米株安を映して利食い優勢も半導体株への物色意欲強い【クロージング】

2024年2月14日 15:54

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記事提供元:フィスコ

*15:54JST 米株安を映して利食い優勢も半導体株への物色意欲強い【クロージング】
14日の日経平均は4営業日ぶりに反落。260.65円安の37703.32円(出来高概算19億株)で取引を終えた。前日に今年最大の上げ幅を記録した反動や、前日の米国市場で主要株価指数が下落したながれにより、先駆した銘柄を中心に利益確定の売りが先行して始まった。日経平均は前場中盤にかけて37825.85円まで下げ幅を縮めたが、その後は37700円を挟んだこう着。後場中盤にかけて37594.47円まで水準を切り下げたが、年初からの上昇ピッチが速かっただけに、買い遅れている向きも多く、下値では押し目を拾う動きもみられ、売り一巡後は下げ渋っていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1300を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、海運、その他製品など5業種が上昇。一方、パルプ紙、鉄鋼、不動産、保険、電気ガスなど28業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、レーザーテック<6920>、スクリン<7735>、第一三共<4568>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>が軟調だった。

前日の米国市場では、1月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、米国の早期利下げ観測が後退。米長期金利が4.3%台へと上昇したため、金利動向に敏感なグロース株中心に下落した。この流れを受けて値がさハイテク株中心に売りが先行して始まった。また、アーム・ホールディングスが20%近く下落したことから、ソフトバンクGの利食いに向かわせた。ただ、売り一巡後はアドバンテスなど半導体関連株には、買い遅れている向きからの買いに切り返しており、全般にも好影響を与えた。

日経平均は前日に節目の38000円を回復したこともあり、当然の一服だろう。また、下げの過程で心理的な節目の37500円での底堅さが意識されており、押し目買い意欲は強いと感じる投資家もおり、相場の地合いは強いと言えよう。東京市場の中長期的な上昇トレンドに変化はないとの見方は不変で、上値余地は依然として大きいとの見方も出ている。目先は短期的な過熱感を冷ましながら、押し目を入れるタイミングを計りたいところだ。《CS》

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