中高年はニューノーマルな消費回復の主役に国内旅行・グルメ牽引の可能性

プレスリリース発表元企業:未来ビジョン研究所株式会社

配信日時: 2021-04-20 11:15:00

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人生100年時代 未来ビジョン研究所(代表:阪本 節郎)は、2020年6月11日~6月13日、及び、2021年3月19日~3月26日に、40-70代の“中高年大人世代”を対象として「コロナ過での行動」に関するインターネット調査を実施し、2021年4月19日に第二弾の調査結果を発表しています。
いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真性)もすべて50代以上となって、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。

●新大人緊急調査 2021/03/19~26 全国男女 1,308s
●新大人調査 2020/06/11~13 全国男女 1,864s

直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。

この40-70代の「中高年大人世代」のポストコロナの消費について聞きました。その結果

(1)40-70代「中高年大人世代」のポストコロナ消費意欲ありは、80.2%に上る勢い。
(2)終息後に何をしたいかについては、1位「国内旅行」、2位「外食・グルメ」。
(3)消費の理由としては、1位「我慢していたので」、3位「モヤモヤ気分を吹き飛ばしたい」という「内発的な欲求」に加え、2位に「社会全体に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割だと思う」と「社会的な大義」が掛け算の強さ。
(4)今後気をつけたいことは1位「マスク」71.1%、2位「ソーシャルディスタンス」58.4%とニューノーマル志向。
(5)ワクチン接種希望も71.2%で、早めの接種が受けられるため、消費行動を起こしやすい。
したがって、今求められている「ニューノーマルな消費回復」を担い、その主役になる可能性が高いといえます。

そもそも国内旅行・観光に関しては、
(1)コロナ前の2019年で訪日外国人は国内旅行・観光消費額の17.2%に過ぎす、82.8%は日本人と圧倒的。
(2)しかも、そのうち、50代以上の旅行・観光は44.7%と半分に迫る割合。
(3)実際、京都は、50代以上の女性だけで訪日外国人の2.6倍もあり、まさに「大人女子力」。
(4)50代以上は「平日旅行」・「オフシーズン旅行」ができ、旅行・観光ビジネスにとってきわめて有益。といえ、中高年大人世代が動くことは、消費回復、経済回復に大きな役割を果たす、といえます。

変異ウィルスが猛威をふるっていますが、片方ではなかなかマスク会食も簡単ではないし、街には人があふれるという状態も続いています。中高年大人世代は「ニューノーマルな消費意欲」を持つことがわかりました。60代、70代と年代が上がるにつれ、若者に我慢してもらったという想いがあるのか消費意欲の理由も「コロナ後の社会を活気づけるのは自分たちの社会的役割」としています。


■ポストコロナの消費意欲/全体の8割に上る
40-70代は80.2%とかなりの割合で消費行動をする可能性が高いといえます。そもそも消費行動で若い世代に比べ高い客単価が期待されることもあり、大きな消費ポテンシャルがあるとみられます。年代別には40代が高く、男女別には女性がやや高いといえます。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_1.png
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■ポストコロナ消費意欲の理由/「内発的なこと」と「自分たち世代の役割」の掛け合わせで確実性が高い
左下図表の直近3月調査で、1位「我慢していたのでモノを買ったり出かけたり旅行したいから」47.1%、3位「新型コロナウイルスのモヤモヤ気分を吹き飛ばしたいから」24.7%と内発的なこととともに、2位に「社会全体に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割だと思う」36.9%と「社会的な大義」が上がっています。内発的なことと社会的大義が掛け合わされることになり、かなり確実に消費がなされれる、とみることができます。

右下図表は昨年6月調査ですが、そのときと同様の結果であり、ほぼ上記の傾向は変わらないとみることができると同時にそのときと比べ、コロナ禍が長引くにつれ、「世代の役割」という気持ちは31.2%→36.3%と、より強くなっています。それと同時に60代39.7%、70代49.0%と年代が上がるにつれてその思いは高くなっており、自分たちのために皆が我慢してくれた分、自分たちが消費で頑張らねばという気持ちもあるとられます。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_2.png
図2


■ポストコロナでやりたいこと/1位「国内旅行」・2位「外食・グルメ」
コロナ終息後にやりたいことの1位が「国内旅行」、2位が「外食・グルメ」です。しかも下段の図表にあるようにコロナ前と同等かそれ以上にやりたいことも、1位「国内旅行」、2位「外食・グルメ」となっています。あたかも自発的GoToトラベルとGoToイートのようです。「旅行・観光関連」と「外食」 のコロナ直撃業種に対応し、そもそもこの年代の客単価が高いことを考えると、現在厳しい状況に直面しているこれらの関連業種の助け舟となる可能性も大きいといえます。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_3.png
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■今後気をつけたいこと/「マスク」と「ソーシャルディスタンス」
今後気をつけたいことについては、1位「外出の際はマスクを忘れないようにしたい」、2位「ソーシャルディスタンスには気をつけたい」、3位「不要不急の外出は今後も控えたい」という結果です。「自分がかかりたくない」、という意識と同時にレポートIにあったように、「他人に迷惑をかけたくない」という意識があるとみられます。この意識が、いま焦点となっている旅行・観光やグルメをしながらも「ニューノーマル」を実践し、レポートIで提起した中高年大人世代の「自己管理」をこれからも継続させて行くことになる、とみることができます。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_4.png
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■ニューノーマルを担うのは誰か/「自分たちがやらねば」という意識
ニューノーマルは「個人個人でするべきこと」が圧倒的1位で56.1%と半数を超えますが、2位は「中高年大人世代が率先して社会に広げていくべき」20.6%で「若い世代がとくに気をつけるべき」を上回っています。1位・2位の合計は、76.7%に達し、中高年大人世代は「自分が、あるいは自分たちがやらねば」という気持ちだとみられ、ニューノーマルのリード役として、今後、大いに期待できると思われます。

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■ワクチン接種/71.2%が「ワクチン接種を受けたい」
40-70代の71.2%が「ワクチン接種を受けたい」(是非受けたい+できれば受けたい)と答えています。60代、70代と年齢が上がればあがるほど受けたい割合は高くなっています。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_6.png
図6


■ワクチン接種受けたくない理由/約半数は「副反応が心配」
受けたくないと答えた人(あまり受けたくない+絶対受けたくない)の47.5%と約半数は「副反応が心配」。やはり女性が高く、53.3%と半数を超えています。

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<公的データ分析>
■わが国の旅行・観光消費総額(コロナショック直前)/訪日外国人は17.2%のみ 日本人が82.8%と圧倒的
観光庁の統計で、2019年の年間旅行・観光消費額のうち、訪日外国人の割合は17.2% 4.8兆円に過ぎません。日本人による旅行・観光消費額は全体の82.8%と実に8割が日本人による支出であり、額にすると23.1兆円に達することがわかります。

画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_8.png
図8


■日本人の旅行消費額・年代別/50代以上で44.7% 10.3兆円と半数近い
若者旅行の20代、OL旅行の30代、家族旅行の40代に対して、50代以上は大きな割合。
また、50代以上は時間があるために、「平日旅行」「オフシーズン旅行」が可能であり旅行・観光ビジネスにとっても大きな意味があります。

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図9


■「京都観光」(コロナ以)の観光客/50代以上の女性だけで、訪日外国人の2.6倍
50代以上の男女合わせれば訪日外国人の4倍。外国人とりわけ欧米系は容姿が異なるため目立って見えますが、比率からいえば、日本人、そのなかでも50代以上は訪日外国人を大きく上回る圧倒的な数だといえます。50代以上は、客単価も高いとみられることから、まさに、ポストコロナで期待される「新しい大人消費パワー」だといえます。

画像10: https://www.atpress.ne.jp/releases/256221/LL_img_256221_10.png
図10


<調査概要(1)>
調査対象 :40-70代男女
対象エリア:全国
対象者数 :1,308サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2021年3月19日(金)~3月26日(金)

<調査概要(2)>
調査対象 :40-70代男女
対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および全国中小都市
(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、
岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数 :1,864サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2020年6月11日(木)~6月13日(土)


■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について
「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。
<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ http://www.miraivision.net

[所長プロフィール]
阪本 節郎
東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。(株)博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月 独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。


■著書
「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)
「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)
「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)
「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)
「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)
「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)

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■マスコミへのコメント・出演
日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日 他

<コラム連載執筆>
●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)
●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)


■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員
<これまでの経歴>
●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会
●厚生労働省 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会
団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会
●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会
●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会
●日本BS放送 放送審議委員会
●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員


<参考資料>
人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧
※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
https://miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト/レポート)

【未来ビジョン研レポート】
No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」(2021.4.12)


<お問い合わせ先>
Email: setsuo.sakamoto@miraivision.net


詳細はこちら
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