質GDP1次改定値が前期比2.0%増(季節調整済み年率換算)となり、速報値の2.5%増から下方修正されて市場予想の2.5%増を下回ったが、前期の1.3%増を上回った。これを受けてドル買い・円売りが優勢になる場面もあった。終盤は1ドル=77円00銭近辺だった。

  23日(東京市場は休場)の海外市場では、1ドル=77円50銭台に円が下落する場面があった。ドイツ10年債の入札で大幅な札割れとなったため、ユーロ売り・ドル買いの流れが波及してドル買い・円売りが優勢になった。米10月個人消費支出、米10月耐久財受注、米新規失業保険申請件数は、いずれも市場予想よりやや弱い内容だったが、反応は限定的だった。終盤は1ドル=77円30銭台だった。

  24日の東京市場では、1ドル=77円00銭~30銭近辺で推移した。ニューヨーク市場の休場を控えて様子見ムードを強め、ドル買いの動きが一服した。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の関係者が日本国債格付けの引き下げが近いと発言したと報道されたが、市場の反応は限定的だった。24日の海外市場では、概ね1ドル=77円00銭台~20銭台の小幅レンジで推移した。ニューヨーク市場が休場のため小動きだった。

  25日の東京市場では、一時1ドル=77円50銭台に円が下落した。ユーロ売り・ドル買いの流れの波及、国内輸入企業のドル買い需要に加えて、日本国債の格付け引き下げ懸念で利回りが上昇したことがドル買い・円売りにつながった。終盤は1ドル=77円30銭台だった。25日の海外市場では、1ドル=77円70銭台に円が下落した。ユーロ売り・ドル買いの流れの波及や日本国債の格付け引き下げ懸念など、東京市場の動きを引き継ぐ形でドル買い・円売りが優勢だった。

  ドル・円相場に関しては、概ね1ドル=76円台後半で推移していたが、週後半には1ドル=77円台半ば~後半へと、ドル高・円安方向に振れる展開となった。ユーロ圏債務危機問題への警戒感でユーロ売り・ドル買いとなった流れが波及したことに加えて、日本の国債格付け引き下げ懸念などで10年債利回りが上昇したこともドル買い・円売りにつながった。

  ユーロ圏の債務危機問題の長期化懸念などを背景とするリスク回避の円買い圧力、FRBの量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、ドル買い・円売り市場介入への警戒感などが交錯する状況に大きな変化はないだろう。世界的な景気減速懸念を受けて主要各国の追加緩和の動きも鮮明になっているため、円買い圧力が長期化する可能性もあるだろう。

  ただし足元では、日本国債の格付け引き下げや日本の財政再建問題に対する懸念で、日本の10年債利回りが上昇しているため、ややドル高・円安方向に振れる可能性も考えられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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