NYSE、29銘柄のオプション取引時間を拡大 専門家は流動性リスク指摘

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は一部の個別株や上場投資信託(ETF)を対象とするオプションの取引時間を拡大した。(Photo by Cara Willenbrock on Unsplash)[写真拡大]
ニューヨーク証券取引所(NYSE)は10月19日、傘下のNYSEアメリカン・オプションズで、一部の個別株や上場投資信託(ETF)を対象とするオプションの取引時間を拡大した。通常の取引時間外に発表される企業ニュースや経済指標に対応しやすくなる一方、専門家は取引が少ない時間帯の流動性リスクに注意を促している。
対象は、エヌビディア、バンク・オブ・アメリカ、SPDR S&P500 ETFトラスト、iシェアーズ・ラッセル2000 ETFなど計29銘柄のオプション。米東部時間午前7時30分~9時25分の早朝取引を新設し、午後4時~4時15分にも取引時間帯を設けた。ただし、対象ETFのオプションは従来から通常取引が午後4時15分まで行われており、この終了時刻は変わらない。
インターコンチネンタル取引所(ICE)傘下のNYSEと同様に、Cboeグローバル・マーケッツも19日、個別株24銘柄とETF5銘柄のオプションについて、通常取引の前後に新たな取引時間帯を導入した。
企業発表や経済情勢の変化は、通常の取引時間外にも株価を動かす。取引時間の拡大により、投資家は取引開始を待たずに持ち高を調整し、投機やリスク管理に使うデリバティブを売買できるようになる。
オプションは、一定の期間内に、あらかじめ定めた価格で原資産を買う、または売る権利であり、買い手に権利行使の義務はない。その価値は、原資産の価格や予想変動率、満期までの残存期間などによって変わる。
取引プラットフォーム、トレーディングブロックの市場戦略担当バイスプレジデント、マイケル・マーティン氏はIBTに対し、「投資家はすでに先物や暗号資産をほぼ24時間取引できるため、株式関連の取引がそれに続くのも時間の問題だったのだろう」と述べた。
そのうえで、「最大の利点は取引へのアクセスだ。特に海外の投資家や、通常の取引時間外に相場を動かすニュースに対応したい投資家にとって意味がある」と指摘した。
取引所にとっても、今回の拡大は、従来型の証券取引を暗号資産市場のような継続的に取引できる環境に近づける動きとなる。予測市場や、一部の満期を設けない無期限先物も、週を通じて取引できる機会を広げている。
■初日の取引は低調、コール中心でも強気とは限らず
一方、19日の最初の時間外取引は低調な滑り出しとなった。CNBCが引用したスポットガンマのデータによると、21日の決算発表を控えたテスラのオプションでは3000枚余りが取引された。ほぼすべてが買う権利であるコールオプションで、取引の総額は10万ドル未満だった。
CNBCは、既存の持ち高を別の契約に乗り換える「ロール」が含まれていた可能性が高いと報じた。ロールは一般に、保有するオプションの持ち高を解消すると同時に、満期や権利行使価格などが異なる契約で新たな持ち高を作る取引を指す。
この違いは、コール中心の取引を読み解くうえで重要となる。コールの購入は株価上昇への期待を示す場合があるが、コールの出来高だけでは、新たな強気の投資が増えているとは判断できない。
マーティン氏は「市場が開いているからといって、十分な流動性があるとは限らない」とも述べた。
「夜間の取引量は依然として比較的少なく、売値と買値の差が広がり、不利な価格での約定や、値動きの拡大につながりやすい。流動性リスクを理解していない個人投資家にとって、非常に懸念される問題だ」と指摘した。
初日の低調な取引とは対照的に、通常時間外のオプション取引全体は拡大している。CNBCによると、Cboeの時間外取引は最近、1日平均19万9000枚を超え、過去最高を記録した。この数字は既存の時間外取引を示すもので、19日に始まった個別株オプションの取引だけを集計したものではない。
NYSEは別途、傘下のNYSEアーカで株式の取引時間を週5日、1日23時間に拡大する準備も進めている。開始目標は12月6日で、米証券取引委員会(SEC)の承認や市場データ配信体制、清算インフラの整備などが条件となる。
計画する取引時間は米東部時間午後9時から翌日午後8時まで。残る1時間を、システム保守や取引処理、翌取引日への切り替えなどに充てる。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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