19日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で3日ぶり反落、ハイテクと医薬に売り

2022年1月19日 16:55

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記事提供元:フィスコ


*16:55JST 19日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で3日ぶり反落、ハイテクと医薬に売り
19日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比11.73ポイント(0.33%)安の3558.18ポイント(上海A株指数は0.33%安の3728.82ポイント)と3日ぶりに反落した。


経済活動の停滞が懸念される流れ。中国の新型コロナウイルス感染は、新規感染者数が足もとで減少していると伝わったものの、「ゼロコロナ」政策が堅持されているだけに、行動抑制強化の不安は依然としてくすぶっている。米金利高もマイナス。米金融当局は利上げを急ぐとの観測が強まる中、米10年債利回りは2年ぶりの高い水準に上昇している。新興国からの資金が流出すると警戒された。ただ、下値を叩くような売りはみられない。金融緩和に期待が高まっている。中国人民銀行(中央銀行)の劉国強・副総裁は18日、預金準備率の引き下げ余地はまだ残るとの見解を示した。マクロコントロールの上で必要があれば、準備率引き下げというツールを使う考えを示唆している。20日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」についても、多数の市場関係者が再引き下げが濃厚と指摘する状況だ。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテクの下げが目立つ。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が3.0%安、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の聞泰科技(ウイングテック・テクノロジー:600745/SH)が2.7%安、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が1.5%安で引けた。


医薬品株も安い。薬明康徳(603259/SH)が4.9%、北京同仁堂科技発展(1666/HK)が3.8%、ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)が2.2%ずつ下落した。


自動車株もさえない。長城汽車(601633/SH)が3.2%安、広州汽車集団(601238/SH)が1.7%安と値を下げた。素材株、公益株、海運株、防衛関連株なども売られている。


半面、石炭株はしっかり。中国中煤能源(601898/SH)が2.2%、エン鉱能源(600188/SH)が2.1%、陝西媒業(601225/SH)が1.3%ずつ上昇した。


米マイクロソフトによるメタバース関連ゲーム企業の巨額買収が刺激材料。メタバース(中国語:元宇宙)関連の銘柄群が物色された。吉視伝媒(601929/SH)がストップ高、浙報数字文化集団(600633/SH)が5.0%高、浙文互聯集団(600986/SH)が2.7%高で取引を終えた。食品飲料株、金融株、不動産株の一角も買われている。


一方、外貨建てB株相場は上海B株指数が0.03ポイント(0.01%)安の286.98ポイント、深センB株指数が0.62ポイント(0.05%)安の1180.78ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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