厚生労働省に医療福祉業界の経営悪化問題の解決策を要望 全国の医療機関・福祉施設に採用費に関する調査を実施

プレスリリース発表元企業:セカンドラボ株式会社

配信日時: 2023-10-19 11:00:00

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医療福祉業界に特化した求人サイト「コメディカルドットコム」( https://www.co-medical.com )を運営するセカンドラボ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:巻幡 和徳)は、全国の医療機関・福祉施設を対象に、経営上での採用費の負担感や看護師や介護職の適正な採用費に関する調査を目的としたアンケートを実施しました。
当社ではこのアンケート結果をもとに、厚生労働省に対して医療福祉業界の採用費高騰による経営悪化の問題を解決するために、人材紹介サービスの手数料率に上限を設けるといった対策について検討を行ってもらいたい旨を要望いたしました。


■9割以上の施設で採用費の高騰が「経営の負担になっている」と回答
まずアンケートでは「看護師/介護職の採用費の高騰は経営の負担となっているか」と尋ねたところ、医療・福祉施設のうち94.1%が採用費の高騰が「経営の負担になっている」と回答しました。特に福祉施設では「経営の大きな負担になっている」の割合が69%と、全施設の平均を10%以上上回る結果となりました。業界の中でも、特に福祉施設において採用費が経営を圧迫していることが明らかになりました。

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【図1】

■紹介手数料の相場は介護職員「年収の30%以上」、看護師「年収の25%以上」が約半数
続いて、福祉施設に対しては介護職について、医療機関には看護師の手数料について、「現在取引のある人材紹介会社の手数料は年収の何%か」を尋ねました。介護職1名の採用にかかる紹介手数料の相場は「年収の30%以上」との回答が46%を占めました。一方、看護師1名の採用にかかる紹介手数料については「年収の25%以上」との回答が51%となりました。看護師と比較すると、人手不足が深刻な介護職においてより採用費の高騰が進んでおり、人員確保のために高額な人材紹介サービスに頼らざるを得ない状況となっていることが改めて明らかになりました。

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【図2】

■約9割の医療機関が看護師の採用費として「50万円未満」「年収の15%未満の手数料率」を希望
1つ前の設問では各医療機関、福祉施設が実際に支払う手数料について回答してもらいましたが、経営上負担のない金額という観点から看護師1名(正職員)の採用費の適正額について尋ねました。その結果、医療機関のうち86%が「50万円未満」と回答し最多に。また、紹介手数料の料率についても同様に質問したところ、「年収の10%未満」が61%、「年収の15%未満」まで含めると89%となりました。上記の質問と合わせると、現在の採用費の相場と施設側が求める金額に大きな乖離があることが分かります。

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【図3】

■約8割の福祉施設が介護職員の採用費として「30万円未満」「年収の15%未満の手数料率」を希望
介護職1名(正職員)の採用費として経営上負担のない金額についても、福祉施設を対象に適正な金額、手数料率について設問を設けました。その結果、78%が「30万円未満」と回答し最多となりました。また、紹介手数料の料率については「年収の10%未満」が63%、「年収の15%未満」まで含めると91%となりました。看護師の採用費と同様、現在の相場と安定した経営のために現場が求める金額に大きく差がつく結果となりました。

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【図4】

■医療・福祉サービスの提供体制維持のためには転職市場の適正化が急務
厚生労働省に対して問題解決のために人材紹介手数料の引き下げを要望
医療福祉業界においては、経営状態の悪化は解決が急がれる課題となっております。近年では新型コロナウイルスの感染拡大によって全国の医療機関・福祉施設が緊急の対応に追われることになったのは記憶に新しいですが、最近の燃料価格の高騰や経済のインフレ傾向の影響も大きく、光熱費や日頃使用する物品の値上がりは経営を圧迫する要因となっています。また、今回実施したアンケート調査でも約95%の医療機関・福祉施設が採用費の高騰が経営の負担になっていると回答しています。
採用費が高騰する要因としては医療福祉業界特有の事情があります。業界では慢性的な人手不足により売り手市場が続いています。専門職である求職者の職場の選択肢は多く、転職のハードルが低い傾向にあることから、結果的に業界内での転職の総数が増加し、採用する側の医療機関・福祉施設の採用費も増加することになります。一般の企業であればコスト高をサービス価格に転嫁することができますが、診療報酬制度・介護報酬制度のもとで運営されている医療機関・福祉施設では採用費の支出が増えたとしてもそれができません。
そこで当社では医療機関・福祉施設の支出を抑制し、経営悪化の問題を解決するためには人材紹介サービスの手数料率に上限を設けるべきと考えています。年収の30%や40%とも言われる高額な紹介手数料の相場の引き下げを実現できれば、採用費高騰の抑制に繋がります。今回実施したアンケート調査でも、9割以上の医療機関・福祉施設から紹介手数料の料率に上限を設けて欲しいという回答が集まりました。
問題解決を望む数多くの意見を受けて、厚生労働省に対して「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」(※)の認定基準に手数料価格の上限額について項目を設けるべきではないかと要望を行いました。また、求職者の年収の10%未満が適正な人材紹介サービスの手数料率の設定として、今後現在の相場の価格から段階的に引き下げを行っていく対策の実施についても検討を求めました。当社では問題解決に向けて広報活動をはじめとした取り組みを継続してまいります。

※医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度:特定の基準を満たし適正な事業運営を行っている職業紹介事業者を認定する厚生労働省の委託事業として実施されている制度です。医療・介護・保育分野の人材確保の促進を目的としており、現在も多数の職業紹介事業者が認定を受けています。


■アンケート調査概要
対象者 :コメディカルドットコムを利用する全国の医療・福祉施設
実施期間 :2023年7月12日〜2023年8月7日
調査方法 :ウェブ回答
有効回答数:2,621件(病院887件、クリニック801件、福祉施設933件)


■『コメディカルドットコム』とは
セカンドラボ株式会社が運営する医療・福祉業界に特化した求人サイト。求人掲載費は無料、人材紹介サービスと比較して1/6程度の低料金で採用できる成果報酬型のサービスを提供しています。2023年10月時点で利用法人数が19,000件、求人掲載は135,000件以上になります。
コメディカルドットコムURL: https://www.co-medical.com


■会社概要
会社名 : セカンドラボ株式会社 2ndLabo, Inc.
所在地 : 〒163-0806 東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル6階
設立 : 2014年1月6日
代表取締役: 巻幡 和徳
Webサイト : https://www.2ndlabo.co.jp


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