関連記事
加賀電子、新光商事へのTOB発表で事業基盤強化へ、売上高1兆円企業へ成長戦略が本格化
加賀電子<8154>(東証プライム)は独立系の大手エレクトロニクス総合商社である。半導体・電子部品等の商社ビジネス、および電装基板製造受託サービスのEMSビジネスを主力に、成長戦略として収益力強化、経営基盤強化、新規事業創出、SDGs経営を推進している。5月15日に新光商事<8141>に対するTOBを発表した。完全子会社化予定で新光商事は賛同意見を表明した。27年3月期は前期の電子部品事業におけるスポット売上の反動などにより減収、小幅営業増益、小幅経常減益、前期計上ののれん発生益の剥落により最終減益予想としている。ただし保守的であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は最高値更新の展開だ。指標面の割安感も評価材料であり。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■独立系の大手エレクトロニクス総合商社
独立系の大手エレクトロニクス総合商社である。M&Aも積極活用し、半導体・電子部品等の商社ビジネス、および電装基板製造受託サービスのEMSビジネスを主力としている。25年7月には協栄産業を子会社化、26年3月にはサンワテクノス<8137>の株式7.25%を取得した。またグループ再編により26年4月1日付で連結子会社の加賀デバイスが同じく連結子会社のエクセルを吸収合併した。さらに5月15日付で新光商事<8141>に対するTOBを発表した。完全子会社化予定で新光商事は賛同意見を表明した。
26年3月期のセグメント別業績は、電子部品事業の売上高が5688億34百万円でセグメント利益(連結調整前営業利益)が193億04百万円、情報機器事業の売上高が541億82百万円で利益が44億44百万円、ソフトウェア事業の売上高が33億07百万円で利益が3億65百万円、その他事業(エレクトロニクス機器修理・サポート、アミューズメント機器製造・販売、スポーツ用品販売など)の売上高が326億17百万円で利益が34億87百万円だった。会社別には加賀電子の売上高が3486億93百万円で営業利益(連結調整前)が217億40百万円、加賀FEIの売上高が2422億41百万円で営業利益が33億46百万円、エクセルの売上高が276億46百万円で営業利益が15億17百万円、協栄産業(26年3月期第2四半期から新規連結)の売上高が403憶60百万円で営業利益が11億28百万円だった。
中期経営計画に沿ったセグメント区分は電子部品事業、EMS事業、CSI事業(情報機器事業)、その他事業(ソフトウェア事業、その他)としている。26年3月期は電子部品の売上高が4255億32百万円でセグメント利益(連結調整前営業利益)が125億42百万円、EMSの売上高が1548億76百万円で利益が79億41百万円、CSIの売上高が541億82百万円で利益が44億44百万円、その他の売上高が243億49百万円で利益が27億71百万円だった。
■売上高1兆円企業を見据えた中期経営計画2027
24年11月策定の中期経営計画2027(26年3月期~28年3月期)では重点施策として更なる収益力の強化、経営基盤の高度化、SDGs経営の推進を掲げ、売上高1兆円企業を見据えた最終年度28年3月期の目標値を、新規事業やM&Aを含めて売上高8000億円以上、営業利益360億円以上としている。オーガニック成長による目標は売上高7000億円以上、営業利益350億円以上、資本効率性の指標はROE12.0%以上(株主資本コスト10%前後)としている。オーガニック成長による収益目標のセグメント別内訳は、電子部品事業が売上高4000億円で営業利益165億円、EMS事業が売上高2300億円で営業利益135億円、CSI事業が売上高550億円で営業利益40億円、その他事業が売上高150億円で営業利益10億円としている。
事業戦略としては、商社ビジネスの拡大を高付加価値のEMSビジネスにつなげ、収益性の向上を推進する。また創業60周年を迎える29年3月期での売上高1兆円達成に向けて、M&Aの活用により当中期経営計画期間中に1000億円超の新たな事業収益の獲得を目指す。さらにエネルギー、インフラ、交通、環境を重点テーマとして新規事業を探索する。
25年3月には子会社のデジタル・メディア・ラボが、世界最大級のゲームアウトソーシングおよびゲーム開発スタジオであるWinking Studios(本社:シンガポール)と、CG制作全般の受託業務拡大を図ることを目的とした戦略的パートナーシップ契約を締結した。25年10月には、GXを実現する革新的な冷却技術として注目される液浸冷却技術の普及と標準化を推進する一般社団法人日本液浸コンソーシアム(25年6月設立)へ賛助法人会員として参画した。25年11月にはタイの子会社において新工場を建設すると発表した。また子会社の協栄産業がArentと建築積算・見積分野におけるAI活用で業務提携した。25年12月にはグループ会社のアクセスゲームズが、Valve社が運営する世界最大級のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて、自社開発の新作ゲーム「それゆけ!ポプタープルミーズ」をリリースした。
25年12月には、障がい児向け通所支援事業(児童発達支援/放課後デイサービス)および就労支援事業を提供するシーアイ・パートナーズに出資した。また東芝テックと小売業界向け製品の開発・製造に関する協業に向けた基本合意書を締結した。
株主還元については連結配当性向の目安を30~40%に引き上げ、中長期的な利益成長を通じた配当成長に努める。普通配当については安定的かつ継続的な配当の目安をDOE4.0%とし、さらに利益水準や資本効率性に応じた追加施策として、特別配当や自己株式取得を機動的に実施する。
SDGs経営についてはサステナビリティ中長期経営計画(21年11月公表)に基づいて、持続可能な社会の実現に積極的な役割を果たすとともに、企業価値の持続的成長に取り組むとしている。25年2月にはCDP「気候変動レポート2024」において「B」スコアを獲得した。26年3月には経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定を受けた。4年連続の認定となる。
■27年3月期小幅営業増益予想だが保守的
27年3月期の連結業績予想は売上高が前期比2.1%減の6450億円、営業利益が2.4%増の285億円、経常利益が6.5%減の280億円、親会社株主帰属当期純利益が35.7%減の200億円としている。配当予想は前期と同額の140円(第2四半期末70円、期末70円)としている。予想配当性向は33.4%となる。
セグメント別の計画は、電子部品事業の売上高が3.3%減の5500億円でセグメント利益(連結調整前営業利益)が3.6%増の200億円、情報機器事業の売上高が6.1%増の575億円で利益が12.5%増の50億円、ソフトウェア事業の売上高が5.8%増の35億円で利益が36.7%増の5億円、その他事業の売上高が4.2%増の340億円で利益が14.0%減の30億円としている。
27年3月期は、前期の電子部品事業におけるスポット売上(411億円)の反動などにより減収、小幅営業増益、小幅経常減益、前期計上ののれん発生益の剥落により最終減益予想としている。営業利益7億円増益の要因分析(計画)は、前期のスポット売上剥落で22億円減益、販売数量・販売ミックス効果で28億円増益、販管費は前年並みとしている。ただし保守的であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は最高値更新
株価は最高値更新の展開だ。指標面の割安感も評価材料であり。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月29日の終値は4425円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS419円65銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の140円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3850円35銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約2323億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
【関連記事・情報】
・【株式市場特集】IPO株にリベンジ相場の兆し、66社の希少性が投資家心理を刺激(2025/12/22)
・【株式市場特集】円高メリット株に再注目、出遅れ紙・パ株に掉尾の一振(2025/12/15)
・【株式市場特集】金先物高騰で「ジパング」再生、産金・都市鉱山・リユース株に年末ラリーの主役(2025/12/8)
・京都ヒューマノイドアソシエーションに3社が新規参画、純国産ヒューマノイドロボット開発の体制を強化(2025/12/3)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
