ユーロ週間見通し:もみ合いか、欧米諸国の株式市場を注視へ

2021年8月7日 14:31

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記事提供元:フィスコ


*14:31JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、欧米諸国の株式市場を注視へ
■弱含み、米雇用統計改善でユーロ売り強まる

今週のユーロ・ドルは弱含み。ユーロ圏の6月生産者物価指数の伸び拡大や米国の7月ADP雇用統計(民間雇用者数)の伸びが半減したことで、ユーロ買い・ドル売りが先行したが、クラリダ米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が「2022年末までに利上げの条件は満たせる可能性がある」と発言したことや、7月米雇用統計の改善を受けて、ユーロ売り・ドル買いが活発となった。取引レンジ:1.1754ドル-1.1900ドル。

■もみ合いか、6月ユーロ圏鉱工業生産などが有力な手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。経済指標ではユーロ圏6月鉱工業生産が注目されそうだ。市場予想を上回る堅調な数字だった場合、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りが強まる見通し。ただ、米国の7月消費者物価コア指数が市場予想を上回った場合、米国金利の先高観が強まり、ユーロ売り・米ドル買いが強まる可能性がある。

予想レンジ:1.1700ドル−1.1850ドル

■弱含み、ウイルス変異株の感染拡大を警戒したユーロ売り

今週のユーロ・円は弱含み。世界の新型コロナウイルス変異株の感染拡大が世界経済の回復を妨げるとの懸念でリスク回避のユーロ売り・円買いが優勢となった。ユーロ圏の6月小売売上高の伸びが鈍化したことや、7月米雇用統計の改善を受けてユーロ売り・米ドル買いが活発となったことも影響したようだ。取引レンジ:129円14銭−130円42銭。

■もみ合いか、欧米諸国の株式市場を注視へ

来週のユーロ・円はもみ合いか。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が引き続き警戒されており、リスク選好的なユーロ買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。ただし、欧米諸国の株式がしっかりとした値動きを見せた場合、域内経済の正常化を期待したユーロ買い・円売りが強まる可能性は残されている。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日:6月鉱工業生産(5月:前月比-1.0%)
・13日:6月貿易収支(5月:+75億ユーロ)

予想レンジ:128円50銭−131円00銭《FA》

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