サントリー食品インターナショナル、3Qは増収増益 外部環境は向かい風も、想定を上回る実績を継続

2022年1月6日 16:53

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記事提供元:ログミーファイナンス

サントリー食品インターナショナル、3Qは増収増益 外部環境は向かい風も、想定を上回る実績を継続

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2021年12月期第3四半期決算説明会

三野隆之氏:サントリー食品インターナショナルの三野でございます。本日は、お忙しい中お時間をいただき、誠にありがとうございます。

まずはじめに、新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさまと関係者のみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。ならびに、感染拡大防止に向けて努力をいただいているみなさま、感染された方々への診断や治療にあたられている医療関係のみなさまに、心からの敬意を表します。

本日は、第3四半期決算をご報告し、その後、年間業績予想についてご説明します。

2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績(IFRS)

2ページをご覧ください。さっそくですが、2021年度第3四半期累計の業績結果をご報告します。売上収益は9,418億円、為替中立で3.9パーセント増、レポーティングベースでは6.3パーセント増となりました。

既存事業ベース営業利益は、為替中立で25.6パーセント増の1,008億円、レポーティングベースでは29.8パーセント増となりました。非経常的な要因も含めて計算した営業利益は、為替中立で25.5パーセント増の1,003億円、レポーティングベースでは29.8パーセント増でした。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は594億円、為替中立で21.9パーセント増、レポーティングベースで25.7パーセント増となりました。

アジャイル・トランスフォーメーションを掲げ、変革を迅速に行うとともに、成長に舵を切った施策を重ねてきました。第3四半期における外部環境の向かい風はあったものの、引き続き想定を上回る実績を出すことができています。

2021年度 四半期別 売上収益推移(IFRS)

当社事業の状況についてご説明します。海外は、為替中立ベースです。第3四半期は、日本・フランスを中心とした欧州北部での天候不順、ベトナムをはじめとしたアジア・パシフィック全域、そして日本における感染者数拡大に伴う制限強化の影響を大きく受けましたが、コアブランドへの活動に集中した結果、全社計売上収益はほぼ前年並みで着地しました。

欧州は、英国・スペインが力強い回復基調を維持、アジア・パシフィックは健康食品事業が好調、米州は家庭用・業務用とともに引き続き好調を維持しています。

2021年度 第3四半期累計(1-9月)の年間進捗率(IFRS)

年間の進捗率です。第3四半期は前述のとおり、天候不順・制限強化の影響を強く受けました。加えて、原材料価格高騰の影響が顕在化しています。そのような状況下ではありましたが、全社を挙げたコアブランドへの集中が奏功し、製品ミックスも改善しました。サプライチェーンにおけるコスト改善、管理費の見直しも徹底し、第3四半期累計では特に営業利益において、当初計画に対し高い進捗率を達成しています。

2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績 (IFRS) (セグメント別)

セグメント別の業績です。為替中立でご説明します。売上収益は、日本は前年並み、海外は各セグメントにおいて大幅な増収を継続しました。セグメント利益は、売上増・コストマネジメントの徹底により、全セグメントにおいて2桁以上の大幅な増益を維持しています。

【日本】2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績(IFRS)

日本からご説明します。売上収益は4,746億円、営業利益は361億円となっています。緊急事態宣言の延長や8月中旬からの天候不順の影響を受け、清涼飲料市場は1月から9月累計で前年比99パーセントと推定されます。コアブランド活動の強化ならびに新商品を積極的に投入し、販売数量は前年比101パーセントと市場を上回り、シェアを拡大しました。

売上収益は、リニューアルを実施した「クラフトボス」、「伊右衛門 京都ブレンド」や無糖炭酸水「THE STRONG 天然水スパークリング」が好調に推移しました。また、小容量(500ml PET)サイズへの注力が商品構成の改善に貢献しています。

営業利益は、商品構成の改善とともに自販機事業の構造改革における事業効率化によるコスト削減が寄与し、第3四半期累計で21.9パーセント増となりました。足元では、緊急事態宣言の解除により人の流れが徐々に回復する中、コアブランドへの投資をさらに強化しています。

【APAC】2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績(IFRS)

アジア・パシフィックリージョンです。売上収益は2,150億円、営業利益は308億円となりました。アジアは、第3四半期においてベトナムのロックダウンの影響を特に受けましたが、累計では、主要事業において増収を継続しました。

営業利益は、売上増に加え、製品ミックス改善やコストマネジメント徹底により、原材料価格高騰の影響が顕在化する中、増益基調を維持しました。

ベトナムは、「TEA+」「Sting」へ活動を集中し、市場シェアを拡大しました。タイ飲料は、低糖製品を含め「Pepsi」ブランドが引き続き堅調であり、「TEA+」も好調に推移し、市場シェアを拡大しました。

健康食品事業は、「BRAND'S Essence of Chicken」に活動を集中し、販売トレンドが好調を維持しました。累計では大幅な増収となっています。

オセアニアは「V」が大きく伸長し、エナジーカテゴリー市場を牽引しました。そのため、市場シェアを拡大しています。

足元では制限緩和が進んでおり、市場は回復傾向にあります。反転攻勢に向けて活動を強化しています。

【欧州】2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績(IFRS)

欧州です。売上収益1,779億円、営業利益322億円となりました。8月から9月にかけて、フランスをはじめとした欧州北部の天候不順が影響しましたが、ワクチン接種進展の追い風を受け、当社は売上収益も大幅な増収で推移しました。

営業利益は、増収に伴う限界利益増に加え、コストマネジメントの徹底を継続し、第3四半期累計で大幅な増益を維持しました。

フランスは天候不順の影響を受けましたが、家庭用チャネルは回復基調を継続し、業務用チャネルも夜間外出規制撤廃などにより回復しました。「Orangina」「Oasis」「Schweppes」がそれぞれ大きく伸長しています。

英国は、第2四半期からの回復基調が継続し、「Lucozade」「Ribena」がともに前年越えとなりました。スペインも第2四半期以降、業務用チャネルの回復基調が鮮明であり、「Schweppes」は累計で2桁増となりました。

市場が通常化に向かう中、売上の成長・市場シェア拡大に向けて活動を進めています。

【米州】2021年度 第3四半期累計(1-9月)実績(IFRS)

米州です。売上収益は742億円、営業利益は93億円となりました。第3四半期も家庭用チャネルが好調を維持し、業務用チャネルも第2四半期からの回復基調が継続しました。

炭酸・非炭酸カテゴリーがともに伸長し、増収となっています。営業利益は、売上増および業務用回復に伴うチャネルミックスの改善・コスト削減が寄与し、大幅増益を達成しました。

足元においても、引き続き全チャネルにおいて好調な売上トレンドが継続しています。着実な市場シェアの拡大を目指し、取り組んでいきます。

2021年度 業績予想(IFRS)

次に、2021年12月期通期の業績予想についてご説明します。北半球における最需要期は過ぎましたが、トップラインの成長に向けた攻めの姿勢で投資を行っていきます。

繰り返しになりますが、直近では世界的にワクチン接種が進展、制限緩和が進む中、人の流れが戻り始めています。主要市場の回復を着実に捉え、売上成長を加速させることに集中し、マーケティング投資も増やします。

他方、第3四半期以降、原材料価格の高騰、グローバルサプライチェーン混乱に伴うコスト増が顕在化し、当社の事業にも影響し始めています。加えて、欧州においては、再び感染者数が増えだしているようです。市場の状況の変化に対し、守りも柔軟に組み合わせ、すばやく対応していきます。

以上、第3四半期累計実績および第4四半期の見通しを踏まえ、業績予想を上方修正します。売上収益は1兆2,660億円、為替中立で5.1パーセントの増収、既存事業ベース営業利益は1,180億円、為替中立で15.4パーセント増、非経常的な要因も含めて計算した営業利益は1,170億円、為替中立で17.7パーセント増となります。また、配当は年初予想どおり78円を予定しています。

2021年度 業績予想(IFRS)(セグメント別)

セグメント別の業績予想をご説明します。日本は、売上6,340億円、営業利益420億円の見込みです。市場が徐々に回復に向かう中、それを追い風として、コアブランドへの活動をさらに強化していきます。

アジア・パシフィックは、売上2,965億円、営業利益390億円の見込みです。本格回復には時間がかかると想定の下、回復に伴う需要増を着実に捉え、成長軌道に戻すべく活動を強化していきます。

欧州は、売上2,300億円、営業利益360億円です。全体的に回復基調が継続すると想定しています。家庭用チャネルへの打ち手強化、業務用の回復基調を着実に捉えていきます。

米州は、売上1,055億円、営業利益120億円です。家庭用・業務用において活動を強化し、市場シェアの拡大に向けて取り組んでいきます。

サステナビリティへの取り組み - アップデート

最後に、サステナビリティへの取り組みについてご報告します。CO2削減については、4月に「環境目標2030」を改定、9月には当社の新たなグリーンハウスガス排出削減目標が評価され、SBTイニシアチブの認定を取得しました。

プラスチックについては、引き続き2030年に全世界でペットボトルのサステナブル化100パーセントの実現に向け、全リージョンで取り組みを強化しています。

日本においては、目標50パーセントを3年前倒しで2022年に達成することを目標に取り組み、欧州においても、2025年に50パーセントの目標を掲げています。今後も、グループ一丸となって、サステナビリティ経営に取り組んでいきます。

以上、第3四半期の業績および2021年度の通期業績予想をご報告しました。引き続き、事業のモメンタムを維持し、最後まで攻め続けていきます。変動の激しい外部環境、原材料市況、サプライチェーンの混乱などに適切に対応しながら、来期へしっかりとつないでいきたいと思います。私からは以上でございます。

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