イラン戦争の終結巡り米政権内に3派―交渉・攻撃再開・経済圧力で割れる

アラビア海でイラン船籍の貨物船付近をパトロールする米軍(2026年4月20日、米海軍提供)[写真拡大]
ドナルド・トランプ米大統領に対し、イランとの戦争を終結させる方法をめぐり、ホワイトハウス内の3つの派閥がそれぞれ異なる路線を働きかけている。イランとの間接交渉が活発化する中、政権内の意見は交渉による決着、本格的な戦闘の再開、現行の経済圧力の継続に分かれている。
■交渉派、戦闘再開派、圧力継続派
1つ目の派閥は、交渉による戦争の終結を目指す。J・D・バンス副大統領とスティーブ・ウィトコフ特使が主導しており、戦闘を再開しても紛争の帰結は変わらないと主張している。湾岸諸国の大半もこの見方に同調しているという。
2つ目の派閥はピート・ヘグセス国防長官が主導し、米国は本格的な戦闘に戻るべきだと考えている。ヘグセス氏は、イランが合意を結び、それを守ると信用することはできないと主張しており、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相もこの前提に同意している。
3つ目の派閥は、海上封鎖と経済的圧力を軸とする現状の継続を主張している。スコット・ベッセント財務長官とマルコ・ルビオ国務長官が主導する。米ニュースサイトのアクシオスによると、ジョン・ラトクリフ中央情報局(CIA)長官はトランプ氏に対し、この路線を続ければイランが譲歩するか、あるいは国内が不安定化して民衆の蜂起につながると説明した。
■トランプ氏「急ぐ必要はない」
トランプ氏は2日、攻撃を再開するかどうかの判断を「急いではいない」と述べた。アクシオスに対し、「いずれにせよ我々は何らかの行動を取るが、急ぐ必要はない。我々は彼らを財政的に打ちのめした。彼らには資金もガソリンもなく、国民はうんざりし始めている」と語った。
アクシオスはまた、間接協議が続く中、カタールの仲介者が米国とイラン双方からの回答を待っていると伝えた。
トランプ氏は「我々は彼らと協議している。順調に進んでいる。彼らの問題は……我々を引き延ばそうとすることだ」と述べた。イラン指導部の切迫感は予想していたほど強くないとしながらも、「彼らはこれまでになく合意を望んでいる」と語った。
■イラン「2日でホルムズ海峡を再開可能」
一方、イランは、米国が条件を受け入れれば、ホルムズ海峡を2日以内に再開する計画があると表明した。海峡の再開とともに、戦争終結に向けた交渉も再開できるとしている。イランは9月、7日間で海峡を再開する計画をカタール経由で米国に提示しており、今回その期間を短縮した。
イランは、そのためには米国が7つの条件を満たす必要があると改めて強調した。条件には、イランの港湾に対する米国の海上封鎖の解除、制裁の解除、レバノンを含む停戦への合意などが含まれる。
イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は「これはイランの誠意ある姿勢を改めて示すものだ」と述べた。
■最高指導者が政府に交渉の「一定の権限」
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、モジタバ・ハメネイ最高指導者が交渉を行うための「一定の権限」を政府に付与したと明らかにした。
イラン国営メディアによると、ペゼシュキアン氏はさらに、イランは本格的な戦闘に戻ることなく米国との戦争を解決することを目指していると述べた。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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