グローリー、落とし物管理の自動化へ実証実験 駅や大型商業施設で

2021年11月27日 08:06

印刷

受付機を起点に落とし物管理業務の効率化を図る(写真はグローリー発表資料より)

受付機を起点に落とし物管理業務の効率化を図る(写真はグローリー発表資料より)[写真拡大]

 グローリー(兵庫県姫路市)は25日、落とし物管理業務のDXを進める実証実験を進めていると明かした。落とし物の多い商業施設や駅などでは、管理の手間を削減し効率化することが課題となっている。同社は「受付機」を使って管理業務の自動化を図る。

【こちらも】ファミマ、飲料陳列をAIロボットで自動化 ALFALINK相模原店に導入

 落とし物を拾った一般客や従業員が受付機にタッチパネルで必要な情報を入力し、写真撮影も行う。登録データはターミナルPCに自動で送信され、そのまま管理台帳として登録される。落とし物の預かりも受付機が行う。担当者は、定期的に受付機から落とし物を回収して保管するだけでよくなる。

 拾得物は1週間以内に警察に移管しなければならない。その際にこれまでは書類作成が必要だったが、グローリーのソリューションでは、台帳データから自動で届出の作成も行う。落とし物と届出を運送業者に渡せば、移管代行サービスを通して警察へ落とし物の移管も行ってくれる。

 商業施設や駅など落とし物が多発する場所では、比例して落とし物の管理業務も増える。通常は、担当者が届け出た人の情報や拾得場所などの聞き取りを実施。落とし物の写真撮影を行い台帳に記録する。問合せへの対応や落とし主が見つかれば返還作業を行い、保管期間が過ぎたら警察向けの届出を作成し、拾得物の移管も行わなければならない。

 こうした一連の管理業務が担当者の大きな負担になっており、効率化や自動化が多くの施設で求められるようになってきていた。グローリーは煩雑な管理業務の効率化を図り、担当者の作業負担軽減を目指す。

 実証実験は3月に大手鉄道会社の駅構内で第1弾を実施した。7月にはセブン&アイ・ホールディングス運営のイトーヨーカドー赤羽根店で実施。今年度中に、イオンモールむさし村山でも行う予定だ。

 実証実験では、受付機を使って効率化が図れるか検証を行う。操作面などの検証も行い、2023年度には実際の市場導入を目指す計画だ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事