「AIは敵か、味方か?」──漫画コースの学生が授業後にたどり着いた、人間とAIの“共創”の描き方【ASOポップカルチャー専門学校×㈱dott】
配信日時: 2026-05-14 10:00:00

AI教育プログラム「AI STUDIO」を運営する株式会社dott(本社:東京都台東区、代表取締役:浅井 渉)と、ASOポップカルチャー専門学校(本部:福岡県福岡市、学校長:麻生 健)は、ディプロマ・プログラムにおける連携を踏まえ、株式会社dottが提供するAI教育プログラム「AI STUDIO」をASOポップカルチャー専門学校の全学科へ導入しました。2025年度後期の漫画コースでのトライアルを経て、2026年度より全学科・約200名のカリキュラムに組み込みます。導入の経緯や授業を通じて生まれた学生の変化について、ASOポップカルチャー専門学校への取材記事を公開しました。
クリエイティブ分野では、AIに慎重な見方をする学校や教員も少なくありません。そんななか、ASO ポップカルチャー専門学校では、業界や教育課程編成委員からの声をきっかけに「今すぐ取り組むべき」と判断。
2025年度のトライアル導入では、授業準備の負担は感覚として約半分に。一方で、授業前はクラス12人中2人しかAIを使っていなかった学生が、授業後にはほぼ全員が「使える」状態になり、計画の立て方やストーリーの叩き台づくりなど、各自の課題解決にAIを活用する姿が見られるようになりました。
今回は、漫画コースの教員と同コース1年生の学生お二人に、AI STUDIOを活用した授業の手応えと、導入によってもたらされた変化についてお話を伺いました。
■学生インタビュー
クリエイティブでは「悪いイメージ」、身近では「試してみた」驚き
■「AI STUDIO(以下、AIの授業)」でAI学習を始める前には、AIを活用していましたか?
==Aさん==
AIの授業があるとは知らずに入学しました。後期からAIの授業をやると聞いて、そのとき知りました。
クリエイティブ業界では、イラストレーターの絵を学習させて似た絵を別の人が偽って投稿する、といった悪いイメージの方が先行していて、自分の漫画づくりでAIを活用しようとは思っていませんでした。授業で初めて「漫画に使えるかも」と感じるようになったのが正直なところです。
==Kさん==
自分ではあまり使っていませんでしたが、SNSで流行っていたので試してみました。飼っている猫2匹の写真を擬人化してほしいとお願いしたら、性格や見た目に合わせたイラストが出てきて、「すごい、面白い」と驚きました。あとは、絵の上達方法をAIに聞いたら、骨格や人体の学び方などを具体的に教えてくれて、すごく役に立ったという経験があります。
AIの授業で広がった「問題を言語化して解決する」体験
■AIの授業を受けての満足度や感想を教えてください。
==Aさん==
この授業がなかったら、そもそもAIを学ぼうとは思っていなかったと思います。パワーポイントの教材が、AIを初めて使う人向けに作られている感じがして、AIを全然知らなかった私でも、すんなり学べたと感じています。
==Kさん==
授業を受けて、便利すぎてびっくりしました。AIに質問を聞くと褒めてくれるし、具体的にアドバイスもくれるので嬉しくなります。自分の将来もうまくいきそうな気がして、「いい子だと思った」という印象です。
■AIの授業後、学校生活や日常生活で変化したことはありましたか?
==Kさん==
授業で「うまくなり方」のアドバイスをもらうような使い方を知ってから、自分でも使う場面が増えました。
締め切りに追われて眠れないとき、AIに計画の立て方を教えてほしいと相談したんです。そしたら、計画表のような形で出してくれて、ダウンロードもできました。細かく「こうやって計画を立てましょう」と教えてくれたので、それを真似して自分で計画を立てるようになりました。
==Aさん==
前は全然使っていませんでしたが、授業をきっかけに「AIを使う」という選択肢が自分の中にできたので、最近はかなり漫画に活用しています。
学校の課題で、決められたページ数の漫画を書くことがあるんですけど、設定だけ自分の中で思っていて、話の流れが具体的にできていないことが多いんです。そんなときに、自分の考えている設定やあらすじをAIに投げて、「この中で何ページのプロット、話の流れを考えてください」とお願いして、出てきたものを参考にしつつ、自分の中で再構築するというやり方をしています。
==担当F先生==
お二人の使い方は「満点」です。AIで出したものを(鵜呑みにするのではなく、)自分で再構築するところまでできていると感じています。
■教員インタビュー
導入のきっかけ──「ついに来たか」と、プロとしての「正しさ」と「道具」としてのAI
■「AI STUDIO」を漫画コースに導入する前に抱えていた課題や、導入のきっかけについて教えてください。
==担当F先生==
上長から学生へのAI教育の話が来たときは、「ついに来たか」という気持ちでした。
プロの漫画家さんや、教育課程編成委員の先生方から、「AIについてもうちょっと学んだ方がいいのでは」「AIはもう切っても切れない関係になるので、早めに注意点や著作権の問題を学ばせた方がいい」といった声が届いていました。上長からも同様の話があり、「頑張って勉強しましょう」という流れで導入を決めました。
私自身のスタンスとしては、AIが全部正しいわけではないので、自分の中で「何が正しいか」が分かるような理論を根底に持ったうえで使ってほしい。そのうえで、アイデア出しはAIに任せ、自分になかったものも提案してもらい、道具として使うという気持ちで取り組みました。
背景作画の授業では、例えば「2000年代の流行を調べたい」といったとき、学生は自分が生まれる前の時代なので、AIに聞いてもいいんだという伝え方をしています。アイデアを一瞬で出してくれる、便利な道具としてAIを受け止めてほしいという思いです。
■授業では、どのような点を特に意識して教えましたか?
==担当F先生==
AI STUDIOで提供された課題やパワーポイントをベースにしつつ、学科として学生がAIを使う際に守ってほしいルールや注意点もさらに付け加えて、しっかり伝えました。
具体的には、プロンプトに個人情報を書き込まないこと。AIはやり取りを保持する仕組みがあるため、積み重ねで誰かが特定されうるような内容は避けること。ほかの漫画家やイラストレーターの作品を、無断でAIに読み込ませたり生成の材料にしたりするのは、また別の問題だということも説明しました。
授業を進めていた時期には、漫画などのクリエイティブ作品をめぐり、生成AIの関与が公になり、選考や評価の在り方が問い直されたといった議論が社会でも注目されており、その流れを授業で検討する事例として取り上げ、著作権や知的財産についても話しました。AI由来かどうか見分けにくい場面が増えているからこそ、人間側が原則を押さえておく必要がある、と伝えています。
そのうえで、生成AIのアプリ(ChatGPT、Copilot、Geminiなど)をまず入れてもらい、プロンプトの書き方や、文字数や生成数を少なくするといったアドバイスの仕方、そして「生活でぶつかる問題もAIに聞いたら解決できる」というところまでを授業で扱いました。
最初はAIを全然知らなかった子が、ある程度AIからアドバイスを受けられるようになり、画像生成もできるようになっていきました。授業が終わった時点では、ほぼ全員が「使えている」状態になっていたと感じています。もともと12人中2人しか使っていなかったので、大きな変化でした。
「問題解決」の考え方が、学生の課題と結びついた
■カリキュラムのなかで、特に効果を感じた部分はありますか?
==担当F先生==
「問題解決の考え方を知ろう」「AIで問題を解決してみよう」の2つの授業が、とても良かったです。
学生は、自分がどんな問題を抱えているか、あまり明確に言語化できていないことが多いです。うまくなりたい、社会でうまく生きていけるようになりたい、という気持ちはあっても、言葉になっていない状態の方が多いのです。AIに問いかけるには、自分の問題を明確にする必要がある。その「問題の明確化」から書かれているところが、論理的で分かりやすかったと思います。逆に、AIが質問してくれて、自分の状態を整理するような、カウンセラーに近い役割も果たしてくれる、答えを一緒に考えてくれるいいアドバイザーとして使えるようになってほしいという意図で教えました。
一方で、カリキュラムとしては全体が長く事前に読み込む必要がありました。ビジネス寄りの内容も多かったので、漫画・アニメ・イラストに特化した方がいいのではと思い、例えば「会社の売上」といった例を、「絵を描くこと」「漫画を書くこと」に関する問題に置き換えたり、「まず問題を言語化してみよう」という形に変えたりして、自分のことに引き寄せて使いました。クリエイティブ系のコースには、自分ごとに置き換えられる例があると、どの学科も助かるのではないかと感じています。
授業準備の負担は約半分に。漫画コースならではの効果も
■導入後、教員の立場として感じた変化について教えてください。
==担当F先生==
授業準備の負担は、導入前と比べてAIのこの授業準備が約半分になった実感があります。私の感覚ですが、クリエイティブな科目では授業1コマ分の教材をゼロから用意すると、だいたい3日はかかることが多いです。コマ数が重なるほど日数も積み上がるので、すべて手作りでそろえるのは負担が大きくなります。今回は教材があらかじめ一式そろっており、その分の制作時間を削れたのが大きく、助かりました。
漫画コースの学生は、パソコンが苦手な子が多く、家にパソコンがない・触ったことがないという子もいます。機器やソフトまわりでつまずいたときは、AIに聞いてみてよいと伝えると、その手の質問がいっきに減ったという副次効果がありました。何度も同じ説明を繰り返す手間が省け、やってよかったと実感しています。
■「使えるものは使う」。そのうえで、人間にしかできないこととは?
==担当F先生==
私個人の考えとしては、使えるものは使った方がいいと思っています。
漫画は、決められたページ数の中で、どこに起承転結を置くかが、経験の少ない学生にはとても難しい。何枚も描いている子は感覚で決められますが、最初は難しい。そこを、ストーリーの叩き台をAIに出してもらったり、自分で考えたものの「どこに盛り上がりを入れたら気持ちよく終われるか」をAIに相談したりする使い方をしてほしい。これまではストーリーを最初から1から自分で考えろ、と言ってきましたが、いきなりは難しいのでAIを拾って、使えるものは使って効率化していくのでいいと伝えています。
一方で、背景はAIで生成できても、時間経過や「間」のコマ、ネームの構成はAIには難しい。キャラクターの表情──どう泣くか、どう怒るか、悲しい表現をどうするか──といった心情や感情の表現も、人間の力だと思います。CG・アニメ分野でも、外側や背景はAIでできても、デザインや「どう見せるか」を考える部分は人間が担当していくしかない。AIでできることを超えるクオリティを目指すのが、人間の力だと考え、そのバランスを学生に伝えています。
2026年度は全学科へ。業界が求める「履歴書・SNS」にもAIを
■独自ディプロマ制度について、学生との関わりや今後の期待はありますか?
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MTc3MyMzNzM2MjAjMzczNjIwXzQ1ZDY1Yzg1NTg1NmMyZDY3M2QxN2RlNGNkNWM3ZDhkLnBuZw.png ]
==担当F先生==
クラスでは「 もう少しレベルの高い内容まで学べたら、その成果をディプロマとして認めてもらえたら嬉しい」といった声もあり、学びをかたちにして証明できることへの関心が高いことは伝わってきました。
教材ではビジネス寄りの例を、生活に近いテーマに寄せる調整などで受講のしやすさに配慮した一方で、意欲の高い学生からは「 プロンプトの書き方をここまで教えてもらった以上、もう一段深い内容も学びたい」という声もありました。こうした声は入門から次のステップまでを段階的に示し、それに応じてディプロマや認定のレベル設計ができると、学生のモチベーションにつながりやすいのではないかと考えています。制度の趣旨や取得条件を授業の中でもう少し共有していけば、現場でも活用しやすくなるのではないかという期待もあります。
■業界や就職を見据えて、AIに期待していることはありますか?
==担当F先生==
漫画コースの進路としては、アシスタントや漫画家デビューと一般就職を選択することが出来ます。就職を目指す学生は、まず履歴書。漫画家やアシスタント業務に携わる学生はオンラインでやり取りすることが多いです。そのため、SNS・書類やメール作成をしなければなりません。特に履歴書やメールの添削はAIに任せてもいいのではないかと思います。また、業界の漫画家さんからは、「変な文章を送るくらいならAIに任せてほしい」「SNSをちゃんと使ってほしい」という声をいただいています。SNSの運用の仕方や、自分をどうコンセプトとしてコーディネートするかといったマネジメント的な話を、AIに相談してもいいのでは、という話も出ています。最近のアシスタント採用では、募集からSNSを見て選定していることも多くなっているので、「どうやったらバズるか」などをAIに考えてもらう、といった活用も現実的です。
授業としてSNSの危険性やAIの危険性、自己コーディネートまで含めるとレベルが高くなるので、そのあたりはAIに任せていく形でいいのかな、という感覚です。制作だけでなく、キャリア全体でAIと関わる機会が、学生の自立につながればと思っています。
■AIと学び─現場の「これから」
担当教員として目指したいAI活用への学習水準
■今後、授業や学生支援のなかで、AIについて特に重視していきたいことはありますか?
==担当F先生==
AIを、自分のアイデアの元として、道具として使ってもらいたい。そのうえで、自分の想像の幅を増やしていってほしいというところです。2026年度からは全学科へ広がるので、生活や制作に置き換えて自分ごとにする支援を続けたいです。漫画コースで試した「例の差し替え」も、他コースでも応用しやすいのではないかと考えています。
学生の声──「これから」
■今後、AIについてもっと学びたいことや、残りの学生生活で力を入れていきたいことはありますか?
==Aさん==
漫画に役立つヒントを、いろいろAIからもらいたいと思っています。ファンタジーならファンタジーの例とか、ジャンルごとのアドバイスを自分の漫画に取り入れていきたい。ストーリーづくりにも結構役に立つんじゃないかと感じています。AIと協力して、漫画をより良いものに作り上げたいです。
==Kさん==
AIの授業では、結構簡単なことしかやっていなかったので、今後学ぶなら、もう少し詳しいプロンプトの作り方などを身につけたいです。あとは、計画表を作るとか、自分でなくてもいい仕事はAIに任せて、そこで出した時間を別の活動に当てるとか、そういう使い方をしていきたいと考えています。
今回、ASO ポップカルチャー専門学校の漫画コースの教員と学生の皆さんにインタビューの機会をいただき、クリエイティブ分野ならではの「AIの受け止め方」や「問題を自分ごとに置き換える工夫」、そして授業を通じた学生の変化をうかがうことができました。
AI教育も、時代とともに求められる役割が変化しています。
一部の専門職向けだった『AI教育1.0』から、すべての学生が触れるべき教養としての『AI教育2.0』へ。そして今、dottは実践型・成果重視の『AI教育3.0』として、AI STUDIOを展開していきます。
▼AI STUDIOサービスサイト
https://aistudio.jp/
▼取材・導入に関するお問い合わせ
https://aistudio.jp/contact/
【会社概要】
会社名 :株式会社dott
代表 :代表取締役 浅井 渉
本社 :〒110-0015 東京都台東区東上野6-20-3 長谷川ビル2階
事業内容:AIの活用方法を学べる教育プログラム「AI STUDIO」運営
URL :https://thedott.io/
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