世界のビール総生産量は前年比2.2%増、26年連続で過去最高 キリン調べ

2011年8月12日 17:35

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2010年地域別ビール生産量構成比 出典:「キリン食生活文化研究所」

2010年地域別ビール生産量構成比 出典:「キリン食生活文化研究所」 [写真拡大]

 キリンホールディングスのキリン食生活文化研究所は11日、2010年世界主要国のビール生産量に関するレポートを発表した。レポートによると、世界の総生産量は、前年比2.2%増の約1億8,562万キロリットルで、1985年以降26年連続で過去最高記録を更新した。東京ドームをジョッキに見立てると、約150杯分 (東京ドーム1杯分は約124万キロリットル) に相当する。対前年増加率は、2008年の0.7%増、2009年の0.8%増と比較すると、高い増加率となった。

 地域別では、アジア (前年比5.4%増、構成比33.3%) が2年連続でトップ。中国(前年比6.3%増)を中心に、ベトナム(前年比15.2%増)、フィリピン(前年比7.5%増)が貢献した。中南米(前年比5.1%増、構成比16.5%)は、ブラジル(前年比18.0%増)が貢献し、3位という結果だった。

 アジアは10年以上連続、中南米は8年連続で生産量が増加する一方、ヨーロッパ(2.4%減)、北米(1.2%減)は3年連続で減少している。ヨーロッパは、ロシア(6.2%減)、ドイツ(2.4%減)、イギリス(3.2%減)など主要国の減少が影響した。アフリカ(7.2%増)は、上位国の南アフリカ(2.8%増)、ナイジェリア(10.0%増)などが貢献し、1,000万キロリットルを超えた。順位は、1位アジア、2位ヨーロッパ、3位中南米、4位北米、5位アフリカ、6位オセアニアとなっている。

 また、国別では、ブラジル(前年比18.0%増)がロシア(前年比6.2%減)を抜き、初の3位。上位25カ国では、ベトナム(前年比15.2%増)、ナイジェリア(前年比10.0%増)、フィリピン(前年比7.5%増)も高い増加率となった。

 ブラジルは好調な国内経済の影響を受け、個人所得の増加により飲用層が拡大、それに対応する形で国内生産が増加し、過去10年で最大の増加率だった。中国は9年連続でトップ。生産量も世界の約4分の1を占めるまでに成長した。

 近年大幅に生産量を伸ばしてきたロシアは、増税などの影響を受けて前年比6.2%の減少、4位という結果となった。ベトナム、ナイジェリアは10年連続で増加し、フィリピンは5年ぶりに25位圏内にランクインした。一方、日本は、夏場の猛暑効果があったものの、生活防衛意識の高まりや上半期の天候不順の影響を受け、前年比2.4%減で7位だった。

 国別の順位は、1位中国、2位アメリカ、3位ブラジル、4位ロシア、5位ドイツ、6位メキシコ、7位日本、8位イギリス、9位ポーランド、10位スペインとなっている。

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