【名城大学】容量3倍で長寿命な次世代の全固体Liイオン電池実現へ
配信日時: 2025-02-17 17:00:00

-新たなGe複合負極の開発に成功-
発表のポイント
・プラズマプロセス(※1)を用いて高容量が期待できる半導体ゲルマニウム(Ge)とリチウム(Li)イオン伝導性を持つ固体電解質 LiAlGePOを複合化した新規負極を開発。
・Ge/LiAlGePO複合負極のLiイオン電池で、従来の約3倍の高容量1000 mAh/g以上を劣化なく駆動することに成功。
名城大学 総合研究所 次世代バッテリーマテリアル研究センターの内田儀一郎 教授(プラズマ理工学)、池邉由美子 准教授(無機材料化学)、理工学研究科電気電子工学専攻 藤掛大貴 大学院生、大前知輝 大学院生は高容量化が期待できるGeとLiイオン伝導性を持つ固体電解質(※2)LiAlGePOを組み合わせた新たな負極を開発し、Liイオン電池の高容量かつ長寿命を実証しました。本研究の負極構造は次世代の全固体Liイオン電池(※3)に応用可能であり、現在実験を継続中です。
この研究成果は2025年2月17日に米国の学術誌『Advanced Materials Technologies』(https://doi.org/10.1002/admt.202401523)に掲載されました。
画像 : https://newscast.jp/attachments/5wDDZYYCTIYFAYCjbjdV.jpg
図:ゲルマニウム/LiAlGePO複合負極を開発し、最大1000 mAh/g以上の高容量を300サイクル以上劣化なく駆動することに成功。
詳細な説明
1. 研究の背景
さらなる小型で軽量なLiイオン電池を実現するためには、Liイオンを大量に取り込める高容量負極の開発が必要です。半導体であるGeはカーボン(C)の理論容量372 mAh/gの4.3倍の理論容量1600 mAh/gを持ち、高容量負極の有望材料です。しかしながらLiを取り込むことで合金化し、その際、体積が4倍近くにまで膨張する特性を持っています。充放電で膨張と収縮を繰り返すことで、亀裂や集電体となる銅電極からの剥離が起こり、容量が急激に低下するという課題があります。この問題を解決するために他の材料と混ぜ合わせて複合化する方法が有効と考えられます。
2. 研究内容及び本成果の意義
本研究では、非結晶GeとLiイオン伝導性を持つ固体電解質LiAlGePOを組み合わせた複合材料の電極をバインダー(有機接着剤)なしのプラズマプロセスで作製しました。具体的には1) Ge層をLiAlGePO層でカバーした構造、2) GeとLiAlGePOを混合した構造を考案しました。その結果1)と2)の両構造で799、1074 mAh/gという高容量を300サイクル以上劣化なく駆動させることに成功しました。負極に用いたイオン伝導体はGeの亀裂を機械的に抑制するとともに電解液と良好な界面を形成し、負極の劣化を化学的にも抑制することが示唆されました。現在、この新規Ge複合負極を全固体Liイオン電池に展開中です。
名城大学ではノーベル化学賞を受賞した本学の吉野彰終身教授が開発したLiイオン電池研究を大きく展開しています。
論文タイトル
Amorphous Ge/LiAlGePO Composite Anodes with a Multistacking Structure Developed via Co-Sputtering for High-Capacity Li+-Ion Batteries
高容量Liイオン電池のための共スパッタリング法を用いたアモルファスGe/LiAlGePO複合負極の開発
著者:Daiki Fujikake, Tomoki Omae, Yumiko Ikebe, Giichiro Uchida
Faculty of Science and Technology, Meijo University, Nagoya, Japan
雑誌名: Advanced Materials Technologies, 2401523 (2025)
WEB: https://doi.org/10.1002/admt.202401523
用語の解説
(※1)プラズマプロセス:ガス温度とイオン温度が室温で、電子のみが数万℃の状態のプラズマ(低温 プラズマ)を利用してナノサイズで材料を削ったり(プラズマエッチング)、高品質薄膜を作製(プラズマ CVD、プラズマスパッタリング)したりする方法。半導体デバイス作製に必要不可欠なプロセス。
(※2)固体電解質:イオンが移動できる固体材料(イオン導電体)。全固体Liイオン電池の実現に必要不可欠で、Liを含む酸化物や硫化物の固体電解質の開発が進められている。
(※3)全固体 Li イオン電池:従来のLiイオン電池は負極と正極間の Li イオンの移動に電解液が必要だが、その電解液を固体の電解質に代えた次世代の電池。固体電解質は不燃性であるため安全で、かつ急速充電も可能となる。
問い合わせ先
研究に関すること
名城大学理工学部 電気電子工学科
教授 内田 儀一郎(ウチダ ギイチロウ)
E-mail: uchidagi*meijo-u.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
広報担当
名城大学渉外部広報課
電話 052-838-2006
E-mail:koho*ccml.meijo-u.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
第195回 内田 儀一郎 | 育て達人|名城大学 : https://www.meijo-u.ac.jp/sp/sodate/20220601_27394.html
理工学部の内田儀一郎教授が第26回プラズマ材料科学賞 奨励部門賞を受賞 : https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_30953.html
理工学部の内田儀一郎教授、池邉由美子准教授が応用物理学会で第22回プラズマエレクトロニクス賞を受賞 : https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_30538.html
リチウムイオン2次電池の発明者 吉野 彰 終身教授・特別栄誉教授 | MEIJO RESEARCH | 名城大学 : https://www.meijo-u.ac.jp/sp/meijoresearch/researcher/lib/
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プレスリリース提供元:NEWSCAST
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