「give me」はNG? 英語で人にものを頼む時の丁寧な言い方

2022年12月5日 07:35

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 日本語と比べて直接的な印象のある英語だが、英語スピーカーがすべてダイレクトに自己主張するわけではない。国や地域によっても違いはあるが、少なくともイギリスでは間接的な表現が好まれる。

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 人にものを尋ねる時や依頼する時も同様で、「give me」や「I want」などの直接的な表現は使用しないのが一般的だ。そこで、間接的な表現を使った丁寧な言い方の例をいくつか紹介しよう。

■客としてお願いする時

 あなたが客として店で何か注文する場合でも、「give me」や「I want」などの直接的な表現は使用すべきではない。使用すると失礼に聞こえるだろう。人に何かを依頼する時は、自分が何が欲しいか、何をしたいかを主張するのではなく、それが可能なのかどうかを尋ねる姿勢を忘れないようにしたい。

 たとえばパブに行き、ビールを注文するとしても、「Give me a beer」や「I want a beer」と言うべきではない。そうではなく、「Can I have a beer?」のように、「ビールをいただくことは可能ですか?」と尋ねる姿勢が大切なのだ。より丁寧に依頼するなら、「Could I have…?」や「Could you give me…?」のように仮定的な表現を使うとよいだろう。

 レストランで水を頼む時や、別のナイフをお願いする時は、「Could I have some water please?」や「Could you give me another knife please?」と、「could」で始め最後に「please」をつけるととても丁寧に聞こえる。

■親しい間柄の例

 直接的な表現を避けるのは、家族や友人など親しい間柄でも同様だ。家族と食事中に塩を取ってほしい場合を考えよう。この時、子どもが親に「Give me the salt」と言おうものなら口の聞き方を注意されるだろう。

 ものを頼む時は「can」や「could」で始めるのが基本だが、この場合、「give」という直接的な表現もはばかられる。「give」ではなく「pass」が適切だ。

 親しい間柄では「could」だと少々丁寧すぎることもあるが、その場合は文末に「will you?」や「would you?」をつける表現を覚えておこう。「Could you pass me the salt?」でももちろんよいが、「Pass me the salt, will you?」とすると、フランクな形だがふつうの命令形よりずっと丁寧に聞こえる。

 「~, will you?」と付加疑問文にすることで、前半が「Will you pass me…?」と依頼文を省略した形になるからだ。「will you?」より「would you?」の方がさらに丁寧になる。「Would you pass me the salt, please?」ではフォーマルすぎる時は、命令形の最後に「will you?」や「would you?」をつけてみよう。

 たとえお金をくれなどと言う時でも、「Give me a pound, will you?」と言えば、命令形の「Give me」よりも柔らかく聞こえるものだ。とはいえ、もちろんこれらは親しい間柄の例なので、フォーマルな場面では「Will you…?」や「Would you…?」とフルセンテンスで話すのが基本である。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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