10日の中国本土市場概況:上海総合1.2%安で続落、国有企業株に売り

2023年5月10日 16:48

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記事提供元:フィスコ

*16:48JST 10日の中国本土市場概況:上海総合1.2%安で続落、国有企業株に売り
10日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比38.52ポイント(1.15%)安の3319.15ポイントと続落した。


前日の軟調地合いを継ぐ流れ。中国景気の持ち直しには時間を要するとの見方が広がっている。中国輸入の低迷などを受け、内需の弱さが指摘された。また、米中のインフレ指標発表を前に、様子見ムードも漂っている。国有企業株のバリュエーション見直しの動きで、このところ上昇が目立っていた現地で「中字頭」(社名が「中国」で始まり、政府系企業を親会社に持つ)と呼ばれる銘柄群に売りが先行した。(亜州リサーチ編集部)


金融株が下げを主導する。中国農業銀行(601288/SH)が5.7%安、中国銀行(601988/SH)が5.5%安、中国工商銀行(601398/SH)が4.6%安、中国平安保険(601318/SH)が2.2%安、中国人寿保険(601628/SH)が1.3%安で引けた。


石油株も安い。中国石油化工(600028/SH)が5.0%、中国石油天然気(601857/SH)が4.0%、中国海洋石油(600938/SH)が2.9%ずつ下落した。医薬品株、ハイテク株、運輸株、不動産株なども売られている。


半面、自動車株はしっかり。長城汽車(601633/SH)が6.8%高、安徽江淮汽車集団(600418/SH)が5.2%高、北汽福田汽車(600166/SH)が4.2%高、広州汽車集団(601238/SH)が3.2%高と値を上げた。ガソリン車メーカーにとっては、自動車排ガス規制の警戒感がやや薄れたことも好感されている。関係当局は9日、排ガス規制をさらに厳格化する「国6b」基準に関し、当初予定通り7月1日から適用すると正式発表。そのうえで、実際に路上を走行して排ガス評価するRDE(Real Driving Emissions)試験も新たに義務付けたが、「国6b」を満たす既存自動車の場合、RDE試験で基準達成できなくても半年間の猶予期間を与えると通知した。そのほか、電力設備株、素材株の一角も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.60ポイント(0.21%)高の292.52ポイント、深センB株指数が6.40ポイント(0.54%)高の1194.64ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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