パナソニックが、大電流動作と低立上り電圧を実現するGaNダイオードを開発

プレスリリース発表元企業:Panasonic Corporation

配信日時: 2015-10-01 19:00:00

パナソニックが、大電流動作と低立上り電圧を実現するGaNダイオードを開発

スイッチング損失を低減、機器の省エネルギー化・小型化に貢献

(大阪)- (ビジネスワイヤ) -- パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、従来の4倍※1となる大電流動作ができ、低立上り電圧のため低電圧での動作にも対応するGaNダイオードを開発しました。これは新たに低電圧で電気を流す部分と、高電圧に伴い大電流化された場合に電気が通る部分をそれぞれ別に備えたハイブリッド構造にすることで実現しました。

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大電流動作と低立上り電圧を実現したため、小さいチップ面積で大電流を取り扱えます。そのため、チップの容量を小さくし、スイッチング損失を低減できるので、より高周波での動作が可能となります。この結果、大電力を扱う機器の省エネルギー化・小型化を加速することができます。

本開発品は以下の特長を有しています。

1. 大電流動作:7.6kA/cm2 (約4倍※1)、低立ち上がり電圧 0.8V
2. 低オン抵抗: (RonA) 1.3 mΩcm2 (約50%減※1

本開発品は以下の技術によって実現しました。

(1) トレンチ構造を有するハイブリッド型GaNダイオード加工技術

溝部が形成されたP型層を有するハイブリッド型GaNダイオードを提案し、N型層上のP型層を選択的に除去する加工技術の開発を行い、大電流動作、低立上り電圧に加え、耐圧として1.6kVを実現しました。

(2)低抵抗GaN基板上へのダイオード形成技術

本開発においては、LED・半導体レーザで実用化され、将来的にパワーデバイスでの採用が期待される低抵抗な導電性GaN基板を用いており、GaN基板上の結晶成長および加工技術を確立し、ダイオードを形成しました。電流を縦方向に流す構造とすることで、より小さなチップ面積と低抵抗が可能となりました。

従来のシリコンではスイッチング損失の低減に限界がありました。また、GaNに加え次世代パワー半導体として期待される炭化ケイ素を用いたダイオードでは、大電流動作を実現するためにチップ面積を増大する必要があり、スイッチング損失の低減、動作周波数の増加による小型化に限界がありました。

本ダイオードは、大電力を必要とする車載・産業機器の電圧変換回路やインバータ回路に使用することで変換効率の向上が実現でき、省エネルギー化・小型化に大きく貢献することが期待されます。

本開発は環境省からの委託業務「未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業」の一環として実施したものです。なお、本開発における成果は、「国際固体素子・材料コンファレンス2015」(2015年9月、札幌)で発表しました。

※1 定格1200Vに対応したSiCダイオードとの比較





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