【摂南大学】加工用トマト 成熟期の病害による腐敗要因を解明
配信日時: 2026-03-30 14:00:00
関与する菌と症状、防除対策のカギに
摂南大学(学長:久保康之)農学部農業生産学科の飯田祐一郎准教授と、大手食品メーカーカゴメ株式会社の共同研究グループは、加工用トマトの成熟期に見られる果実の腐敗症状について、その発生要因を解明しました。研究成果により、菌の防除対策などの基礎的知見として役立てられることが期待されます。
【本件のポイント】
● 加工用トマトの成熟期に見られる病害による腐敗症状の発生要因を解明
● 関与する菌と症状の判明により、今後の防除対策に役立つことが期待
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140284/241/140284-241-d5f5c6dec4532e0836ab9cb7d0c2dc4a-1280x426.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
左加工用トマトの栽培風景 右成熟期に腐敗症状が現れた罹病果(りびょうか)
ジュースなどの原料となる加工用トマトは、安定した品質で大量に生産されることが求められています。近年の加工用トマトは、生産者の高齢化の影響や安定生産を目的として、機械化収穫体系の導入が進んでいます。機械収穫では一斉に収穫を行うため、同熟性(複数の果実が一挙に赤くなる形質)が求められます。しかし、同熟性を高めることにより、成熟期に病害による腐敗症状が一気に進行することがあります。このような腐敗は、生産性の低下を招き、さらには収穫量の減少につながるため、生産者にとって長年の課題となってきました。さらに、これらの腐敗症状がどの病害により発生しているかなど、詳しい発生メカニズムについてはこれまで十分に明らかになっていませんでした。
そこで、飯田准教授らの研究グループは国内の畑で発生した加工用トマト果実の腐敗部から微生物を分離し、解析に取り組みました。その結果、Colletotrichum属とAlternaria属という複数の糸状菌が腐敗症状に関与し、特に成熟した果実に症状が強く現れることを明らかにしました。Colletotrichum属の中でも複数の種が関わることを見いだし、栽培現場で見られる特徴的な症状の再現も確認しました。
今後は、これらにより得られた基礎情報を活用し、加工用トマトの安定生産に向けた病害抵抗性品種の開発や、収穫量低下を防ぐための新たな防除対策技術の確立などを通じて、持続的な農業生産に貢献することが期待されます。
この研究成果は、植物病理学分野の国際学術誌「European Journal of Plant Pathology」に掲載(2026年2月3日)されました。
URL:https://doi.org/10.1007/s10658-026-03190-w
DOI:10.1007/s10658-026-03190-w
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