15日の米国市場ダイジェスト:NYダウ53ドル高、FRBの緩和姿勢が引き続き下支え

2021年7月16日 07:43

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記事提供元:フィスコ


*07:43JST 15日の米国市場ダイジェスト:NYダウ53ドル高、FRBの緩和姿勢が引き続き下支え
■NY株式:NYダウ53ドル高、FRBの緩和姿勢が引き続き下支え

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は53.79ドル高の34987.02ドル、ナスダックは101.82ポイント安の14543.13で取引を終了した。強弱まちまちの経済指標を受けて、寄り付き後、いったん下落した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会の証言で、緩和縮小の条件達成は程遠いとの見解を繰り返すと上昇に転じ、ダウは終日底堅い展開となった。ハイテク株は利益確定売りが継続し、ナスダック総合指数は下落。セクター別では、公益事業が上昇した一方で、半導体・同製造装置、エネルギーが下落した。

金融のモルガンスタンレー(MS)は決算で過去2番目の高利益を計上し、堅調に推移。テクノロジー会社のハネウェルインターナショナル(HON)はナスダック100指数の構成銘柄において、21日付けで同社をバイオのアレクシオン・ファーマ(ALXN)にかわり加えると取引所が発表し、上昇した。航空会社のデルタ(DAL)はアナリストの投資判断引き上げを受けて上昇。一方、製薬会社のバイオジェン(BIIB)は、同社製造のアルツハイマー薬を巡り、主要医療機関や保険会社が食品医薬品局(FDA)承認に懐疑的見方から利用しない決定をしたことが明らかになり、売られた。

取引終了後、金属メーカーのアルコアは第2四半期決算を発表し、売上高が予想を上回ったため時間外取引で上昇している。

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■NY為替:米金融緩和策継続への思惑で円売り縮小

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円09銭まで上昇後、109円78銭まで下落し、109円85銭で引けた。米国の週次新規失業保険申請件数は減少したこと、7月NY連銀製造業景気指数は過去最高を記録したことから、ドル買いが優勢となったが、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会での証言で「緩和縮小の条件達成には程遠い」との考えを示し、長期金利は一段と低下し、ドル売りに拍車がかかった。

ユーロ・ドルは1.1823ドルから1.1796ドルまで下落し、1.1811ドルで引けた。イタリア中銀総裁のハト派発言を受けたユーロ売りが継続。ユーロ・円は130円05銭から129円61銭まで下落した。ポンド・ドルは1.3874ドルから1.3805ドルまで下落した。英中央銀行による早期緩和縮小観測が強まり、ポンド買いが一時優勢となったが、取引終了時点にかけて反落。ドル・スイスは0.9165フランから0.9193フランまで上昇した。


■NY原油:続落で71.65ドル、需給ひっ迫の思惑はさらに後退

NY原油先物8月限は続落(NYMEX原油8月限終値:71.65 ↓1.48)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-1.48ドルの71.65ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは71.40ドル-72.96ドル。アジア市場の終盤にかけて72.96ドルから71ドル台後半まで下げた。ニューヨーク市場で一時72.93ドルまで戻したが、主要産油国は減産規模を縮小するとの見方が広がったことから、需給ひっ迫の思惑はさらに後退。ポジション調整的な売りが再び活発となり、時間外取引で71.40ドルまで下げている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 38.83ドル -0.03ドル(-0.08%)
モルガン・スタンレー(MS) 92.63ドル +0.17ドル(+0.18%)
ゴールドマン・サックス(GS)373.35ドル -1.05ドル(-0.28%)
インテル(INTC) 55.81ドル -0.71ドル(-1.26%)
アップル(AAPL) 148.48ドル -0.67ドル(-0.45%)
アルファベット(GOOG) 2625.33ドル -16.32ドル(-0.62%)
フェイスブック(FB) 344.46ドル -3.17ドル(-0.91%)
キャタピラー(CAT) 211.41ドル -0.23ドル(-0.11%)
アルコア(AA) 34.54ドル -0.60ドル(-1.71%)
ウォルマート(WMT) 141.66ドル +0.11ドル(+0.08%)《ST》

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