イトーヨーカ堂がニューノーマル対応店舗 「ARでバーチャル試着」も

2021年4月23日 17:29

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 イトーヨーカ堂(東京都千代田区)が、ニューノーマルにマッチする店舗を開発した。4月23日にリニューアルオープンした大和鶴間店には、ARでバーチャル試着できる「Vミラー」や、検温機能の付いた多機能試着室を導入。新型コロナウイルスの猛威が収まらない中、感染リスクを低減する店舗づくりを模索している。

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 非対面接客を行うバーチャルミラーを3種類設置。婦人・紳士服売り場にはバーチャル試着ができるミラーを4台設置した。子ども売り場には、ランドセルを背負わずにバーチャル試着ができるミラーを3台置く。化粧品売り場にも、実際にメイクしなくとも色味を確認できるミラーを用意した。来店客と従業員が近づくことなく接客を行うことができる。

 肌着売り場には、多機能試着室を1カ所設けた。インナーの付け方を動画で確認することができる。着用アドバイスが欲しい来店客も、セルフフィッティングの希望者も、この動画を参考に正しくインナーをつけることが可能になった。従業員と会話する際も、飛沫防止の透明ロールスクリーンをおろすことができるため、安心して対面できる。顔認証検温モニターも搭載している。

 ネットスーパーの利用者も配慮し、店舗受取商品を店内に入らずにピックアップできるロッカーを置いた。受け取り時間は14時~21時。セブン&アイグループ全体で2020年3月から実証実験を行っている最中で、これで5台目の設置となる。

 感染症対策にも万全を尽くす。手洗いができる「安心カウンター」を入り口に設け、レジのサッカー台やフードコートの客席には飛沫防止パネルを設置した。ブース内で買い物カゴを除菌する「買い物かご除菌機」も導入した。不特定多数の人が触れるカゴの持ち手が感染源とならないようにする。

 同店は2001年11月に開業した地上3階建ての店舗。敷地面積は約3万8000平方メートル、売り場面積は約2万2000平方メートル。デジタルを導入しコロナに負けないニューノーマル型店舗に大幅改装した。「ぬいぐるみ動物園」や光と3Dで遊べるデジタルパークなども導入し魅力的に仕上げた。

 度重なる緊急事態宣言が経済活動を鈍化させている。感染症対策を行い、安心して来店できる店にできるかどうか、分岐点に立っている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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