ホンダ・2代目「N-ONE」発売 コンセプトは旧車N360を継承 プラットフォームはN-BOX

2020年11月24日 09:13

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新型N-ONE RS(画像: 本田技研工業の発表資料より)

新型N-ONE RS(画像: 本田技研工業の発表資料より)[写真拡大]

 ホンダ・N-ONEは2代目となったが、エクステリアデザインは初代と変わらない。大変評判が良かったためだと言う。インテリアデザインは全く新しくなっている。と言うよりも、中身は「モデルチェンジ」と言ってよいほど変更されている。プラットフォームは「N-BOX」と共通化が図られ、パワーユニットも最新に転装、共通化が図られてきている。

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 ホンダも、真剣に「生産合理化」に向かっているのであろう。軽四輪の規制を考えれば、プラットフォームやパワーユニットが軽四輪車種全部において共用化されていかなければ「怠慢」と言うものだ。デザイン的な自由度はエクステリア、インテリアともに目いっぱい発揮して、多種の特徴を持つデザインを作り上げる生産体制であるべきだ。

 GMとの協力関係を進めるホンダだが、日本独自の軽四輪規格で「どの様な製造体制を築き上げ、どの様な製品バリエーションを作り上げるのか?」で、ホンダのこれからの復活が読めてくるのだろう。

 ホンダ・新型「N-ONE」が「N-BOX」のプラットフォームを共用しているということは、高張力鋼ハイテン材の使用が広がり、ボディーの軽量化が進んでいるものと言える。さらに工業用接着剤の使用拡大もあって、プラットフォーム全体の強度が上がり、7%の軽量化に成功したと伝えられている。これにより、サスペンションセッティングや内装シートの作り方などと連動して、乗り心地の向上と走行性能の向上をもたらしているはずだ。

 軽量化は、間接的に遮音材の使用料を増やせる、豪華装備品を増やせるなどにつながり、ユーザーの乗り心地や使い心地の向上に寄与している。また燃費向上策としては、100kgの軽量化で1km/Lほど伸びると言われている。このように、自動車にとって「軽量化」は最も基本的技術と言えるのだ。

 ハイテン材の使用については、冷間プレス技術がキーワードだ。プレスすると割れてしまうことが起きるが、だからといって熱してプレスしなければ使えないとすると、コストがかさんで大幅な使用は望めない。そのため、冷間プレス技術開発が進んできており、現在の日本の軽量化技術のトレンドとなっている。アルミなどの軽量材を、強度のあまり必要のない部分で使用していくことも進めなければなるまい。しかし、今のところ材料のコストでは「鉄材」が最も安く、加工もしやすいとなっている。

 ホンダ・新型「N-ONE」では、パワーユニットも最新に変更されている。パワーなどの数値に変更は少なくても、CVTとの連動制御を見直しているなどがあり、中身は「モデルチェンジ」と言えるものだ。


 エクステリアデザインは、初代が発売された時、半世紀前にホンダが4輪車に本格的に進出することに成功したN360とそっくりだと感じた。現在はN360を知らない人が大半でほとんど触れられていないが、ホンダ・「N-ONE」は、「N360現代版」と言えるものだ。しかしながら、極小車両を設計してみれば、余裕がないため基本フォルムが似てくるのは当然のことだ。一方、BMWミニはすっかり大きくなってしまいミニと呼ぶのもはばかるが、ホンダはミニの合理性を学んでいるのは確かなことだ。

 ホンダは先日、レベル3の自動運転車を世界に先駆けて発表するなど、GMとの協業の成果も現れてきていると感じる。創業者、本田宗一郎の夢をかなえるホンダであり続けてほしい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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