いちよし経研が加賀電子のフェアバリューを6000円に引き上げ

2022年5月16日 14:38

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■半導体不足が続く中で「独立系商社としての真価を遺憾無く発揮」

 いちよし経済研究所が5月16日付の企業レポートで加賀電子<8154>(東証プライム)のフェアバリュー(妥当株価)を引き上げ、これまでの5500円から6000円に見直した(5月16日前引けの株価は3060円)。

 加賀電子が5月12日に発表した2022年3月期の決算は、売上高が2期ぶりに最高を更新し、営業・経常利益は3期連続、親会社株主に帰属する当期純利益は2期連続で最高を更新した。こうした決算内容を踏まえ、同研究所による業績予想などを上方修正。レポートでは、「サプライチェーン混乱などからデバイス需給の逼迫が続く中で、独立系商社としての真価が遺憾無く発揮されているが、単なる一過性現象とは言い切れない」とし、フェアバリューなどを見直した。

 レポートによると、「22.3期実績は、EMS(電子機器受託製造)事業が堅調で、子会社の加賀FEI(電子部品事業)も収益性を改善させた」とした。会社側の今期・23年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.9%増の5100億円、営業利益が同1.4%増の212億円などで微増益にとどまる見通しとしたが、レポートでは、売上高の予想を5200億円とし、営業利益の予想を220億円、などとした。

 為替の1円円安は年間0.5億円程度の営業増益要因になること、為替前提は116円/米ドルであること、当面はデバイス需給逼迫が続くと予想するため、スポット販売収益の圧縮は限定的に止まるとみられること、などから業績予想を上方修正し、車載機器を中心に堅調な拡大を予想するとした。

 加賀電子グループの特徴として、「創業時からの『便利屋』的なビジネス志向に裏打ちされた高い売上総利益率(22.3期12.2%)」「独立系商社としての自由闊達な社風が、混乱期における商機を増幅させ、買収子会社である加賀FEIの収益性改善にもつながったと考える」などとし、「これらを一過性現象と言い切ることはできないであろう」と評価した。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【どう見るこの株】アオイ電子は業績上方修正を見直し突っ込み買いも一考余地(2021/08/15)
【特集】9月末に株式分割の権利付き最終日を迎える銘柄に注目(2021/08/30)
【特集】残りの夏相場は秋相場に備えて「オータニさ~ん」関連株などの癒し系投資も一法(2021/08/23)
【どう見るこの株】安江工務店は21年12月期2Q累計順調で通期上振れの可能性(2021/08/12)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事