トレジャー・ファクトリーは24年2月期増収増益・連続増配予想、自己株式取得も発表

2023年4月13日 11:34

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は4月12日の取引時間終了後に23年2月期連結業績を発表した。リユース意識の高まりや外出需要の回復などで既存店売上が好調に推移し、新規出店や売上総利益率向上も寄与して前回予想を上回る大幅増収増益で着地した。過去最高業績だった。そして24年2月期も増収増益で連続増配予想としている。中期経営計画(ローリング)でも24年2月期および25年2月期の計画を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。さらに自己株式取得も発表した。株価は利益確定売りが優勢になる場面があったが、素早く切り返して2月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年2月期大幅増益着地、24年2月期増収増益・連続増配予想

 23年2月期連結業績は売上高が22年2月期比21.0%増の282億12百万円、営業利益が2.6倍の25億65百万円、経常利益が2.5倍の26億22百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.4倍の17億10百万円だった。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は2.2倍の29億17百万円だった。配当(2月10日付で期末5円上方修正)は22年2月期比20円増配の37円(第2四半期末12円、期末25円)とした。配当性向は24.2%となる。

 前回予想(1月12日付で3回目の上方修正、売上高276億67百万円、営業利益23億76百万円、経常利益24億22百万円、親会社株主帰属当期純利益15億08百万円)を上回る大幅増収増益で着地した。過去最高業績だった。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、新規出店、売上総利益率向上、グループ会社の利益貢献なども寄与した。

 連結ベースで見ると、新規出店は年間20~25店舗の計画に対して、グループ合計で過去最多となる20店舗(海外1店舗およびFC1店舗を含む)を出店した。なお23年4月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は244店舗となっている。仕入高(買取)は多様なチャネルを生かして26.1%増加と順調だった。差引売上総利益率は61.7%で0.7ポイント上昇した。

 単体ベースで見ると、既存店の売上高は110.5%、販売件数は107.7%、1件あたり販売単価は102.7%だった。売上総利益率は65.8%で1.0ポイント上昇した。販売件数、販売単価ともに上昇し、値下げや廃棄の抑制なども寄与した。仕入高は22.6%増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が67億33百万円で営業利益が7億66百万円、第2四半期は売上高が60億91百万円で営業利益が2億36百万円、第3四半期は売上高が75億63百万円で営業利益が8億99百万円、第4四半期は売上高が78億24百万円で営業利益が6億64百万円だった。なお新入学・入社に伴う引越シーズンにあたる第1四半期(3月~5月)の利益率が高く、第2四半期(6月~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 24年2月期の連結業績予想は、売上高が23年2月期比11.9%増の315億60百万円、営業利益が11.4%増の28億57百万円、経常利益が9.6%増の28億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.2%増の18億68百万円としている。配当予想は21円(第2四半期末10円、期末11円)としている。23年3月1日付の株式2分割遡及修正後で23年3月期(18円50銭)比2円50銭増配となる。連続増配予想で予想配当性向は26.0%となる。

 新規出店(連結ベース)は25店舗前後、既存店売上(単体ベース)は第1四半期が海外客の本格回復で免税売上増加が見込まれるため前年比107.0%、第2四半期以降は不透明感を考慮して前年並み、売上総利益率は通期を通じて前年並みの前提としている。コスト面では人件費の増加(単体ベース23年4月新卒入社115名、前期に続いて従業員給与ベースアップ実施)や、電気代の増加などを見込んでいる。

 なお中期経営計画(ローリング方式、24年2月期~26年2月期)では、前回計画に比べて24年2月期および25年2月期の計画を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 4月12日付で自己株式取得を発表した。上限20万株・2億円で取得期間は23年4月13日~23年4月20日としている。

 株価(23年3月1日付で株式2分割)は利益確定売りが優勢になる場面があったが、素早く切り返して2月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。4月12日の終値は1343円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円62銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の21円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS291円34銭で算出)は約4.6倍、そして時価総額は約327億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【株式市場特集】業績上方修正のバリュー株に注目、最右翼は電炉株・大手商社株(2023/02/06)
【株式市場特集】再利用(リユース)、再資源化(リサイクル)、ごみ減量化(リデュース)の「3R」関連株(2023/01/30)
【株式市場特集】円高メリット株のうちSPA(アパレル製造小売業)、SPF(家具製造小売業)、SPS(靴製造小売業)などの製造小売株に注目(2023/01/23)
【株式市場特集】新型コロナと季節性インフルエンザの同時検査の抗原検査キット関連株が突破口(2023/01/16)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事