緊急事態宣言解除先取りの投資スタンスとは?

2021年4月26日 12:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■バイク株、ゴルフ株には上方修正が相次ぎPER評価も「安」

 今週の当特集では、連休中(ウイズGW)も連休明け後(アフターGW)も、緊急事態宣言解除先取りの投資スタンスとしてやはり「安・近・単」で風待ちすることを提案することとした。外部材料に影響を受け難い身近なディフェンシブ系のアウトドア関連株、ロード関連株へのアプローチで、連休明けには関連需要の動向も伝えられ、話題性も高まる展開も想定されるためだ。ソーシャル・ディスタンス関連のオートバイ株やゴルフ株、「ソロ・キャンプ」関連のレジャー株、「ロードサイド」関連の小売り株・外食株など、業績の上方修正株や割安株の「安」も多いだけに幅広く網を張りたい。

 バイク関連株の業績上方修正の代表株といえば、バイク王&カンパニー<3377>(東2)だろう。今年3月30日に今11月期業績を上方修正し、米国の二輪車メーカー、ハーレー・ダビッドソンの好決算、株高も追い風になって年初来高値追いとなり51%高となったためだ。このほか業績を上方修正した関連株は、二輪車チェーンの大同工業<6373>(東1)、二輪車用品のデイトナ<7228>(JQS)、二輪車用ヘルメットのSHOEI<7839>(東1)と続き、二輪車電装品の新電元工業<6844>(東1)は、希望退職者募集で赤字業績となるが、この赤字幅が縮小する業績の上方修正済みである。このうちデイトナがPER7倍台、大同工が11倍台、バイク王が14倍台と「安」となる。

 業績上方修正では、ゴルフ株も敗けてはいない。ミズノ<8022>(東1)は、ゴルフクラブが好調として4月22日に2021年3月期業績を上方修正し、前週末23日に大幅続伸して東証第1部の値上がり率の第8位と人気化したが、このほかゴルフ・ドゥ<3032>(名セ)、ゴルフダイジェスト・オンライン<3319>(東1)、グラファイトデザイン<7847>(JQS)が業績を上方修正し、前取締役会長が不祥事で逮捕されたアルペン<3028>(東1)も、その一角に名を連ねる。松山英樹選手が、日本人として初めて米国のマスターズでメジャー制覇したことも人気拡大をフォローしている。PER評価は、ゴルフ・ドゥが7倍台、アルペンが11倍台、ミズノが14倍台で「安」になる。

■「ソロ・キャンプ」にも業績好調組、ロードサイド株には3指標株

 「安・近・単」の「単」では、ソーシャルディスタンス人気内包でブームの「ソロ・キャンプ」関連株が浮上する。スノーピーク<7816>(東1)は、前2020年12月期業績を上方修正し、今2021年12月期業績の続伸を予想している。またヒマラヤ<7514>(東1)は、今8月期業績を上方修正、大幅黒字転換とV字回復を見込んでいる。ヒマラヤのPER評価は11倍台にとどまる。

 「三密」回避で感染リスクが低減されるロードサイド店舗へのアプローチは、再々発出された緊急事態宣言でどのような休業・営業時間短縮の制限を受けるか見極める必要がある。この先行きの動向を占うカギとなる銘柄が浮上するはずで、前2回の緊急事態宣言発出下で業績を伸ばしてきた銘柄となる。前2021年2月期業績を郊外店舗への来客数の増加で4回も上方修正し、今2月期純利益も連続過去最高更新と見込んでいる西松屋チェーン<7545>(東1)、前2021年8月期業績をテレワーク関連商品などの寄与で上方修正し、今8月期業績も上方修正したコジマ<7513>(東1)、郊外店でのテイクアウト商品展開で月次売り上げが2ケタ増と外食産業の勝ち組となった日本マクドナルドホールディングス<2702>(JQS)などが有力な指標株として注目されそうだ。西松屋のPERは11倍台、コジマは10倍台の評価でしか過ぎない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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