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ビジネス中国語学習者が知っておきたい、日本語と同じ漢字なのに意味が違う言葉10選
漢字は中国から1600年以上前に伝来し、その後も遣唐使や日宋・日明・日清交易の時代を経て日本に輸入され続けた。明治以降は、より早く欧米文化を受容した日本が逆に数多くの和製漢語を中国に輸出した。日本の中国語学習者は共通の文字を持つという点で、欧米などの学習者に比べて高いアドバンテージがある。
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しかし漢字を共有することが、時には大きな落とし穴になる。中国と日本で同じ漢字を使っているにも関わらず、意味が全く異なる場合があるからだ。漢字は、それぞれの国の社会環境や生活習慣に応じて、意味や使われ方が変化してきた。
特にビジネスで使われる中国語と日本語は、意味や使い方が異なる熟語が多い。ビジネス中国語・日本語は、超高速で変化するグローバル社会で生まれた新語を多く含む。外来語は、日本では音訳してカタカナで表すが、中国では意訳して漢字に置き換える。よって、今後も頻出ビジネス用語で意味が全く異なる言葉は増えるだろう。
今回は、特にビジネス中国語学習者が知っておきたい、日中で意味が異なる漢字・熟語について紹介したい。
1. 中国語の格式(gé shi)は、日本語でフォーマットの意。日本語の格式は中国語では形式(xíng shì)と言う。
2. 新聞(xīn wén)は、ニュースの意。日本語の新聞は中国語では报纸(bào zhǐ)と言う。
3. 出口(chū kǒu)は、日本語で輸出の意。日本語の出口は中国語で出口(chū kǒu)や門口(mén kǒu)と言う。中国語の入口(rù kǒu)は、日本語でも入口という意味だが、日本語の輸入は中国語では進口(jìn kǒu)と言う。ちなみに、輸出入は進出口(jìn chū kǒu)、出入口は出入口(chū rù kǒu) だ。
4. 輸入(shū rù)は入力の意。日本語の輸入は上記した通り進口(jìn kǒu)と言う。輸出(shū chū)はアウトプットの意。日本語の輸出は上記の通り出口(chū kǒu)と言う。
5. 前年(qián nián)は中国語では一昨年の意。日本語の前年は中国語で去年(qù nián)と言う。ちなみに明年(míng nián)は来年、后年(hòunián)は再来年という意味だ。
6. 左右(zuǒ yòu)は、数詞の後に置かれ「~ぐらい」、という程度を表す言葉としてよく使われる。方角を表す場合は左边(zuǒ bian)右边(yòu bian)などと言う。
7. 階段(jiē duàn)は中国語では段階という意味。日本語の階段は中国語で楼梯(lóu tī)だ。
8. 結構(jié gòu)は中国語では構造という意味。日本語の結構は、中国語で很好(hěn hǎo),不错(bù cuò)などと言う。
9. 結束(jié shù)は中国語で終わるという意味。日本語の結束は、团结(tuán jié)と言う。
10. 培養(péi yǎng)は育成するという意味。日本語の培養は、中国語で培育(péi yù)だ。
とりわけ、アウトプットの時には、日本語の熟語を中国語の発音に当てはめて、そのまま使ってしまうことが多いのではないだろうか。意味が全く異なる場合があるので、特にビジネスシーンなどでは間違わないように注意したい。よく使う分野における間違いやすい熟語を自分なりにノートにまとめ、何度も復習して正確に覚えておこう。下記に関連の動画を紹介するので、時間がある時に見てほしい。
(記事:薄井由・記事一覧を見る)
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