ケンコーマヨネーズ、27年3月期増収・連続増配予想、価格改定と積極展開で収益拡大へ

2026年8月21日 07:40

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を掲げ、サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類、および総菜関連事業を展開している。27年3月期は原材料価格高止まりなど不透明感を考慮して小幅減益予想としているが、価格改定(26年9月1日納品分より実施)効果なども勘案すれば保守的と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は7月の戻り高値圏から一旦反落したが、素早く切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開

 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業を主力として、日配サラダや総菜等のフレッシュ総菜およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他(サラダ専門店Salad Cafeなど)も展開している。ロングライフサラダは国内市場シェア1位である。Salad Cafeは対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開している。

 なお同社は8月24日を「ドレッシングの日」と制定している。ドレッシングは野菜にかけて使用することが多いため、831(やさい)にかける→8×3×1=24で24日を、またカレンダーで見ると野菜の日(8月31日)の真上にあるのが8月24日であることから、野菜にドレッシングをかける様子をイメージして8月24日を「ドレッシングの日」と制定した。そして8月20日に制定10周年を記念し、同社HPの企業サイト内に「ドレッシングの日」特設サイトをリニューアル公開した。

 26年3月期セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)は、調味料・加工食品事業(同社単体の事業)が734億34百万円、総菜関連事業等(連結子会社の事業)が181億80百万円、その他(サラダカフェ)が7億40百万円だった。調味料・加工食品事業の内訳は、サラダ・総菜類が213億24百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が284億78百万円、タマゴ加工品が218億07百万円、その他が18億23百万円だった。営業利益(調整前)は調味料・加工食品事業が30億94百万円、総菜関連事業等が10億04百万円、その他が35百万円の損失、調整額が91百万円だった。販路別売上高構成比は外食が29.6%、量販店が27.1%、CVSが20.7%、パン(製パンメーカー等)が12.3%、給食(学校、老健施設等)が4.6%、その他が5.7%だった。

■ビジョンは「サラダ料理で世界一になる」

 25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期経営計画「KENKO Vision 2035」では、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を掲げている。そして一部の経営目標が早期到達したこと(営業利益とROEが計画比上振れ)などを踏まえ、26年2月に一部見直しを行った。

 新たなコンセプトに「『Global Food Solution Company」への転換 ~食の『困った』を『ワクワク・ドキドキ』に変える~』を掲げ、基本戦略をアップデートして「事業ポートフォリオの再構築と成長戦略の見直し」「スマート化戦略の位置づけ再整理」「資本コストや株価を意識した経営のさらなる深化」とした。

 基本戦略アップデートの骨子として、事業ポートフォリオの再構築と成長戦略の見直しでは「顧客IN」と「共創」による既存事業の販売拡大、Salad Cafeと料理教室(キッチンスペース831)の最適化、海外売上高比率の引き上げ(35年度目標について当初計画は10%、今回計画は30%)、スマート化戦略の位置づけ再整理ではDXからBX(ビジネスプロセスの変革)への進化、共創によるインキュベーション機能の構築、競争優位の源泉の創造と生産性向上を担うIT戦略の策定、資本コストや株価を意識した経営のさらなる深化ではキャッシュ・ベース・マネジメントへの移行、成長性・収益性・健全性の長期的なバランスを意識した投資の推進、配当政策の見直しとした。

 なお目標値の項目に関しては従来の営業利益をEBITDAマージンへ、ROEをROICへ変更した。そして修正後の目標値はPhase1(25年3月期~28年3月期)で連結売上高1020億円(従来の1020億円を据え置き)、EBITDAマージン7.0%(従来は営業利益33億円)、ROIC6.0%以上(従来はROE未公表)、Phase2(29年3月期~32年3月期)で連結売上高1,450億円(従来は連結売上高未公表)、EBITDAマージン10.0%(従来は営業利益未公表)、ROIC6.5%以上(従来はROE未公表)、Phase3(33年3月期~36年3月期)で連結売上高2000億円(従来の1250億円から上方修正)、EBITDAマージン12.0%(従来は営業利益75億円、営業利益率6.0%)、ROIC9.0%以上(従来はROE8.0%以上)としている。なおネットD/Eレシオについては長期的に1.5以下を目指す。

 Phase1のキャッシュアロケーションとしては、キャッシュイン(営業CF)240億円に対して、キャッシュアウトはM&A・グループ再編・設備能力増強などの成長投資に150億円、環境投資・東京本社移転・IT投資などの基盤強化投資に60億円、株主還元に30億円の計画としている。

 株主還元については、安定的に継続した株主還元を行うためDOE(株主資本配当率)を指標とした。そしてDOEを段階的に引き上げ、Phase1の28年3月期に2.5%以上、Phase2の32年3月期に3.5%以上、Phase3の36年3月期に4.0%以上を目指す。

 26年5月には持続可能な脱炭素社会の実現を目指す日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)に賛助会員として加盟した。26年8月には同社の「6種野菜のカラフルマリネ」が日本食糧新聞社主催「第30回業務用加工食品ヒット賞」を受賞した。

■サステナビリティを意識した新製品

 23年9月には、新たなプラントベースフードとして、植物性原料を使用した「タマゴ風加工品」を発表した。プラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、植物性たまごの研究開発・販売を行うUMAMI UNITED JAPANと協業し、主力の「タマゴ加工品」の新たなカテゴリーとなる「植物性タマゴ加工品」として商品を開発・展開する。23年10月にはフードサービス業界向けプラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、たまご不使用のプラントベースのたまご風サラダ「まるでたまごのサラダ」を発売開始した。

 25年3月には神奈川県「森林再生パートナー制度」に参画した。25年12月にはサステナビリティへの取り組み事例として、工場で排出された「卵殻」を配合したサステナブル素材から「箸」「鉢」「トレー」を作る事例を紹介した。また25年12月には農研機構、東京農工大学、日本大学生物資源科学部、信州大学農学部、キューピー等が連携して始動した「畜産の新たな社会的価値の創出研究開発プラットフォーム」に参画した。

■27年3月期は小幅減益予想だが保守的、配当は連続増配予想

 27年3月期の連結業績予想は売上高が前期比5.0%増の970億円、営業利益が3.7%減の40億円、経常利益が4.1%減の41億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.0%減の28億40百万円としている。配当予想は前期比3円増配の70円(第2四半期末35円、期末35円)としている。連続増配で予想配当性向は36.3%となる。

 第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.9%増の233億23百万円、営業利益が4.7%減の7億26百万円、経常利益が2.0%減の7億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が0.9%増の5億65百万円だった。

 営業利益は総菜関連事業の売上減少や包装資材価格の上昇により小幅減益だが、売上高は価格改定効果により第1四半期として過去最高と順調だった。営業利益35百万円減益の増減要因分析は、価格改定効果(25年4月実施のタイムラグ分の効果+26年4月実施の効果)で11億15百万円増益、販売数量減少で1億01百万円減益、生産効率悪化(関東ダイエットエッグ会津若松工場統合影響、馬鈴薯不作による歩留影響)で2億30百万円減益、物流費増加で37百万円減益、原材料影響(馬鈴薯不作、食用油、中東情勢による包装資材等)で5億94百万円減益、固定経費等の増加(東京本社移転等に伴う賃料増加)で1億89百万円減益だった。なお原材料影響など中東情勢等の影響は合計6億21百万円減益要因だった。

 セグメント別に見ると、調味料・加工食品事業(同社単体の事業)は売上高(外部顧客に対する売上高)が4.5%増の188億92百万円、営業利益(セグメント間取引等調整前)が6.8%増の5億45百万円だった。価格改定効果も寄与して増収増益だった。売上高の内訳はサラダ・総菜類が3.1%増の53億65百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が5.3%増の72億62百万円、タマゴ加工品が4.8%増の58億18百万円、その他が3.1%増の4億46百万円だった。サラダ・総菜類は外食向けポテトサラダなど、マヨネーズ・ドレッシング類は外食向けソース類など、タマゴ加工品はCVS向けたまごサラダなどが順調に増加した。

 総菜関連事業等(連結子会社の事業)は売上高が2.7%減の42億79百万円、営業利益が36.9%減の1億56百万円だった。販売先(量販店)における一部内製化の影響で減収となり、中東情勢等の影響による包装資材価格の上昇も影響して減益だった。

 その他(サラダカフェ)は売上高が20.7%減の1億51百万円、営業利益が3百万円の損失(前年同期は12百万円の損失)だった。2店舗の退店により減収だった。第1四半期末時点の店舗数は7店舗となった。

 なお販路別の売上高構成比は、外食が29.5%、量販店が26.6%、CVSが21.0%、パン(製パンメーカー等)が12.2%、給食(学校、老健施設等)が5.0%、その他が5.7%だった。

 通期連結業績予想については前回予想(26年5月11日付の期初公表値)を据え置いている。セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)の計画は、調味料・加工食品事業(同社単体の事業)が6.5%増の782億20百万円(内訳はサラダ・総菜類が8.6%増の231億52百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が3.5%増の294億66百万円、タマゴ加工品が8.5%増の236億69百万円、その他が5.9%増の19億30百万円)、総菜関連事業等(連結子会社の事業)が0.1%減の181億60百万円、その他(サラダカフェ等)が2店舗退店により16.2%減の6億20百万円としている。

 通期の営業利益1億55百万円減益の増減要因分析見通しは、価格改定効果で57億84百万円増益、販売数量増加で1億56百万円増益、生産効率改善で36百万円増益、物流費増加で3億14百万円減益、原材料影響で40億07百万円減益、固定経費等増加で18億10百万円減益としている。なお原材料影響など中東情勢等の影響は合計26億99百万円減益要因の見込みとしている。

 売上面は価格改定の実施、販促企画キャンペーンの実行、顧客INの発想による数量回復などにより増収を見込むが、利益面は原材料価格高止まりなど不透明感を考慮して小幅減益予想としている。ただし価格改定(26年6月30日付リリース、26年9月1日納品分より実施)効果なども勘案すれば保守的と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈している。

■株価は反発の動き

 株価は7月の戻り高値圏から一旦反落したが、素早く切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。8月20日の終値は2025円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS193円09銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の70円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2886円81銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約334億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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