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【相場展望】海外要因を睨みながら引き続き神経質な展開、一時的に下値模索を警戒
【株式市場フューチャー:9月12日~16日の株式市場見通し】
■当面はギリシャのデフォルト懸念の落ち着きが焦点
来週(9月12日~16日)の株式市場は、引き続き米国株式市場や外国為替市場の動向などを睨みながら、海外要因で神経質な展開となりそうだ。世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスク拡大に対する警戒感が強く、米国、欧州、中国、そして国内の主要経済指標でも、景気の先行きに対して強弱感が交錯している。当面はギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念の落ち着きが焦点となるが、一時的には下値模索の展開に対する警戒が必要となりそうだ。
前週(9月5日~9日)の米国の主要経済指標は、引き続き強弱まだら模様だった。米8月ISM非製造業景況感指数は小幅改善したが、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では「いくつかの地域で活動が弱含んでいる」との判断が示された。新規失業保険申請件数は市場予想以上に増加した。
そして前週末9日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比303ドル68セント(2.69%)安と大幅続落した。ECB(欧州中央銀行)のシュタルク専務理事の突然の辞任報道を受けて、ギリシャなどに対する金融支援策に関してECB内部の意見対立が警戒された。ギリシャ政府がデフォルトを宣言するとの噂も広がった。オバマ米大統領が議会演説で発表した約4470億ドルの景気・雇用対策については、予想を上回る規模だったが、議会での審議難航が予想されているうえに、効果に対しても懐疑的な見方が広がった。テロに対する警戒感も投資家心理に影響した。
外国為替市場では、ギリシャのデフォルトに対する警戒感でユーロ売りが加速した。ユーロ・円相場は9日の海外市場で一時1ユーロ=105円30銭台まで円が上昇し、01年7月以来の円高水準となった。ドル・円相場は、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入に対する警戒感が交錯する状況が続き、概ね1ドル=76円台後半~77円半ばの円高水準で膠着感を強めている。9日~10日に開催されたG7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁会議の影響は限定的で、20日~21日開催予定の米FOMC(連邦公開市場委員会)までは、動きにくい状況だろう。
こうした流れを受けて、週初12日の日本株式市場は、売り先行でのスタートが想定される。日経平均株価、TOPIXともに、週前半は年初来安値を更新する可能性が高いだろう。ギリシャのデフォルト懸念の落ち着きが当面の焦点となり、PBRなど指標面の割安感が下値を支えることも期待されるが、引き続き海外要因に神経質な展開で、一時的には下値模索の展開に対する警戒が必要となりそうだ。
需給面で見ると、前週8日に、寄り付き前の外資系証券9社経由の注文状況が、29営業日ぶりに買い越しに転じた。外国人投資家の大幅な売り越し基調に変化が見られるかどうかが注目点だろう。
テクニカル面で見ると、日経平均株価の週末9日時点の移動平均線に対するマイナス乖離率は、25日移動平均線に対して1.58%、75日移動平均線に対して7.56%、200日移動平均線に対して11.26%となり、いずれも前週末2日時点に比べてマイナス乖離を広げた。週前半の下落でマイナス乖離が一段と拡大すれば、週後半にはテクニカル・リバウンドの可能性もあるだろう。
■来週の注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では、12日の7月第3次産業活動指数、8月企業物価指数、7~9月期法人企業景気予測調査、日銀金融政策決定会合議事要旨、13日の臨時国会召集、14日の7月鉱工業生産確報、8月首都圏マンション発売戸数などがあるだろう。
海外では、12日の豪7月貿易収支、米3年債入札、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、13日の英7月貿易収支、英8月消費者物価指数、仏7月経常収支、仏8月消費者物価指数、米8月輸出入物価、米8月財政収支、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米10年債入札、14日の英7月失業率、ユーロ圏7月鉱工業生産、米7月企業在庫、米8月卸売物価指数、米8月小売売上高、米住宅ローン借り換え申請指数、米30年債入札、ニュージーランド中銀金利発表、15日の豪中銀四半期報告、スイス中銀金融政策発表、英8月小売売上高、ユーロ圏8月消費者物価指数改定値、北米8月半導体BBレシオ、米8月消費者物価指数、米8月実質所得、米8月鉱工業生産、米9月ニューヨーク州製造業業況指数、米9月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米第2四半期経常収支、米新規失業保険申請件数、ラガルドIMF専務理事の講演、16日のユーロ圏7月経常収支、ユーロ圏7月貿易収支、EU財務相非公式理事会(17日まで)、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、などがあるだろう。
なお12日は中国、台湾、韓国、13日は韓国、香港が休場となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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