【株式市場・この1週間】日経平均株価は13日の終値で約1カ月ぶりに8800円台を回復

2011年10月15日 21:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■株式市況を振り返って(10月11日~14日の株式市場の動き)

  3連休明け10月11日は、日経平均株価が前週末(7日)比168円06銭(1.96%)高で大幅に3営業日続伸、TOPIXが前週末比13.45ポイント(1.82%)高で大幅に3営業日続伸した。前日10日の米国市場ではダウ工業株30種平均株価が前日比330ドル06セント(2.97%)高と大幅反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数も大幅反発した。9日の独仏首脳会談で、EU域内金融機関に対する資本増強計画を11月3日のG20首脳会議までにまとめることで合意し、ギリシャ債務問題などを含めてユーロ安定に向けた包括的な対策を提案する考えも表明した。このため金融システム安定化に対する期待感が高まった。この流れを受けて日経平均株価は前週末比127円92銭高と大幅に買い先行でスタートした。ユーロ・円相場で1ユーロ=104円台に円が下落したことも好感し、日経平均株価は前週末比200円82銭上昇して8800円台を回復する場面もあった。しかし戻り待ちの売り圧力も強く、午後に入ると狭いレンジでモミ合う展開となった。スロバキア議会でのEFSF(欧州金融安定基金)機能拡充案採決を控えて様子見ムードも強めた。東証1部市場の値上がり銘柄数は1272(全体の76%)で、売買代金は1兆1028億円だった。セクター別に見ると鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、自動車、商社など景気敏感関連、輸出関連が総じて買い戻された。

  12日は、日経平均株価が前日比34円78銭(0.40%)安で4営業日ぶりに反落、TOPIXが前日比1.56ポイント(0.21%)安で4営業日ぶりに反落した。11日の米国株式市場ではS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が続伸したが、ダウ工業株30種平均株価は前日比16ドル88セント(0.15%)安と小幅に反落した。前日の大幅上昇の反動に加えて、米アルコアの7~9月期決算発表を控えていたこと、スロバキア議会でのEFSF(欧州金融安定基金)機能拡充案採決が否決の見通しだったこと、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスがスペイン主要銀行の格付けを相次いで引き下げたことも、買い手控えにつながった。この流れを受けて日経平均株価は前日比54円01銭安と売り先行でスタートした。前日まで3営業日続伸した反動で戻り待ちの売り圧力が優勢となり、タイの洪水被害で現地に進出している日本企業への悪影響も弱材料視された。ただし、8月機械受注が前月比11.0%増加して市場予想を上回ったことが好感され、売り込まれていた景気敏感関連を買い戻す動きも継続した。アジアの主要株式市場の上昇も下支え要因となり、売り一巡後は次第に下落幅を縮小する展開となった。東証1部市場の値下がり銘柄数は801(全体の48%)で、売買代金は9750億円と低水準だった。セクター別には、機械や海運の上昇が目立ったが、一方で小売、銀行、証券などが下落した。またタイの洪水被害で現地生産に影響の出ている企業の下落も目立った。

  13日は、日経平均株価が前日比84円35銭(0.97%)高で反発、TOPIXが前日比5.39ポイント(0.72%)高で反発した。12日の米国株式市場ではS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が3営業日続伸し、ダウ工業株30種平均株価も前日比102ドル55セント(0.90%)高と反発した。スロバキア議会での与野党合意次第でEFSF(欧州金融安定基金)機能拡充案が14日までに承認される見通しとなったことや、バローゾ欧州委員長がEU域内銀行の自己資本比率の大幅引き上げを求める方針を示したことで、債務危機拡大阻止に向けた取り組みが進展するとの期待感が高まった。ダウ工業株30種平均株価は前日比209ドル00セント上昇する場面もあった。この流れを受けて日経平均株価は前日比93円91銭高と買い先行でスタートした。前日の海外市場でドル・円相場が1ドル=77円台、ユーロ・円相場が1ユーロ=106円台に円が下落し、円高が一服したことも安心感につながった。しかし寄り付きの買い一巡後は動意に乏しく、狭いレンジで膠着感を強めた。タイの洪水被害で生産停止した日本企業の業績に与える影響も懸念材料となった。結局、日経平均株価の日中値幅は僅か45円43銭にとどまったが、終値は8823円25銭となり、9月16日(8864円16円)以来、約1カ月ぶりに8800円台を回復した。東証1部市場の値上がり銘柄数は855(全体の51%)にとどまり、売買代金は1兆53億円と低水準だった。セクター別には、機械、不動産の上昇が目立った。

  14日は、日経平均株価が前日比75円29銭(0.85%)安で反落、TOPIXが前日比10.02ポイント(1.32%)安で反落した。13日の米国株式市場はまちまちの動きとなり、S&P500株価指数は4営業日ぶりに反落し、ナスダック総合株価指数は4営業日続伸した。ダウ工業株30種平均株価は前日比40ドル72セント(0.35%)安と反落した。JPモルガン・チェースの7~9月期決算で1株当たり利益は市場予想を上回ったが減収減益だったことや、中国の9月貿易統計で輸出入の伸び率が大幅鈍化したことが嫌気されて売り優勢だった。ただし、スロバキア議会がEFSF(欧州金融安定基金)機能拡充案を可決したことを受けて下落幅を縮小した。この流れを受けて日経平均株価は前日比40円34銭安と売り先行でスタートした。週末要因に加えて、為替が前日よりもやや円高水準だったことや、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペイン国債格付けを引き下げたことも弱材料視された。中国9月消費者物価指数は前年同月比6.1%上昇で市場予想と同水準だったが、引き続き高水準のため景気への悪影響が警戒され、アジアの主要株式市場の下落も弱材料視された。動意に乏しく日中値幅は54円18銭にとどまり、この日の安値圏で取引を終了した。日経平均オプション10月物SQ(特別清算指数)は8799円42銭だった。東証1部市場の値下がり銘柄数は1384(全体の83%)に達し、売買代金は1兆1148億円と低水準だった。セクター別には、景気敏感関連が総じて軟調な展開となった。

  14日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比166ドル36セント(1.45%)高と反発した。終値は1万1644ドル49セントで、8月3日(1万1896ドル44セント)以来、約2カ月半ぶりの高値水準に回復した。S&P500株価指数も反発し、ナスダック総合株価指数は5営業日続伸した。米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は57.5となり、前月の59.4から悪化して市場予想も下回ったが、米グーグルが前日大引け後に発表した7~9月期決算が好調だったことや、米9月小売売上高が前月比1.1%増加となり市場予想を上回ったことを好感した。ユーロ圏のソブリンリスクに関しては、G20財務相・中央銀行総裁会議(14日~15日)やEU首脳会議(23日)で、ユーロ危機拡大を阻止するための対策が進展するとの期待感も高まった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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