14日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で続落、不動産セクター下げ目立つ

2021年9月14日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 14日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で続落、不動産セクター下げ目立つ
14日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比311.58ポイント(1.21%)安の25502.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が157.26ポイント(1.70%)安の9081.73ポイントとそろって続落した。売買代金は1409億4470万香港ドルとなっている(13日は1503億3620万香港ドル)


中国産業締め付けの警戒感が依然としてくすぶる流れ。現地メディアが報じたところによれば、上海や広州など大都市で住宅ローンの審査や金利が一段と厳格化されている。プラットフォーム企業に対する監督強化の動きは峠を迎えた——との見方が一部で流れているものの、他業界への広がりが懸念される状況だ。新型コロナウイルス感染再拡大も不安視。中国の保健当局は14日、福建省の新規感染例が13日、12日の2倍以上に拡大したと報告した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が6.8%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が5.3%安、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が4.6%安と下げが目立った。


セクター別では、中国の不動産が安い。上記した碧桂園のほか、中国恒大集団(3333/HK)が11.9%、融創中国HD(1918/HK)が11.2%、広州富力地産(2777/HK)が7.7%、合景泰富地産HD(1813/HK)が5.5%、万科企業(2202/HK)が5.2%ずつ下落した。財務不安を抱える中国恒大集団に関しては、業績悪化の警戒感が高まっている。同社は14日、今年9月の住宅成約額が引き続き大幅減少するとの見通しを示した。それに先立つ13日、広東省仏山市南海区の住宅当局は、中国恒大集団が開発した複数の住宅物件について、担保登記手続きを一時停止したと発表。このことにより、住宅購入者はローンを組めなくなる。


中国金融セクターもさえない。招商銀行(3968/HK)が3.3%安、中国建設銀行(939/HK)が2.4%安、中国工商銀行(1398/HK)が1.8%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.5%安、中国平安保険(2318/HK)が2.6%安、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が2.1%安、中信証券(6030/HK)が2.8%安、華泰証券(6886/HK)が1.9%安、海通証券(6837/HK)が1.6%安で引けた。銀行株に関しては、不動産向け融資の不良債権比率悪化も改めて売り材料視されている。


半面、医薬品セクターはしっかり。百済神州(ベイジーン:6160/HK)が2.4%高、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が1.8%高、上海復星医薬集団(2196/HK)が1.6%高、中国神威薬業集団(2877/HK)が1.5%高で取引を終えた。


一方、本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.42%安の3662.60ポイントで取引を終了した。金融株が下げを主導する。不動産株、公益株、資源・素材株、消費関連株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。半導体株も物色されている。

亜州リサーチ(株)《FA》

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