【編集長の視点】泉州電業は連続最高純益更新を手掛かりに株式分割の権利取りが交錯

2022年10月14日 09:23

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」へ

 泉州電業<9824>(東証プライム)は、前日12日に60円安の5390円と変わらずを含めて3営業日続落して引けた。日経平均株価が、小幅ながら3営業日続落したことから、10月相場に入って5720円高値まで550円高していた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ前場取引時間中には5510円と買われる場面もあり、同社が、今年10月1日を基準日に予定している株式分割の分割権利取りの買い物も交錯した。今2022年10月期の純利益が、今年6月の2回目の上方修正で大幅に過去最高を連続更新し、配当も連続増配幅の拡大が予定されていることもサポート材料視されている。

■分割、連続増配、2回の今期業績上方修正とトリプル好材料

 株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ投資しやすい環境を整えるとともに、同社株式の流動性を高め投資家層の拡大を図ることを目的にして実施する。10月31日を基準日に1株を2株に分割する。

 一方、今2022年10月期業績は、今年3月、6月と2回上方修正され、6月には3月増額値より売り上げを80億円、営業利益、経常利益を各11億円、純利益を7億円引き上げ、売り上げ1080億円(前期比16.8%増)、営業利益64億円(同34.9%増)、経常利益67億円(同33.9%増)、純利益46億円(同28.4%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(35億8300万円)を大幅に連続更新する。電線専門商社として半導体製造設備向けの需要が拡大し、自動車・工作機械向けの需要が回復、銅価格上昇に伴い建設・電販向けの売り上げが増加したことなどが要因となった。

 なおその後今年9月2日に発表した今期第3四半期(2011年11月~2022年7月期)業績は、前年同期比25.5%増収、62.3%営業増益、59.7%経常増益、50.4%純益増益で着地し、再上方修正された今期通期業績に対する利益進捗率は81%~83%と目安の75%を上回っており、通期業績の上ぶれ着地も期待される。今期配当は、期初予想の100円を120円(前期実績90円)に引き上げ、連続増配幅の拡大を予定し、トリプル好材料となる。

■PER10倍、PBR1.1倍の割安修正も加わり「半値戻しは全値戻し」

 株価は、前期業績の3回目の上方修正で年初1月に上場来高値6700円まで買われ、今年3月の今期業績の上方修正でも6650円と戻り高値をつけたが、その後の自己株式取得、2回目の業績上方修正では材料出尽くし感を強め全般相場の下落とともに年初来安値4685円まで調整した。同安値からは今期第3四半期の好決算を評価して5900円高値まで戻し、その後の5100円台のダブルボトムから株式分割に反応して5720円までリバウンド、最高値から年初来安値までの調整幅の半値戻しを達成した。足元では、全般相場の波乱展開とともに半値戻し水準固めが続いているが、PERは10.4倍、PBRは1.15倍と割安であり、分割・配当の権利取りも加わり相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」に進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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