【銘柄診断】ＫＤＤＩは東電保有株早期売却要請にＡＤＲ安が重なり続落

■再度の下値確認へ

　　ＫＤＤＩ <9433> は１９日、１万８０００円安の５３万円まで売られて、終値は７０００円安の５４万１０００円と続落した。１８日に開催された東京電力 <9501> の経費削減や財務内容を調査する経営・財務調査委員会（委員長・下河辺和彦弁護士）で、東電が保有する同社株式の早期売却が求められたことが、改めて需給悪化要因として懸念され売り増勢となっており、前日の米国市場で同社ＡＤＲ（預託証券）が、東京市場の終値に対して２万５５８８円安（円換算値）と急落して引けたことも引き続き嫌気されている。

　　東電は同社の第３位の大株主で、保有株式数は３５万７０００株、保有株式比率は７．９％に達する。東電の福島第１原子力発電所の事故以来、この損害賠償金の原資確保のために東電の資産売却が焦点となっており、東電保有株の同社株式売却もこの一角として、同社株価の圧迫材料となってきた。

　　株価は、東日本大震災・原発事故発生で急落した年初来安値４５万８５００円から今３月期業績の続伸予想や売り方の買い戻しなどで年初来高値６０万１０００円までリバンドし、半値押し水準まで再調整したが、なお再度の下値確認が見込まれる。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）

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