親孝行子会社:旧ニフティの上場は、ノジマの3位奪取の起爆剤となるか!?

2022年9月30日 08:22

印刷

 ノジマ(東証プライム)。家電量販店大手の一角。「フッ」とノジマを書こうと思い立ったのは、昨夜の夢に出てきた2人の御仁を目覚めてもなお鮮明に覚えていたからだ。

【こちらも】家電のノジマ、有料衛星放送のAXNとAXNミステリーを買収

 1人は、こと野球に関しては「大」の字がつく「通」な知人の女史。プロ野球では横浜DeNAベイスターズが御贔屓。「今年はクライマックスシリーズに残って見せる」と三浦監督に代わって?ご託宣。ベイスターズとノジマ(地盤:神奈川県)は公式スポンサーポンサー契約を結んでいる。

 もう1人は、村上龍氏。1976年に『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞している作家。大ファン。村上氏が編集長を務めるテレビ東京の『村上龍×経済人』(昨年2月18日放映)で、恥ずかしながらノジマ(野島廣司社長)を初めて知った。たまたま見合わせたのだが、村上氏の「量を追いかけない、納得して買ってくれる客にいいものを売るのがノジマの原点。そんな物語を持つ電器屋は他にない」という編集後記が、妙に頭に残っていた。

 ノジマを、調べた。前身の創業は1959年。今年で63歳。私より10歳若いが、その順調な歩みは売上高の推移に見て取れる。1989年に年商100億円を超えると2000年の800億円まで歩幅を広めて着実に歩み、以降06年:1000億円/11年2000億円に拡大し前3月期は5650億円(過去最高)。

 前期決算を覗き、ノジマの今を確認した。

【デジタル家電専門店運営事業】: 新宿・池袋など駅前好立地の積極出店(計17)効果(今期も20店計画)。大型高機能冷蔵庫・洗濯機・調理家電・理美容家電の堅調。結果、2.2%増収/0.4%営業増益。一見「食い足りなさ」を感じるが、前期からノジマも上場企業で採用が進む「収益認識に関する会計基準」を適用。新基準上、従来比で売上高は198億9000万円方剥落している。

【キャリアショップ運営事業】: 増収も31%近い経常減益。主軸商品:携帯電話に関し、「どの店でもドコモもauも」に一線を画す方向に舵を切った。関連2社を分社化。ドコモ事業とau事業の仕切りを引いた。携帯各社の「実質値引き競争」に備えた試みだが、今後の動向が気になるところではある。

【インターネット事業】: 2017年に完全子会社化したニフティ(ライフスタイル)を軸に展開してきた、比較検索ポータルサイト(不動産・温泉・求人etc)事業。47.2%増収、54.7%経常増益。ニフティライフスタイルは昨年12月、東証グロース市場に上場を果たした。

 今期の収益計画は「堅調⇔着実増」。今年6月には自社株16万5200株を、総額約4億8043万円を投じ市場から買い上げている。株主還元策でも積極姿勢を見せている。「業界5-6位」とされる立ち位置から、冒頭の女史が切望するように横浜DeNAベイスターズ同様3位に辿り着くことが出来るのか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事