エルメス財団編の書籍『Savoir & Faire 木』“木とは何か”を考察、内藤礼や藤森照信ら寄稿

2021年8月30日 11:28

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記事提供元:ファッションプレス

 エルメス(HERMÈS)財団の編纂による書籍『Savoir & Faire 木』が、全国の書店にて発売される。

■「木とは何か」を多角的に問う

 『Savoir & Faire 木』は、身近にある“木”という素材に着目し、「木とは何か」を多角的に捉える文章を多数収録した書籍だ。

 本書は、自然素材に光をあて、これにまつわる職人技術や手わざの伝承と発展、普及を目指すエルメス財団のプログラム「スキル・アカデミー」の一環として企画された書籍から、8本の論文と聞き書きを精選。さらに、日本語版オリジナルのコンテンツとして、11人の日本人による寄稿とインタビュー9本を加えた。

 寄稿者は、美術家の内藤礼、建築家・建築史家の藤森照信、哲学者・フランス文学者の宇野邦一など。ほかにも、歴史社会学者、植物文化史研究者、職人、調香師、発酵学者といった多岐にわたる分野の人びとによる文章を収めた。

 “木の国”と称されるほど、文化や生活が木と分かちがたく結びついている日本において、木の存在、そして木とともに育まれてきたスキルについて、多彩な視点から考えることができそうだ。

■詳細

 書籍『Savoir & Faire 木』(講談社選書メチエ)
発売日:2021年7月30日(金)
編:エルメス財団
価格:2,750円
発行:講談社
仕様:四六版変型 上製 函入 392ページ

〈内容〉
日本版によせて オリヴィエ・フルニエ(エルメス財団理事長)
ものづくりの知恵とわざ ユーグ・ジャケ(社会学者・歴史学者、« Savoir & Faire »ディレクター)
木はリゾームである、そして非有機性のほうへ 宇野邦一(哲学者・フランス文学者)

I. 木と出会う
木材を知り、見分け、名付ける ポール・コルビノー+ニコラ・マッキオーニ(木の彫刻家・職人・エンジニア)
日本人にとっての木 有岡利幸(植物文化史研究者)
中世における木 ひとつの文化史 ミシェル・パストゥロー(中世史家)
ひと 内藤礼(美術家)

II. 木と作る
日本の木造建築の歴史と特質 藤森照信(建築家・建築史家)
デザイン、工芸、そして工業における素材の技術的発展 レイモン・ギドー(デザイン史家)
木工家具とDIYスキルの可能性 石巻工房(公共工房・木工家具制作)
パリ工芸博物館の所蔵品に見る道具についての考察 エリック・デュボワ(応用美術教授)
木と仏像 籔内佐斗司(彫刻家・仏像の修復と制作技法の研究家)
森は目である。その目には視線が刻まれている ジュゼッペ・ペノーネ(アーティスト、彫刻家)

III. 木と感じる
「木」と食の道具 小泉武夫(発酵学者)
日常の木の器 仁城義勝・仁城逸景(漆器作家)
わずかな素材できわめて優美な物を作るという、いともシンプルな発想 エルワン・ブルレック(デザイナー)
香る木 ジャン゠クロード・エレナ(調香師)
木と煕 山本昌男(写真家)

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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