関連記事
ANA、通期予想を下方修正 黒字から1000億円の赤字へ コロナ禍長期化
(c) 123rf[写真拡大]
■通期最終損益は1000億円の赤字を見込む
ANAホールディングス(9202・ANA)は10月29日、22年2月期第2四半期累計(21年4月~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比47.7%増の4311億円、営業損益は1160億円の赤字(前年同期は2810億円の赤字)、純損益は988億円の赤字(同1885億円の赤字)と、コロナ禍初年度であった前期に比べ業績は改善している。
【21年3月期は】ANA、21年3月期は過去最大の大幅赤字 22年3月期は黒字回復見込み
一方で、前年から続くコロナ禍の影響を受け通期業績予想は下方修正している。売上高は期初予想よりも23.2%減の1兆600億円(前期比45.5%増)、営業損益は280億円の黒字予想から1250億円の赤字(前期は4648億円の赤字)、純損益は35億円の黒字予想から1000億円の赤字(同4046億円の赤字)と修正。コスト削減に取り組むものの、売上高減少に伴いコストカバーが難しいという見込みとなった模様。
■国内外共に旅客数は回復傾向も道半ば
前期はこれまで最も厳しい状況となった旅客部門だが、回復の傾向が見られた。国内線の旅客収入は前年同期比41.7%増、国際線では同54.9%増となっている。東京オリンピックに伴う輸送協力や、海外赴任・帰任のビジネス需要に応えたものの、前々期と比べてみればまだ道半ば。
一方で、貨物部門は引き続き好調だ。国際線貨物売上は前年同期比172.4%増の1383億円。21年3月期通期の1605億円を半期で迫る勢いだ。コロナワクチンの輸送による特需も含まれているものの、航空輸送品の増加が影響している。
■グループ約2割の規模となる従業員削減を発表
引き続き厳しい事業環境である中、ANAグループ約3万8000人のうち、約9000人を25年3月期までに削減する方針を発表。新規採用や定年退職によって調整する見込みだが、人材あっての航空業界である中、厳しい舵取りを経営には求められていることが窺える。
財務面では資本増強しているため、倒産リスクは減少しているものの、予断は許せない状況だ。緊急事態宣言が解除され、徐々に普通の生活が取り戻されている中、下期の状況次第では、更なる業績改善策が必要とされる可能性があるだろう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード
スポンサードリンク
- 国内LCCの垂直尾翼から「Z」マーク消える ロシア軍の影響 6/21 07:41
- JALとKabuK Style、「航空サブスク」の第2回実証実験 143路線で
6/18 08:16
- JAL、パイロット向けフライトシミュレーター体験を一般に 1組36万円 6/ 5 08:03
- 持続可能航空燃料100%で運航とのユナイテッド航空、2倍の誇張に批判 12/ 7 10:35
- ANA、東工大と「歩行支援ロボット」の実証実験 新たな旅需要創出へ 12/ 5 07:31