TACは22年3月期1Q大幅増収増益と順調

2021年8月10日 08:52

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  TAC<4319>(東1)は「資格の学校」を運営し、成長戦略として新事業領域への展開も強化している。8月6日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。個人教育・法人研修事業において新型コロナウイルスの影響が和らぎ、出版事業の拡大も寄与して大幅増収増益と順調だった。通期の大幅営業増益予想を据え置いた。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げたが調整一巡感を強めている。第1四半期業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期1Q大幅増収増益と順調、通期大幅営業増益予想据え置き

 22年3月期第1四半期連結業績は、売上高(前受金調整後の発生ベース売上高)が前年同期比12.4%増の57億36百万円、営業利益が21.4%増の6億22百万円、経常利益が22.5%増の6億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が23.6%増の4億32百万円だった。

 個人教育・法人研修事業において新型コロナウイルスの影響が和らぎ、出版事業の拡大も寄与して大幅増収増益だった。セグメント別の売上高(前受金調整前の現金ベース売上高)は、個人教育事業が13.9%増の26億23百万円、法人研修事業が28.3%増の11億47百万円、出版事業が37.6%増の11億41百万円、人材事業が18.3%増の1億44百万円だった。

 受講者数は個人が前年同期比23.7%増の4万4987人、法人が6.9%増の3万1049人、合計が16.2%増の7万6036人だった。

 なお第1四半期から収益認識に関する会計基準を適用し、出版事業における返品の可能性のある取引について計上方法を変更している。これによって、従来基準に比べて売上高が72百万円増加、売上原価が30百万円増加したが、従来から売上総利益相当額について返品調整引当金を計上していたため、差引売上総利益以下の各段階利益に与える影響はないとしている。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高(前受金調整後の発生ベース売上高)が21年3月期比3.8%増の205億円、営業利益が48.3%増の6億円、経常利益が10.6%減の5億78百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.3%減の3億80百万円としている。配当予想は1円増配の6円(第2四半期末3円、期末3円)である。

 経常利益と親会社株主帰属当期純利益は前期計上の助成金収入や受取補償金が剥落して減益予想だが、新型コロナウイルス感染状況に応じた臨機応変な対応、新たな売上獲得や新たな事業領域への挑戦、賃借料の適切なコントロールなどを推進して大幅営業増益予想としている。季節要因で下期は赤字となる傾向があるが、通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げたが調整一巡感を強めている。第1四半期業績を評価して出直りを期待したい。8月6日の終値は231円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円54銭で算出)は約11倍、時価総額は約43億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【特集】「トリプル・ブルー」となった割安株、個人投資家の参戦余地は?(2021/02/01)
【編集長の視点】京阪神ビルは高値期日一巡を先取り業績上方修正・増配を買い直して反発(2021/03/16)
【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?(2021/02/08)
朝日ラバーは調整一巡、22年3月期収益回復期待(2021/03/30)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事