セイコーマート、食用コオロギ使ったプロテインバー販売へ 北海道内で

2022年8月17日 06:27

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22日から発売される食用コオロギを使ったプロテインバー(グリラス発表資料より)

22日から発売される食用コオロギを使ったプロテインバー(グリラス発表資料より)[写真拡大]

 北海道が拠点のコンビニエンスストア・セイコーマートは、食用コオロギを使ったプロテインバーを8月22日に道内で発売する。徳島大学発のベンチャー企業グリラスが開発した商品で、昆虫食が将来の世界的な食料不足懸念から注目を集めているだけに、話題を呼びそうだ。

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 販売する店舗は、札幌市の時計台前店、倶知安町のニセコひらふ店、香深村の香深店、上富良野町の上富良野駐屯地店など32店舗。プロテインバーは食品ロス由来のえさを100%使って育てた食用コオロギのパウダーを配合、タンパク質とビタミン類、ミネラル類など不足しがちな栄養素を同時に摂取できるようにしている。

 食用コオロギを使ったプロテインバーは6月から東京都内のファミリーマート系列13店で販売を始め、好評を博している。これを全国展開する一環で、北海道で圧倒的な人気を誇るセイコーマートに目をつけた。

 国連の報告書によると、アフリカなど途上国の人口爆発により、今後30年で世界人口は77億人から97億人に増えると予想されている。その結果、食料危機の発生が危惧され、2025年ごろから動物性タンパク質の不足が顕著になるとして、国連食糧農業機関は昆虫食を推奨している。

 昆虫は牛やブタなどの家畜に比べてえさや水の量が少なくて済み、資源の有効活用ができるうえ、温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の軽減が期待できる。

 その一方で、食品ロスは世界で年間約9億トンに上り、生産される食品の3分の1を占めている。このため、グリラスは徳島県美馬市の飼育場で食品ロス由来のえさを使って食用コオロギを生産、食品ロスを新たなタンパク質へ循環させる「サーキュラー・フード」と位置づけて販売を始めている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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