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【分析】米OpenAI、法人向け売上が個人向けを初めて上回る―年換算売上高は400億ドル

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生成AI「Chat GPT」の開発を手掛ける米OpenAIの法人向け事業の売上が、個人向け事業を初めて上回った。サラ・フライヤーCFOが2026年8月14日の投資家会合で説明したもので、同社の年換算売上高ランレートは400億ドル(約6兆3,600億円、1ドル=159円換算)に達したという。
OpenAIが2026年初めに示していた見通しでは、法人向けと個人向けの売上が同年末までに同水準になると予想されていた。今回の逆転は、その想定より約2四半期早い。一方、同社では最高レベニュー責任者(CRO)を含む幹部の退任が相次いでおり、IPO(新規株式公開)に向けた準備と並行して経営体制の移行が進んでいる。
■法人向け売上が過半数に、年換算売上高は400億ドル
OpenAIの年換算売上高ランレートは400億ドルに達した。これは直近の月次売上を基に年間規模へ換算した指標で、監査済みの通期売上高ではない。
CNBCが確認した資料によると、同社の売上高ランレートは2026年7月に前月比20%増加した。法人顧客に関連する指標は同32%増と、全体を上回る伸びを示した。
2025年末時点の年換算売上高ランレートは200億ドルを超えており、約8カ月でほぼ倍増したことになる。
売上構成にも大きな変化が生じた。会合の出席者が匿名を条件にCNBCへ語ったところによると、フライヤー氏は「年初は個人向けと法人向けが60対40だったが、法人向けが予想より速く成長し、両者は逆転した。現在は売上の過半数が法人向けだ」と説明した。
2026年1月時点では、法人向け事業は売上全体の約40%を占め、年末までに50%近くまで伸びると見込まれていた。今回の説明が示すのは、OpenAIの収益基盤が、ChatGPTの個人向け有料プランを中心とする構造から、企業契約やAPI利用を含む法人中心の構造へ移りつつあるということだ。
■GPT-5.6、ChatGPT Work、Codexが成長を支える
法人向け事業の成長を支えているのが、「GPT-5.6」シリーズ、企業向けの「ChatGPT Work」、AIコーディングツール「Codex」などの製品である。
フライヤー氏は投資家会合で、最新モデルがエージェント型コーディングタスクにおいて「54%効率的になった」と説明した。これは同社が示した性能値であり、具体的な評価条件や算出方法は明らかになっていない。
同社は一部モデルの価格も引き下げ、費用対効果を重視する顧客への訴求を強めている。フライヤー氏によると、法人顧客はAIの使用量そのものを増やす段階から、支出に対してどの程度の成果が得られるかを測る段階へと移行している。
OpenAIは2026年8月13日時点で、同社製品を利用する企業が200万社を超え、1年前の2倍になったと発表している。企業はChatGPT Workなどの業務向け製品に加え、開発者向けプラットフォームを通じてAPIを利用している。
広告も新たな収益源になりつつある。フライヤー氏によると、広告事業の年換算売上高ランレートは10億ドル(約1,590億円)に近づいている。OpenAIは2026年2月にChatGPTで広告のテストを開始した。
■CRO交代、ライトキャップ氏も退任
OpenAIは8月13日、最高レベニュー責任者のデニス・ドレッサー氏が移行期間を経て退任し、サイバーセキュリティ企業Wizの社長兼COOを務めたダリ・ラジッチ氏が後任に就くと発表した。
ドレッサー氏は2025年12月にOpenAIへ入社した。以前はSlackのCEOを務め、その前にはSalesforceで10年以上にわたって営業組織を率いた。OpenAIではグローバルな売上戦略とカスタマーサクセスを統括し、企業向け事業の拡大を担っていた。
OpenAIは、ドレッサー氏が「新たな機会を追求するため」に退任すると説明している。具体的な退任理由は公表されていない。同氏は移行期間中、顧客支援を継続しながら新体制への引き継ぎに当たる。
その2日前には、ブラッド・ライトキャップ氏も、8年間在籍したOpenAIを離れて新たな事業を始めると発表した。ライトキャップ氏は約4年間にわたってCOOを務めた後、2026年4月に特別プロジェクトを担当する役職へ移っていた。このため、今回の退任時点でCOOを務めていたわけではない。
OpenAIではこのほか、プロダクト・事業部門を率いていたフィジー・シモ氏が、持病の悪化からの回復に専念するため、2026年7月に職務を離れると表明している。複数の幹部交代が続くなか、法人向け事業の成長を新たな経営体制へ円滑に引き継げるかが焦点となる。
■新CROにダリ・ラジッチ氏
新たに最高レベニュー責任者へ就任するダリ・ラジッチ氏は、法人向けソフトウェア企業で営業・顧客部門を率いてきた。
直近では、Googleが320億ドル(約5兆880億円)で買収したサイバーセキュリティ企業Wizの社長兼COOを務めた。それ以前にはZscalerの社長兼COO、AppDynamicsの最高顧客・レベニュー責任者を歴任している。
OpenAIのグレッグ・ブロックマン社長兼共同創業者は、ラジッチ氏の起用について「AIがあらゆるワークフローに組み込まれる、コンピュート主導の経済へ移行している。ダリは、私たちが学んだことを再現可能な実行体制へ変えていく」と述べた。
OpenAIによると、ラジッチ氏は同社のグローバルな収益組織を率いる。ドレッサー氏が構築した企業向け事業の基盤を引き継ぎ、世界規模で営業体制を拡大する役割を担う。
■IPOの時期は未定
OpenAIは2026年6月8日、米証券取引委員会(SEC)へIPOに向けた非公開のS-1登録届出書を提出したと発表した。
非公開提出は、財務情報などを一般公開する前にSECの審査を受けるための手続きである。ただし、OpenAIは上場時期を決定しておらず、「しばらく時間がかかる可能性がある」と説明している。S-1の提出は、近く上場することを確約するものではない。
同社は2026年3月31日、1,220億ドル(約19兆3,980億円)の資金調達を、資金調達後評価額8,520億ドル(約135兆4,680億円)で完了したと発表した。この時点の月間売上高は20億ドルだった。
今回示された400億ドルの年換算売上高ランレートは、その後も事業が急拡大したことを表している。一方、売上規模だけでなく、計算資源への支出や収益性、幹部交代後の経営体制も、将来の投資家が注視する要素となる。
■年換算売上高400億ドルと収益性
年換算売上高ランレートは、直近の事業ペースが1年間続いたと仮定して算出する指標である。今回の400億ドルは、2026年7月前後の売上規模を年換算したもので、2026年通期に実際に計上される売上高を示す数字ではない。
報道で明らかになった監査済み財務資料によると、OpenAIの2025年の売上高は130億7,000万ドル(約2兆780億円)、営業損失は209億2,000万ドル(約3兆3,260億円)だった。最終的なOpenAI帰属の純損失は385億3,000万ドルで、組織再編に伴う非現金の会計処理も影響したと報じられている。
また、2025年にOpenAIからMicrosoftへ支払われた費用は約172億ドル(約2兆7,350億円)とされる。この金額には、モデルの学習やサービス提供に使われる計算基盤などに関する費用が含まれる。
したがって、400億ドルというランレートは売上の急増を示す一方、利益やキャッシュフローの黒字化を意味するものではない。法人向け契約の拡大とモデル提供コストの抑制を両立できるかが、事業の持続性を左右する。
■Anthropicも第2四半期に急成長
OpenAIと競合するAnthropicについても、2026年第2四半期の暫定売上高が115億ドル(約1兆8,290億円)を超えたと報じられた。
Bloombergが確認し、CNBCが報じた投資家向け資料によると、前年同期の売上高は7億8,700万ドル、2026年第1四半期は47億3,000万ドルだった。第2四半期の売上高は前年同期の14倍以上となり、前四半期比でも2倍を超えた。
Anthropicは同四半期に、調整後営業利益がプラスになったとも報じられている。ただし、数値は暫定値で、変更される可能性がある。GAAPに基づく純利益の黒字化を示すものでもない。
Anthropicは、ソフトウェア開発支援ツール「Claude Code」などを通じて法人利用を拡大している。OpenAIもCodexやChatGPT Workを法人向け成長の柱に位置付けており、両社の競争はモデル性能だけでなく、導入コスト、開発支援機能、企業向け運用体制へ広がっている。
元記事: OpenAI Enterprise Revenue Tops Consumer for First Time: $40 Billion ARR Two Quarters Early
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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