房総半島沖水深6,000m付近の海底に大量のプラスチックごみ

2021年4月5日 07:51

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記事提供元:スラド

JAMSTECの海洋プラスチック動態研究グループの調査によると、房総半島から約500km沖、水深6,000m付近の深海平原に大量のプラスチックごみが集積しているそうだ(プレスリリース論文)。

海洋に流出するプラスチックごみのうち海面に浮かぶ量は4%程度に過ぎず、深海底が最終的な集積地と考えられているが、その実態はよくわかっていなかった。海洋プラスチックごみの約半分は日本を含む東アジアや東南アジアから漏出しており、その一部は黒潮に乗って日本近海を北上する。そのため、海流が大きく渦を巻いて循環する四国沖の「黒潮・再循環域」と房総半島沖の「黒潮続流・再循環域」では、運ばれてきたプラスチックごみが渦に巻き込まれて集積・沈降し、海底に巨大なごみだまりが形成されていると予想されていたという。

今回の研究では、2019年9月に有人潜水調査船「しんかい6500」で黒潮続流・再循環域直下の深海平原を調査。目視観察および撮影した映像をもとに単位面積当たりのプラスチックごみ密度を算出したところ1平方キロメートル当たり平均4,561個と、過去に記録された深海平原におけるプラスチックごみと比べて2桁高く、海溝や海底谷といったごみが集まりやすいと考えられる窪地との比較でも高い値となっている。

見つかったプラスチックごみの8割以上はポリ袋や食品包装などの使い捨てプラスチックであり、製造年月日に昭和59年(1984年)9月と印刷されたチキンハンバーグの袋がほぼ無傷な状態で発見されるなど、水温の低い深海ではプラスチックがほとんど劣化しないことも判明。表層で沈み込むプラスチックごみは1週間以内に海底まで到達すると推定されており、地球シミュレータによるシミュレーションでは黒潮続流・再循環域の海底に沈むプラスチックごみは遠くの海底から運ばれてきたのではなく、鉛直方向に沈降したものが残留している可能性が高いという結果が出たとのこと。

今後の研究ではさらに多くのごみが集積されている可能性のある四国沖の黒潮・再循環域の海底を調査するほか、黒潮が運ぶプラスチックごみの量や海底に輸送するメカニズム、日本周辺の深海底に広がるプラスチックの存在量などを明らかにし、深海に特異的なプラスチックごみ生命圏の実体を明らかにしていく予定とのことだ。 

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