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オミクロン株、感染しても他の変異株への免疫はほとんど獲得できずか
サンプル数は 59 人と少ないが、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) オミクロン株 (BA.1)感染では他の変異株に対する免疫がほとんど獲得できず、ワクチン接種が必要になるというオーストリアの研究グループの研究成果が発表された(The New England Journal of Medicineの記事、Ars Technica の記事)。
研究ではオミクロン株感染前の免疫状態により、SARS-CoV-2 に感染したことがなくワクチン接種済み (15 人)・未接種 (18 人) と D614G 変異株・アルファ株・デルタ株のいずれかに感染したことがあるワクチン接種済み (11 人)・未接種 (15 人) の 4 グループに分け、最初に PCR 検査でオミクロン株陽性となってから 5 日 ~ 42 日後の血清サンプルを調査している。
その結果、ワクチン接種済みの人は過去の感染の有無にかかわらず、D614G・アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株に対する抗体価がオミクロン株に対する抗体価よりも高く、すべての変異株に対する免疫が認められたのに対し、未接種・未感染の人はオミクロン株以外の変異株に対する抗体価が低く、一部の人で一部の変異株に対する免疫が認められるのみだったという。過去に感染したことがある人の傾向はワクチン接種済みと似ているが、うち 3 人はオミクロン株以外に対する免疫が認められず、PCR 検査が誤検知だった可能性もある。
今回の研究はサンプル数の少なさなどもあり限定的な調査にとどまるが、オミクロン株がこれまでの変異株との交差反応性の低い免疫回避変異株であるという仮説を支持する結果であるとのことだ。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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