会員医師15万人超向け「集合知のプラットフォーム」展開:メドピアの新たな一策

2022年5月27日 06:46

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スギサポwalkの画面イメージ。(画像: メドピアの発表資料より)

スギサポwalkの画面イメージ。(画像: メドピアの発表資料より)[写真拡大]

 メドピア(東証プライム)はいまなお医療の最前線に立つ現役の医師にして、巧みな経営者の代表取締役社長CEO:石見陽氏により2014年に設立された。日本の医師の15万人以上が会員となり、医師向けコミュニティサービスを中心とした「集合知プラットフォーム事業」を展開している。

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 そこには全国の医師から、例えば「臨床情報」等々が紹介される。医師の知見・技術の向上は、患者にとっても最適。基本的な収入はサイト上の医薬品企業の広告とされるが、その成長ぶりは凄まじい。今2022年9月期計画を含む5期間の平均売上高増収率:47.18%、営業増益率119.64%。

 そんなメドピアから5月9日付けで、『アストラゼネカがCOPDの受診行動変容の検証に、歩数記録アプリ「スギサポwalk」を採用』と題するリリースが届いた。メドピアの連結子会社:Mediplatとスギ薬局が共同開発する歩数記録アプリ「スギサポwalk」が、アストラゼネカが展開する慢性閉塞性肺疾患(COPD)の受診行動変容の検証の一環として活用を開始したという内容。

 広報担当者の説明も含めると、こんな内容。

 このアプリは毎日歩くだけで「スギサポマイル」が貯まるサービス。昨年12月段階でダウンロード数は200万件を突破。ユーザーの心身の健康につながるクイズやアンケートに答えると更にマイルが獲得できる。

 メドピアでは得た情報(データ)を活用しユーザーの健康状態に応じた疾患啓発を可能にする「疾患啓発プラットフォーム」を創出するため、複数の製薬企業と協議を重ねてきた。今回のアストラゼネカの採用は、そうした展開・検討の結果。「スギサポwalk」の機能の活用でCOPDとの関係性が疑われる対象ユーザーや家族の受診行動を分析することで、疾患の早期発見・早期治療に向けた価値提供が可能になる。具体的な受診行動変容の検証は、以下の3つのステップを踏んで実施される。

(I)認知度調査: “ミッション機能(COPDに関するクイズやアンケート)”を活用して本人・家族の現在・過去における喫煙状況を抽出し、抽出されたユーザーにはCOPDの認知度調査を実施。

(II)疾患啓発ラリー: 疾患理解を深めるため、所定のウォーキングラリーを実施。実施後に「簡易セルフチェックサイト」「医療機関検索サイト」を案内。

(III)行動変容の確認:疾患啓発から一定期間後、再度“ミッション機能”を活用し参加者の行動変容をトレースし早期発見・早期治療の効果的な情報提供の機会を創出。

 メドピアは「医療」「患者」に即した企業だと、改めて痛感した。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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