TikTokにブラジル当局が約47億円の制裁金、未成年者データを違法に処理

2026年8月27日 19:35

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記事提供元:Tech Times

(Zulfugar Karimov/TikTok)

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ブラジルの国家データ保護庁(ANPD)は、TikTokで子どもや青少年の個人データを適法な根拠なく処理したとして、運営会社のByteDance Brasilに1億5370万レアル(約47億5000万円)の制裁金を科した。決定は2026年8月25日に官報で公表され、不適切に収集したデータの削除と、未成年者の保護を強化するコンプライアンス計画の実施も命じられた。

ANPDは、アカウントを作成せずに利用できる「未登録フィード」と、登録アカウント向けのフィードの双方で、ブラジル一般データ保護法(LGPD)に違反するデータ処理があったと認定した。ByteDanceには決定の通知から10営業日以内に異議を申し立てる権利がある。

■未登録フィードでも行動データを処理

ANPDの調査では、TikTokの未登録フィードでも、利用者の操作や端末に関する情報を基にコンテンツが調整されていた。アカウントがなくても、「いいね」、共有、コメント、フォローなどを試みた記録が収集され、利用者の関心を推定するために使われていたという。

ANPDは、未登録フィードにおけるデータ処理が、登録ユーザー向けのフィードと類似していたと判断した。一方、未登録の利用者については年齢の把握や保護者による関与を確保しにくく、子どもや青少年のデータが適法な根拠なく処理されることを防ぐ措置も不十分だったと認定した。

登録アカウントについても、子どもや青少年の登録時に適切な法的根拠を確保できておらず、13歳未満の利用や不適切なデータ処理を防ぐ仕組みの有効性を十分に示せなかったとされた。

ANPDが認定したのは、LGPD第7条が定める適法な処理根拠の欠如と、同法第6条の予防原則、説明責任・法令順守の原則に関する計5件の違反である。制裁金は3件の金銭的制裁を合計したもので、過去の調査対象期間における行為に対して科された。

■データ削除と未成年者保護の強化を要求

ANPDは制裁金に加え、適法な根拠なく収集された対象データの削除を命じた。ByteDanceは、未成年者の個人データを今後どのように取り扱うかを定めたコンプライアンス計画も実施する。

登録アカウントでは、16歳未満の利用者に最も制限の厳しいプライバシー設定を自動的に適用する。設定を変更する場合は保護者の承認を必要とし、保護者向けの監督機能やコンテンツフィルターも強化する。

未登録フィードについては、ブラジル国内で広告を全面的に停止し、表示するコンテンツを全年齢向けに限定する。コンテンツの個別最適化を大幅に制限し、収集・処理する情報も、言語や地域、基本的な端末情報など必要最小限に絞る。

未登録状態では、コンテンツの投稿、コメント、ダイレクトメッセージ、フォローなどの交流機能を利用できなくするほか、ライブ配信の投稿と視聴も認めない。未登録フィードの利用体験は12時間までに制限される。

ANPDは、ByteDanceが示した計画を承認する一方、2026年3月に施行された「児童・青少年デジタル法制(ECA Digital)」に基づく年齢確認の要件も、定められた日程と当局の指針に従って履行するよう求めている。

■TikTokは決定が2021年の行為を対象としていると説明

TikTokはブラジルメディアに対し、子どもや青少年の安全を最優先事項としてANPDと約5年間協議し、その結果としてコンプライアンス計画を提出したと説明した。

同社によると、今回の制裁は2021年の行為を対象としており、その後に自主的に導入した対策や、承認された計画に基づく変更は反映していない。TikTokは、ANPDとの協議を続けながら、決定への対応を検討するとしている。

■米国と欧州でも未成年者保護を巡る措置

米司法省は2026年8月21日、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)への適合を巡る訴訟について、TikTok、ByteDanceなどと総額4億ドル(約636億円)で和解したと発表した。TikTok側は3億ドルを支払い、前身サービスMusical.lyに対する従来の同意判決が取り消された場合、さらに1億ドルを支払う。

この米国での和解は申し立てられた請求を解決するもので、TikTok側の法的責任が認定されたわけではない。米司法省は、2024年の提訴後にTikTokの所有体制や管理体制、年齢確認、保護者向け機能などが変更されたことも説明している。

欧州委員会は2026年7月24日、TikTokの未成年者向けアカウント設定がデジタルサービス法(DSA)の安全基準を満たしていない可能性があるとの予備的見解を示した。未成年者の投稿が広く公開されたり、推薦フィードで他の利用者に表示されたりする設計が主な対象で、調査の最終結論はまだ出ていない。

英国の情報コミッショナー局(ICO)も2023年、子どもの個人データを適法に利用しなかったことなどを理由として、TikTokに1270万ポンドの制裁金を科している。

■ブラジル当局は22事業者を監視

ANPDは2026年8月21日、デジタルプラットフォーム、アプリストア、生成AIサービスの計22事業者を対象とする監視を始めた。TikTokのほか、SNS、メッセージサービス、動画配信サービス、アプリストア、生成AIサービスなどが対象となっている。

この監視では、違法コンテンツの拡散防止や利用者保護に関する仕組みに加え、ECA Digitalが定める子どもや青少年の保護義務への対応状況も確認する。対象事業者は通知を受けてから10営業日以内に当局の質問へ回答する。

現段階は各事業者の体制や対策を確認する監視手続きであり、22事業者について違反や制裁が決まったわけではない。ANPDは提出された回答や技術資料、寄せられた申告などを分析し、今後の監督・執行方針を検討する。

■注目ポイントQ&A

●TikTokの未登録フィードではどのような情報が処理されていましたか?

アカウントを作成していなくても、端末や利用状況に関する情報のほか、「いいね」、共有、コメント、フォローなどを試みた記録が処理されていました。ANPDは、こうした情報を使ったコンテンツの個別最適化が、登録ユーザー向けの体験と類似していたと判断しています。

●ブラジルでTikTokが利用禁止になるのですか?

利用禁止にはなりません。今回の決定は制裁金、対象データの削除、プライバシー設定の強化、未登録フィードにおける広告や機能の制限などを求めるものです。

●「12時間まで」という制限は1日当たりですか?

ANPDの公式発表は「未登録フィードの体験を12時間に制限する」と説明していますが、公開された概要では、この12時間をどの単位で計測するかまでは明示していません。

●監視対象となった22事業者も制裁を受けるのですか?

現時点では違反や制裁は決まっていません。ANPDは各事業者に対し、ガバナンス、リスク管理、コンテンツ対策、通報制度、未成年者保護などについて説明を求め、その回答を今後の監督に利用します。

元記事: Brazil Fines TikTok $29.8M for Guest Browsing That Tracked 8 Million Minors

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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