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好配当性向企業:タカミヤが50年の殻を破って仕掛ける、Iqシステムとは
従来の足場と『Iqシステム』の違い(画像: タカミヤの発表資料より)[写真拡大]
タカミヤ(東証プライム)。建設現場の仮設機材の販売・レンタルで首位級。建設中の建屋や修理中の不動産作業をするために、足場など仮設機材に取り囲まれている様子をしばしば見かける。設計・組立・メンテナンス・撤収も手掛ける。
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タカミヤを調べていく中で、幾つかの事実に「へぇ~」と驚かされた。
1つは、その足場のサイズ。タカミヤはいま、「足場のIq化(次世代足場)」に注力している。過去50年間、足場の階高は170cmが相場だった。それなりの理由はあったようだ。
文部科学省によると、戦後間もない1948年の17歳男子の平均身長は、160.6cm。1994年には170.9cmまで伸びたが、以降はほぼ横ばいで2021年の平均身長は170.8cm。足場の階高:170cmでOKの根拠となってきた。だが斯界のトップ企業のタカミヤは、現場の声に着目した。
「足場に体を置く場合は、ヘルメットをかぶる。底厚の安全靴を履く。現実問題として、172cmの作業員では首を傾げなくては足場に立てない」。これを受け階高190cmの足場を次世代足場として標準化する、積極姿勢を前面に打ち出している。
1つは、配当に対する姿勢。2005年の上場後、一貫して「有配当」を継続している。今3月期予想を含め、過去3年間の配当額は14円。目を見張らされるのは、配当性向だ。76.0%-67.5%-45.0%といった状況にある。
1つは、新規展開。アグリ(農業)事業に進出している。いわゆる「農業ハウス」の建設。「これからの事業」としながらもタカミヤでは、自信のほどをこう語る。
「仮設機材で培ってきた経験、技術を十二分に活かす。例えば風害・雪害など各種の自然災害に対する構造計画や品質試験のノウハウは持ち合わしている。また培ってきた金属加工技術を駆使することで、強度を高めつつコストの削減が図れる。全国に仮設施行で協力関係にある工事会社とのパイプも強みだ。万が一ハウスに不都合が生じた時、スピード施行が可能だ」。
そんなタカミヤの収益動向だが「常に安定配当を」としたが、業態からして経済の停滞・低迷の影響は受ける。2021年3月期は「15.7%減収、57.2%営業減益、63.8%最終減益」。だが22年3月期は「2.5%増収、6%営業増益、12.6%最終増益」と持ち直しペースを示し、今3月期は「13.1%の増収(450億円)、36.7%の営業増益(23億円)、50.2%の最終増益(14億5000万円)」計画。
決算資料にも「今後の見通し」として「Iqシリーズの需要増」と明記されている。農業ハウスでは「埼玉県の実証農場ハウスの動向を見守りたい」と発信している。
本稿作成中の時価は380円水準。予想税引き後配当利回りは3%弱。配当取りに軸足を置き、昨年来高値467円がまず視野か。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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