トレジャー・ファクトリーは24年2月期1Q大幅増収増益、2Q累計業績と中間配当予想を上方修正

2023年7月13日 11:12

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は7月12日の取引時間終了後に24年2月期第1四半期連結業績を発表した。既存店売上が好調に推移して大幅増収増益だった。そして第2四半期累計の業績予想および中間配当予想を上方修正した。6月の既存店売上も108.6%(21年9月から22カ月連続前年比プラス)と好調であることを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は4月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年2月期1Q大幅増収増益、2Q累計業績と中間配当予想を上方修正

 24年2月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比22.7%増の82億59百万円、営業利益が34.8%増の10億32百万円、経常利益が32.6%増の10億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.6%増の6億73百万円だった。なおEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は34.4%増の11億33百万円だった。

 大幅増収増益で過去最高だった。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、グループ会社の利益貢献なども寄与した。営業利益+2億66百万円の増減分析は、単体既存店と前期出店店舗の増益で+3億19百万円、新店で▲53百万円、その他で▲1億09百万円、グループ会社の利益貢献で+1億09百万円だった。

 連結ベースの新規出店は、年間25店舗前後の計画に対して、グループ合計6店舗(海外1店舗およびFC1店舗を含む)を出店した。23年7月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は250店舗となった。

 単体ベースの既存店売上高は111.7%、販売件数は106.0%、1件あたり販売単価は105.4%だった。売上総利益率は66.5%で0.8ポイント低下した。ブランド品やホビーアイテムのトレカなど原価率の高い高単価商材の販売が好調だった。また前年は新品家電の供給が細り、中古家電の売値や利益率が高くなっていたが、当期は通常の売値・利益率に戻ったことも影響した。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計予想を上方修正し、売上高が前年同期比22.6%増の157億29百万円、営業利益が38.4%増の13億87百万円、経常利益が35.5%増の13億98百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が36.6%増の9億09百万円とした。期初予想に対して売上高を9億20百万円、営業利益を1億81百万円、経常利益を1億83百万円、親会社株主帰属四半期純利益を1億19百万円、それぞれ上回る見込みとした。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年2月期比11.9%増の315億60百万円、営業利益が11.4%増の28億57百万円、経常利益が9.6%増の28億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.2%増の18億68百万円としている。配当予想については中間配当を2円上方修正し、年間23円(第2四半期末12円、期末11円)としている。23年3月1日付の株式2分割遡及修正後で、23年3月期(18円50銭)比4円50銭増配となる。予想配当性向は28.5%となる。

 通期の新規出店(連結ベース)は25店舗前後としている。既存店売上(単体ベース)については、期初時点では第1四半期を前年比107%、第2四半期以降を前年並みの想定としていたが、第2四半期の見通しを前年比107%に修正した。売上総利益率については、期初時点では通期で前年並みの想定としていたが、第1四半期の実績を鑑みて第2四半期の見通しを前年比0.6ポイント低下に修正した。その他のコスト面では人件費の増加(単体ベース23年4月新卒入社115名、前期に続いて従業員給与ベースアップ実施)や電気代の増加などを見込んでいる。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.2%、営業利益36.1%、経常利益36.3%、親会社株主帰属当期純利益36.0%である。引越シーズンで単価の高い生活家電や家具の構成比が高まる第1四半期(3月~5月)の利益率が高くなり、単価の低い夏物衣料が主力となる第2四半期(6月~8月)の利益率が低くなる季節特性があることを考慮しても、進捗率は順調である。さらに、6月の既存店売上も108.6%(21年9月から22カ月連続前年比プラス)と好調であることを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価(23年3月1日付で株式2分割)は4月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月12日の終値は1830円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円74銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS291円34銭で算出)は約6.3倍、そして時価総額は約446億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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