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【株式市況を検証】ギリシャ国民投票問題でユーロ不安再燃、主要企業の業績見通し下方修正にも警戒感
【株式市場フラッシュ:10月31日~11月4日の週の日本株式市場】
■ギリシャの国民投票実施問題で政治的混迷を深める
10月31日~11月4日の週の日本株式市場(3日は休場)では、日経平均株価(225種)、TOPIXともに週間ベースで2週ぶりに下落した。ギリシャの国民投票実施問題で政治的混迷を深めたため、ユーロ不安が再燃した。外国為替市場での円の高止まりやタイの大洪水の影響で、主要企業の通期業績見通しの下方修正が相次いだことも警戒感につながった。
ユーロ圏の債務危機問題に関しては、10月26日のEU首脳会議およびユーロ圏首脳会議において危機拡大阻止に向けた包括戦略を合意したため、一旦は過度な警戒感が後退していた。合意内容は「域内銀行の資本増強については狭義の中核的自己資本(コアTier1)比率を12年6月末までに9%に引き上げる」「EFSF(欧州金融安定基金)の規模については実質的な支援能力をレバレッジにより現在の約4倍の1兆ユーロに拡大する」「ギリシャ債務減免の民間負担については民間銀行が自発的に50%削減する」の3点である。
しかし10月末以降、イタリア国債の利回りが上昇し、EFSFの規模拡大が難航するとの見方も広がった。そしてギリシャのパパンドレウ首相が突然、ユーロ圏残留か離脱かを問う国民投票を実施すると発表したため、ユーロ不安が再燃して週前半の世界の株式市場の急落につながった。11月4日には、ギリシャ議会で野党が包括的支援策を受け入れる見通しとなり、国民投票が撤回されて内閣信任投票も可決されたが、政治的混迷を深める展開となった。
3日~4日のG20首脳会議では欧州支援を継続する姿勢を打ち出したが、メルケル独首相が「EFSFに対する各国からの協力確約の表明が得られなかった」と発言し、IMF(国際通貨基金)の資金増強策に関しても具体策の合意に至らなかったことが失望感につながった。さらに、イタリアの国債利回りが上昇していることに加えて、ベルルスコーニ伊首相に対する辞任要求が表面化するなど政治的不透明感も増していることを受けて、IMFがイタリアの財政再建状況を直接監視することになった。
米国の主要経済統計には依然として強弱感が交錯している。10月28日には、米9月個人消費支出が前月比0.6%増加し、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が速報段階から上方修正された。31日には、米10月シカゴ地区購買部協会景気指数が市場予想を下回った。11月1日には、米10月ISM製造業景気指数が50.8となり、前月の51.6から悪化して市場予想も下回った。2日には、米10月ADP雇用リポートが前月比10万人増加して市場予想を上回った。3日には、米新規失業保険申請件数が39.7万件となり5週ぶりに40万件を下回った。米10月ISM非製造業景況指数は52.9となり市場予想を下回った。4日には、米10月雇用統計で失業率が9.0%となり前月比0.1ポイント改善したが、依然として高水準だった。非農業部門雇用者数の増加は8.0万人にとどまり市場予想を下回ったが、8~9月分が大幅に上方修正された。
主要各国の金融政策に関しては、世界的な景気減速懸念を受けて追加緩和の動きが鮮明になっている。11月2日の米FOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和策第3弾(QE3)は見送られたが、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長は記者会見で、追加緩和の選択肢としてMBS(住宅ローン担保証券)の購入に言及した。また3日には、ECB(欧州中央銀行)が予想外の政策金利引き下げを発表し、ドラギECB新総裁は記者会見でユーロ圏の景気下振れリスクを強調した。
外国為替市場での円高進行も引き続き懸念要因である。ドル・円相場については、10月21日の海外市場で1ドル=75円78銭、25日の海外市場で1ドル=75円73銭、26日の海外市場で1ドル=75円71銭、27日の海外市場で1ドル=75円67銭、31日の早朝時間帯に1ドル=75円32銭まで上昇し、円の戦後最高値更新が続いた。そして31日午前、日本政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施したため、一旦は円が下落して週後半は概ね1ドル=78円台前半で推移した。しかしドル買い・円売り市場介入の効果持続には懐疑的な見方が多い。
企業業績に関しては主要企業の7~9月期決算発表がほぼ出揃った。小売、サービスなどの内需関連が堅調で、鉱業、石油、総合商社などの資源関連も好調だった。しかし一方で、鉄鋼、自動車、電機、自動車・電子部品、海運などの輸出関連・景気敏感関連では、通期業績見通しの下方修正が相次いだ。世界的な景気減速、外国為替市場での円の高止まりとともに、タイの大洪水による生産停止の影響も深刻化しており、下期の一段の下振れリスクに対する警戒感が強まった。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(週末4日時点の8801円40銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8734円00銭)に対して0.77%のプラス乖離を維持したが、75日移動平均線(同8980円02銭)に対してはマイナス1.98%となり、上値抵抗線として意識される形になった。また200日移動平均線(同9566円47銭)に対してはマイナス7.99%となり、前週末に比べてマイナス乖離幅を広げた。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は4日時点で89.9%となっている。
日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、週初10月31日は前週末(28日)比62円08銭(0.69%)安で3営業日ぶり反落、11月1日は前日比152円87銭(1.70%)安で大幅続落、2日は前日比195円10銭(2.21%)安で大幅に3営業日続落、4日は前日比160円98銭(1.86%)高で4営業日ぶり反発した。日中値幅は10月31日が164円00銭、11月1日が114円31銭、2日が79円50銭、4日が85円63銭だった。
日経平均株価の週末11月4日の終値は8801円40銭で、前週末10月28日の終値9050円47銭に比べて249円07銭(2.76%)下落した。週間ベースでは2週ぶりの下落となった。取引時間中ベースの週間高値は10月31日の9152円39銭、週間安値は11月2日の8640円42銭で、1週間の取引時間中の値幅は511円97銭だった。なお月間ベースで見ると、10月末(31日)の終値は8988円39銭で、9月末(30日)の8700円29銭に比べて288円10銭(3.32%)上昇し、3カ月ぶりの上昇となった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末11月4日の終値は752.02となり、前週末10月28日の終値771.43に比べて19.41ポイント(2.52%)下落した。週間ベースでは2週ぶりの下落となった。取引時間中ベースの週間高値は10月31日の779.08、週間安値は11月2日の737.21だった。11月4日時点の終値ベースでのNT倍率は11.70倍となり、前週末10月28日時点の11.73倍に対して0.03ポイント低下した。なお月間ベースで見ると、10月末の終値は764.06で、9月末の761.17に比べて2.89ポイント(0.38%)上昇し、4カ月ぶりの上昇となった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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