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当時存在していなかったフォント使用で偽造文書発覚 再び
headless曰く、 Microsoftのフォント「Calibri」はパキスタンのシャリフ元首相が最高裁判所に提出した文書の偽造の証拠となっているが、カナダで再び偽造文書の証拠となった(裁判所文書、Canadian Lawyer Mag、National Post、Ars Technica)。
今回文書偽造が明らかになったのは、2009年に清算手続きを行ったカナダの通信会社Look Communicationsの元CEOだ。Lookは2009年に無線通信用周波数帯域など主要な資産を売却して8,000万カナダドルを得たが、取締役会の決定により1,700万カナダドルを補償金として元CEOや重役らに支払ったことから、Lookが返還を求める訴訟を提起。元CEOは約560万カナダドルをLookに支払うよう命じられた(裁判所文書[2])。
判決後、元CEOは破産の申立を行ったが、2件の不動産は3人の子供のための信託財産になっていると主張したため、破産管財人が裁判所に確認を求めていた。元CEOは証拠として1995年付の文書と2004年付の文書を提示したが、フォントを手がかりに文書の偽造を鑑定する「フォント探偵」ことThomas Phinney氏の証言によると、1995年の文書はMicrosoftの「Cambria」フォントが使われており、2004年の文書ではCalibriフォントが使われていたという。これらのフォントは2007年にWindows Vista/Office 2007とともに出荷されるまで一般に出回っていなかったものだ。
さらに、Cambriaは2002年にデザインされたもので、1995年の文書作成時にはそもそも存在しない。Calibriも2002年にデザインされているが、2004年時点でこのフォントを使用できたのはMicrosoft関係者のみだとPhinney氏は証言する。また、文書では等幅ライニング数字が使われているが、Calibriで等幅ライニング数字がデフォルトになったのは2005年11月であり、2004年の文書で使われているはずがないとのこと。
裁判所はPhinney氏の証言を採用し、元CEOが資産を債権者から守るために2件の文書を偽造したと断定している。
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