キリン、ブラジルの飲料大手スキンカリオール買収に目処 子会社化に関する経過を発表

2011年10月12日 10:40

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スキンカリオールのウェブサイト(画像:財経新聞社)

スキンカリオールのウェブサイト(画像:財経新聞社)[写真拡大]

 キリンホールディングス(キリンHD)は12日、今年8月2日に同社が発表した、ブラジルの飲料大手スキンカリオール・グループの株式取得(子会社化)に関する経過について報告した。

 キリンHDは、今年8月2日、ブラジルの飲料大手スキンカリオール・グループの株式50.45%を39.5億レアル(約1,988億円)で取得することで合意したと発表。株式の取得は、スキンカリオール・グループ株式の過半数を保有する持株会社アレアドリから行い、同社発行済株式の100%である3億540万株を取得するとしていた。

 しかし、その後スキンカリオール社の少数株主が、キリンHDによるアレアドリ社の株式取得差し止めを求める仮処分申し立てを提起。同社によると、ブラジル・サンパウロ州イトゥー市裁判所が、8月4日に当該仮処分申し立てを部分的に認める決定を下したという。

 この命令に対し、キリンHDは、8月15日に、上級審であるサンパウロ州裁判所に異議申し立てを行っていたが、「10月11日、同裁判所において、当該命令を取り消す旨の決定が下された」とキリンHDは本日発表した。これにより、スキンカリオール社の買収に目処が立ったことになる。

 なお、スキンカリオール社の少数株主は9月2日に、ブラジル・サンパウロ州イトゥー市裁判所に本案訴訟の提起を行っているという。しかし、キリンHDは、「当社は、本取引の違法性・有効性については、現地の弁護士とも事前に相談の上進めており、問題はないと考えている」とコメントし、スキンカリオール社の完全買収に前向きの姿勢を示している。

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